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幸せなとき私は息を吸う

北京へ行った。
友人に会いに、わざわざ国境を越えてみた。

最近寒いからか、それとも11月の怒涛のスケジュールに体力を奪われたままそれを引きずったのか、私の精神はどことなく不安定で、毎晩ちょっとした絶望感にさいなまれていた。

私は働くことに向いていない、とか。
みんな優しいから私に親切にしてくれるのだ、とか。
恋愛感情が薄すぎる私は一生1人で生きるしかない、とか。
他人からの好意を受け止められない私は薄情者だ、とか。

とにかくいろんなことに落ち込んでいて、日中はケロッとして元気なのでその落差に自分でも嫌になっていた。

なぜかきちんと寝ているはずなのにいつでも眠たくて、授業中も寝てしまって、自分はなんてダメな奴なんだろうと思っていた。

いや、今も思っている。

そんな中、旅行に行ってきた。

4日間一緒に居てくれた友人とは大したことの無い話をたくさんした。

辛いことなんて話さなかった気がする。

ただ寒い寒いと言いながら外を歩き、おいしいねと言ってご飯を食べ、ちょっとした中国語を教えてもらい、結局ほとんど「謝謝」しか話さず、付き合うならどんな人がいいかとかを語り合った。

きっとお互い、どうしようもないなとか思うことを抱えていて、それでいて楽しく過ごした。

辛いことは多いけど、満たされた気分になることも多い。

幸せを感じるとき、私は静かに大きく息を吸う。
幸せな空気を身体に残しておこうと思う。

それは時間が経つうちにいろんな残念な気持ちを含んで淀んでいってしまうけど、
溜息をついて排出して、また幸せが来た時に吸って綺麗な空気を補給しておく。

人生はつらいことと楽しいことの2つが結われた縄のようになっているらしい。

その縄関係なしに、無邪気にいられる場所があることが私の支えなんだと思う。

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