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北広島の新球場で

長万部、音威子府、倶知安、厚岸、比布、和寒…
北海道の地名には難読なものが多い。それは北海道の先住民族であるアイヌの言葉を元に地名が定められたからである。
一方、アイヌ語を由来としない市町村名もある。そのほとんどは北海道開拓のために本州からやってきた人たちがそのルーツを地名としたもので、有名なのは「伊達市」「北広島市」「新十津川町」。

これを読んでいるのは野球ファンばかりだろうから、北広島といえばファイターズを思い浮かべる人が多いだろう。
ファイターズの新球場「エスコンフィールド北海道」が2023年オープンを目指して現在も建設中で、その建設の様子は毎日ライブカメラで見ることができるようになっている。ただ広い、何もないところから少しずつ球場が造られていく様子を見られるのは、今しかできない贅沢とも言える。

8月24日に建設現場をファイターズの14選手が視察した時に、福田俊投手が学生時代(星槎道都大)を過ごした北広島に球場ができることを喜んでいた。
北広島で野球に打ち込んできた選手が、北広島に球場を移転すると決めた地元北海道の球団に指名されるというだけでも心踊ったが、今年は着実に一軍での居場所を作り始めていて、新球場ができた頃にはきっとブルペンを支える中継ぎの一人になってくれるだろう。もうすでに福田投手が新球場のマウンドに立つ姿を想像してワクワクしている。

そしてファイターズにはもう一人、北広島で学生時代を過ごし、北広島に育てられた選手がいた。
堀瑞輝投手だ。
「いや、堀くんは広島県出身だけど、北広島市とは何の関係もないのでは?」
そう思うだろう。確かに北広島市とは関係ない。堀投手が生まれ育ったのは広島県呉市である。
しかし、堀投手が野球選手としての礎を築いた広島新庄高校があるのは「広島県山県郡北広島町」なのだ。
堀投手がドラフトで指名された2016年は、新球場の影も形も噂もない頃。
2018年3月に新球場が北広島市に作られると決まった時、堀投手はどう思ったのか。北広島という地名に何か思うところがあったのではないだろうか。北広島という地名がつなぐ縁を感じたのではないだろうか(誰か堀投手に聞いてみて欲しい)。堀投手も新球場の視察に参加していたけれど、どこにもコメントが出ていないのが残念だ。

また、中田翔はその視察で「第1号ホームランを打ちたい」と言っていた。中田選手も広島県広島市出身であるから、地名との縁を感じているかもしれない。
それならば、北広島の新球場での初勝利も、北広島に縁があるどちらかに挙げてほしいと思っている。

先発は30歳となって脂ののったエースの上沢か、それとも道産子の杉浦か、若手の河野や吉田輝星、北浦なのかもしれない。
きっとスタメンには清宮や野村がいるはずだ。
ワクワクする。
息詰まる投手戦で進み、先発から中継ぎの福田や堀に代わった後、代打中田のホームランで試合が決まる。そんなゲームだったらいいな。

今日も新球場の工事の様子を眺めながら妄想はとめどなく膨らんでいく。

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