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段位pt期待値から見る、アガリの価値

研究代表者 nisi
研究協力者 とつげき東北、みーにん

1.はじめに

試合終了時の点棒で順位をつける、という麻雀のルール上、高い手をアガれるほど有利であり、他家に振り込んだら不利になるのは当たり前の事実でしょう。では、1回のアガリや放銃などの点棒の動きが、試合終了時収支(本記事については段位pt)に対してどの程度の有利さ(もしくは不利さ)につながるのか(寄与度)、を疑似麻雀シミュレーションで調べてみます。

2.シミュレーション方法

5つの点棒状況(後述)について、
アガリ者4パターン×放銃者4パターン(便宜上、アガリ者=放銃者の場合をツモアガリとする。)×打点3パターン2ハン30符、3ハン30符、4ハン30符)の計48パターンのシミュレーションを行う。
・アガリが発生する前の4者の段位pt期待値(以下、前段位ptと記述する。)、アガリが発生した後の4者の段位pt期待値(以下、後段位ptと記述する。)、4者の後段位ptと前段位ptの差(以下、差段位ptと記述する。)をシミュレーションにより求める。

点棒状況は次の5つとする。
トンパツ
南1・起家強浮き(起家から順に40000・30000・20000・10000の並び)
南1・起家弱浮き(起家から順に30000・25000・25000・20000の並び)
南1・起家弱沈み(起家から順に20000・25000・25000・30000の並び)
南1・起家強沈み(起家から順に10000・20000・30000・40000の並び)

ごちゃごちゃと書きましたが、こんな感じの表を作成します。

画像1

最初の5列が点棒状況、次の3列がアガリ者(1が起家、4がラス親)・放銃者打点(アガリハン数)、次の4列が前段位pt、次の4列が後段位pt、最後の4列が差段位ptです。

差段位ptの多寡で、1局のアガリや放銃などの価値を判断します。

3.トンパツの場合の、アガリ価値(差段位pt)

まずは、トンパツの点棒状況について、差段位ptを見ていきます。下表になります。

画像2

見るのはアガリ者・放銃者・アガリハン数の3列と差段位pt(後ろ3列)だけで構いません。差段位ptについて、アガリ者をオレンジ色、放銃者を黄緑色、被ツモ者を黄色で塗っています。(残りの白色は横移動)

以下、てきとうに分析していきます。

起家(親)のアガリの価値は、2ハンが+15pt、3ハンが+29pt、4ハンが+51pt。単純な点数比例でなく高打点になるほど差段位ptの上昇が鈍くなる。
起家(親)の放銃や被ツモの価値は、-1000点が-7pt、-2000点が-13pt、-4000点が-23pt、-8000点が-45pt高打点になるほど差段位ptの減少が鈍くなるのは、アガリとだいたい同じ
起家(親)の横移動の価値は、低打点は親が落ちるデメリットが大きく、微マイナス。逆に高打点はラス候補が一人できるため微プラス

子のアガリの価値2ハンが+12pt、3ハンが+22pt、4ハンが+39pt。親とは違い、やや点数比例要素が強い。おそらく、のアガリは連荘効果という打点とは関係ない固定要素があるためかなーと。
子→子の放銃低打点域はアガリ価値と同等だが、高打点域は若干マイナスが大きい。ラスのペナルティが大きいためかと。
子の被ツモについては、同じ-4000点支出でも、親に4000オール引かれる(-17pt)より子に3900放銃(-22pt)のほうが大きい。ラス回避的に3900放銃のほうが嫌であると。
子の横移動は大概プラスの価値。特に高打点横移動だとプラスが大きい

散布図(x軸-点棒増減、y軸-差段位pt)を書くとこんな感じです。

画像3

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