機動戦士ーとも子001/ドーベン・ウルフ
栄光の落日
ドーベン・ウルフというと最初に思い出すのはアニメでもプラモでもなく『第4次スーパーロボット大戦』の「栄光の落日」なんだよな。
このステージはゲーム中屈指の難所でティターンズとの決戦マップ。ジェリドやカクリコンやヤザンといったティターンズの名パイロットたちがドーベン・ウルフ(ティターンズなのに!)に乗って山と林だらけの地形でバカに強いインコムをバカスカ撃ってくる。山の向こう側からインコムが伸びてくる! 山越えインコムだ! なんだこれ(死ぬほど痛い)。
私はこのステージに割り振られたキャラのレベリングが全体的に足りないのもあってとにかく苦戦した。死ぬほど大変だった。そしてこの体験で、それまで頭のなかでなんとなくSDガンダムとかで見たことある程度に存在を覚えてるけど、よくわからん存在だったドーベン・ウルフというMSに「めちゃめちゃ強い」「とくにインコムが強い」「あとバカみたいに武器がいっぱいついてる」というイメージを刷り込まれてしまったんだ。
インコム使わねーんじゃん
んで、その後だよその後。『ガンダムZZ』のアニメちゃんと見たの。びっくりしたよね。だってこいつインコム使わねーーーーーんだもん! ウソだろ? ドーベン・ウルフといえばインコムだと思ってたわ。どっちかというとメガランチャー撃ち太郎じゃん。びっくりした。
ふつうにアニメ見てた人からしたら「何言ってんだ?」って感じだと思うけどマジで私のなかではインコムはドーベン・ウルフでありドーベン・ウルフはインコムだったのでアニメで一秒も使わないの見て戦慄した。
私のまわり──そのときは明確にガンダムオタクという感じのものは少なく、みんななんとなくゲームでガンダムを知っていた──では「ドーベン・ウルフってアニメで全然インコム使わないんだぜ」って言うと「マジかよ……」ってみんなビビるくらいの鉄板ネタって感じでマジでゲームっ子のあいだではドーベン・ウルフとインコムは強烈に結びついてたんだよ。使わねえんだ。マジで。はぁ~~~。びっくりした。ホント。しつこいようだけど。
テレビゲームという体験の大事さ
それでまあそんなふうに無邪気だった時代から時が経ち、私はいつの間にやら何の因果かプラモ雑誌の仕事をしていた。そういうサイボーグもいる。そんで当然まあガンダムの話とか日常的にするんだよ。仕事だからさ。
『ガンダムUC』のアニメがもうすぐ終わりそうだぞってときだったかなあ。HGUCドーベン・ウルフが発売されたのは。結構心のなかでは盛り上がったもんよ。旧キットはなんだかんだでイマイチだったしな~。興奮して当時の上司(彼はガンダム専門のオタクでは無いがGガンとセンチネルは好きだった)に「ちょっと!!! ドーベン・ウルフ出るって新しいプラモ!!!」って伝えたんだけど、そしたら彼の反応は「ふーん、あんまり覚えてないなドーベン・ウルフ……印象薄いな……」と、まあ~ふんわかしたものだった。
マジで? ドーベン・ウルフだぜ? と私とは驚いた。あのドーベン・ウルフだぞ? 『ZZ』劇中に登場するMSのなかでも屈指の強さを誇る! 私達のロンド・ベル隊をインコムでボコボコにした、あのドーベン・ウルフだぞ! 多分オールドタイプが扱えるあの頃のMSだと最強クラスのアイツのプラモが出るのにに……!
と、かなり反応にギャップを覚えつむも、まぁ~ムリもないよな……という気持ちもあるこたあった。アニメのなかだとメガランチャー撃って、腕飛ばして、マシュマーにやられて終わりだもんな。スパロボをやってるかやってないかでこうもドーベン・ウルフへの反応が違うもんなんだな。
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機動戦士ーとも子
マシーナリーとも子がガンダムの話をしたくなったときに吐き出す場所です。たまに気晴らしにあんまり話題に上がらないMSの思い出とかを書きます。
読んだ人は気が向いたら「100円くらいの価値はあったな」「この1000円で昼飯でも食いな」てきにおひねりをくれるとよろこびます