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副露に対するベタオリ(後編)

研究代表者 nisi
研究協力者 とつげき東北、みーにん

はじめに

前回の続きです。引き続き、副露に対するベタオリ『新 科学する麻雀 実戦問題集』のボツ原稿)を掲載していきます。

原稿のラインナップ

前編(前回記事)
・(優先度A)対副露ベタオリの基本
・(優先度B)1枚切れ孤立牌の場に切られてからの手出し回数別、テンパイ時放銃率
・(優先度C)生きている役牌の種類別、孤立ション牌である役牌のテンパイ時放銃率

後編(本記事)
・(優先度B)対染め模様副露
・(優先度C)対トイトイ
・(優先度B)放銃時平均失点

(優先度B)対染め模様副露

役牌タンヤオに続いて、警戒が必要な手役として染め手(ホンイツ、チンイツ)が挙げられる。出現頻度こそ役牌やタンヤオには劣るものの、ホンイツなら鳴いても最低2ハンは確保されるうえに、役牌と複合することも多く、通常の副露よりも放銃した時の失点が大きくなりやすいからだ。

染め手を警戒するにあたって、副露者がどのような捨て牌と仕掛け方をしている場合に「染め手を狙っている」と判断するか、という問題が生じる。特に牌譜解析からテンパイ率、テンパイ時放銃率などのデータを取るにあたっては、何らかの具体的な条件を設定しなければならない。本書では、以下の条件に当てはまる副露者について「染め模様副露」と定義して各種のデータを取っている。なお、『新 科学する麻雀』テーマ17・18の対染め手の押し引き判断についても、この定義に基づいてデータを取っている。

○「染め模様副露」の定義
1・6巡目までで1副露以上している
2・6巡目までの捨て牌で染め色が切られていない
3・6巡目までの捨て牌で切られている字牌が1枚以下
4・染め手が否定される仕掛け(マンズ染めのときにピンズやソーズの仕掛けが含まれるなど)が入っていない
5・6巡目までの捨て牌で切られている2~8牌が3枚以上
6・3巡目までの捨て牌で切られている2~8牌が1枚以上
7・染め色が切られた後非染め色が手出しで切られていない

この「染め模様副露」の条件は、実際の副露者の手牌が染め手になっていることと必ずしも一対一に対応しない。データによると、「染め模様副露」者の手牌が実際に染め手になっている割合は64.6%だ。また、実際に染め手をしている者のうち、「染め模様副露」の定義に適合している割合は39.6%だ(いずれも2副露時)。

まずは、危険度を構成する要素のうち、「染め模様副露」のテンパイ率のデータを見てみよう。

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