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【心理学】圧倒的な個人を操作すると集団を従えられる

人から承諾を得やすくなる法法で心理学には有名なのが、BYAF法とSP(社会的証明)と言われる2つの方法があります。

今回の記事ではその内のSPについてお話ししていきます。

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というのも、昨日の記事でもお話ししてきたように、社会心理学にはSP(社会的証明)と言われる現象があって、これが何なのかと言うと、他者の行動が個人の行動に影響するという現象でしたよね。

だから例えば「口コミ」という機能には大きな力があったりするよ〜「口コミ」使えないとか言ってる奴の頭の方が使えないよ〜という、集団を操作して個人を従えさせる方法をお話をしてきました。

が、今日はそれとはちょっと違った思考で、個人を操作して集団を従えさせる法法についてお話ししていきます。


ただ昨日の記事でもお話ししてきたようにSPが通じるのって基本的に集団主義の人にだけなんですよね。だから個人主義のアメリカ人とか、協調性の低い人を説得しようと思ったら難しいのですが、個人主義であっても「はい」と言わせてしまう強力なSPがいくつかあるんですよね。

今回はそれについてお話しします。


という事で本日も他愛もないお話をしていこうと思うのですが、今日は昨日に引き続きもう一つ面白い心理学の実験を紹介したいと思います。


ミルグラム実験

これはイェール大学でスタンレー・ミルグラムさんが発表した、権威者の指示に従う人間の心理状況を実験したものです。

なんかちょっと聞くだけで「え、なにその実験」って思いますよね。もしくは厨二ごころがくすぐられる人もいらっしゃると思います。

「権威者?従う?私のことか?」

みたいにね。


まあそれぜひお母さんがいないところで言う事をお勧めするのですが、この実験自体は結構有名なのでご存知の方もいらっしゃると思うので、今日はこの実験をビジネスにどうやって落とし込めるのかというところまでお話していこうかなと思います。

まずこれがどういう実験なのかと言うと、まず実験協力者達には2人1組のペアになってもらってからくじを引いてもらって「教師役」と「生徒役」に分かれてもらいます。

しかしこの時被験者のペアの内の1人が実験者とつながっている演者で、この人達には「生徒役」に絶対になるようにくじを引かせるんですよね。まあだからこの段階で「生徒役」は全員演者で「教師役」が全員被験者です。


そしてこのペアには「生徒役」と「教師役」に分かれて記憶力クイズをします。

「教師」はまず2つの対になる単語リストを読み上げる。

例えば「りんごとトマト」みたいな具合に。

その後、単語の一方のみを読み上げ、対応する単語を4択で質問します。

教師が「りんご。みかん、桃、トマト、メロン。」みたいに。

「生徒」は4つのボタンのうち、答えの番号のボタンを押します。

そして「生徒」が正解すると、「教師」は次の単語リストに移り「生徒」が間違えると、「教師」は「生徒」に電気ショックを流すよう指示を受けました

プレゼンテーション11

またその時の電圧は最初は45ボルトで、「生徒」が1問間違えるごとに15ボルトずつ電圧の強さを上げていくよう指示され、電気ショックを与えるスイッチには、電圧とともに、そのショックの程度を示す言葉が表記されていました。

15ボルト 軽い衝撃
75ボルト 中度の衝撃
135ボルト強い衝撃
195ボルト かなり強い衝撃
255ボルト激しい衝撃
315ボルト はなはだしく激しい衝撃
375ボルト 危険: 苛烈な衝撃
435ボルト “X X X”
450ボルト “X X X” 

こんな感じでね。450ボルトが最大で、435ボルトと共に但し書きはなく、“危険”をさらに超えた強さとして表記されました。

まあだから「450ボルトはもしかしたら後遺症が残ったり、心肺停止になってしまう可能性がある。」って事を被験者に伝えたんですよね。


まあその時の実際の生徒役の人に電気ショックは与えられずに、あらかじめ収録された電気ショックを流された時の人の反応の音声が流されていたんですよね。

例えば75ボルトの電流が流された時は

「んだよこのビリビリ。」とか

195ボルトの電撃が流された時は

「いってぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

みたいなあらかじめ録音していた音声が被験者のインターホンに聞こえるようになっていたので、生徒役の演者の人は電気ショックを受けているふりをするだけです。


まあただ中には「こんなの見ていられない」って実験を拒否しようとした人もいたので、その人達には「実験を続けてください」的な事を白衣をきた権威のあるらしき実験者(仮)が4回目まで言うんですよね。それで「5回目にやっぱり辞めたいです」って言われたら実験を中止するようにしました。


じゃあこの実験の結果がどうなったのかと言うと、めちゃくちゃ面白い結果になったんですよ。

被験者40人いたのですがその中で26人(65%の人)が用意されていた最大電圧で、危険を通り越している450ボルトまでスイッチを入れたんですよね。

さらに一切責任を負わないということを確認した上で実験を継続して、300ボルトに達する前に実験を中止した被験者はは一人もいなかったのです。


って言うのがこのミルグラムの実験なのですが、これが権威と服従の心理学なんですよね。

人は権威を得ると過半数の人間が450ボルトまでスイッチ入れちゃうし、(本当にそうかはわからないのに)ちょっと偉そうな見た目の人に「続けろ」って言われただけで自分の「辞めたい」って意思を変えちゃうんですよね。


人間って馬鹿ですよね〜(やめとけや)



人間も圧倒的な個人と権威に服従する


まあそれで、これの何がすごいの?何が使えるの?って話をすると、例えば上でもお話ししてきたように、ちょっと白衣を着て権威のあるらしき人から

「実験を続けろ」

って言われたら、全員が「この実験を辞めたい」って4回思ったとしても、その感情をねじ伏せられたんですよね。


これって社会でもよく見ていて、例えばなんかよくわからなそうだけど偉い人っぽい格好にしている人に対して急に態度が変わる人とか見たことありません?

これは僕の体験談なのですが、僕ってあんまり服のブランドとか流行とか人からの評価とか気にせず、基本的に服屋に行って自分が

「これええな」

と思ったものを集めるんです。だからあんまりハイブランドの服を自分で買うことってなくて、最近なんかは特にユニクロにはまっていたぐらいなのですが、誕生日で父様からフェラガモの15万円ぐらいするスニーカーを買っていただいたんですよね。

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「これが欲しいです!」

って言って買ってもらった奴なのですが、そのスニーカーにはなんかあのフェラガモのロゴ(「Ω」←こんなマーク)が載ってて、結構「あフェラガモ」ってわかるぐらいのスニーカーなんですよ。

でね、面白いのがそれを履いて出かけて例えばBarとかに行くと、前とは全然違うぐらいヘコヘコされるようになったんですよね。ちなみに前はDr.マーチンという2、3万円ぐらいの革靴を履き倒していましたが、そんな扱いはなかったです。

まあ毎日記事を読んでくださっている方は良くご存知だと思うのですが、僕なんてはっきり言って頭下げられるような威厳を演出するわけでもなく、そんな雰囲気も出さずに、自分らしくのびのび生きてるピュアな青年じゃないですか(どこがやねん)

だから普段生きていてたまに経営者の人から「君頭良いよね」って言われたり、知り合っていた人と話していたら「君面白いね」みたいな事を言われることはあったのですが、このBarの人とかみたいに、まだ何も喋ってなかったのにいきなり無駄に丁寧な扱いを受けたことって無かったんですよね。

まあはっきり言って気持ちは良かったですが、それと同時に可笑しくて笑っちゃいましたけどね。後は美容院で受けたことのないような扱いをされた時とかね。


まあそんな感じで、この世界は基本的に資本主義なので「お金がある人=権威がある・偉い人」という定義になっていますから、お金を持ってそうな人に見えると、それと同時に人って

「あ、この人って権威がある人なんだ!」

っだ思うんですよね。そして過半数の人間はそれにひれ伏します、って事が上の実験からは言えるかもしれませんね。



圧倒的な個人を操ると、集団を従える事ができる


そしてこれがビジネスでどうやって活かせる事ができるのかと言うと、例えば自分の商品やサービスのために集客をしたいってなったら、有名な芸能人とかYouTuberとかインスタグラマーを宣伝で使う人って最近増えましたよね。

こうやって圧倒的な個人を動かすと、その人に従えている人、いわゆるファンって人達が動くわけです。


この前こんな記事でちょこっとお話ししたのですが↓


人って基本的に誰かと一緒でありたいって願望があったりするんですよね。

例えばキムタクさんが「この香水愛用してます」ってテレビで発言するだけで、その香水をポチる人って日本でめちゃくちゃ多いと思うんですよ。


それはなぜかと言うと

「キムタクさんと同じ匂いになったら良い事がある」

「キムタクさんが言うって事は余程良い香水なんだろう」

「この香水をつければキムタクさんにもっと近づける」

っていう思考が働くからんですよね。


だから宣伝をするときに圧倒的な個人を使うと、集団を従えさせる事ができますし、むしろ個人主義の人や、協調性が低い人や、カテゴリがまだ少なくててニッチな業界を攻めていきたい場合は、論理的に考えて集客という目線からすればこっちをやった方が効果が高いって事がわかるわけです。


というところがSPの綺麗なビジネスへの落としどころなのではないかなと思うのですが、まだこの話には実は続きがありまして…


昨日と今日でSPについてお話ししてきましたが、実は相手に「はい」と言わせる方法がもう一つあるんですよね。

それが今日の記事でもお話したBYAF法といわれるものなのですが、この方法を使うと相手を「yes」って言わせる確率を約2倍まで引き上げられるって事が心理学ではわかっているんですよね。


その詳しい方法と実践的な使い方について、明日の記事ではお話ししていこうと思うので、興味がある方はぜひご覧ください。


それでは、最後まで読んでくださりありがとうございました。

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