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マシーナリーとも子EX

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2021年4月の記事一覧

マシーナリーとも子EX 〜呑み込むとも子篇〜

マシーナリーとも子EX 〜呑み込むとも子篇〜

 マシーナリーとも子が食卓の真ん中にドスンと煮物が入った器を置く。すると即座に3方からワイシャツの白い袖、袖を捲った浅黒い腕、戦車とデカい腕が伸びた。

「今日は筑前煮かぁ〜」

 間抜けに開きっぱなしの口に煮物を放り込んでいくのはジャストディフェンス澤村。2045年の未来からマシーナリーとも子の相棒を務める擬似徳サイボーグ。

「鶏肉がホロホロでおいし〜!」

 ニコニコしながら肉ばかりをつまむ

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マシーナリーとも子EX 〜タイムマシンの模様替え篇〜

マシーナリーとも子EX 〜タイムマシンの模様替え篇〜

 池袋山本ビルディング……。その入り口周りをうろついている二つの影があった。

「ここだ……入居者出入り口は」
「警備は…?」
「入り口の脇のおっさんだけだ……。バイトだろ。脅せば通すさ」
「どうかな? サイボーグかもよ?」
「サイボーグがビルの警備員なんかするかよ」

 男たちは意を決し、ドアを開けようとする。その時!

「待ちな待ちな〜〜。そこの怪しい人類」
「私たちはこのビルのものです……な

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マシーナリーとも子EX 〜サイボーグの老舗カフェ篇〜

マシーナリーとも子EX 〜サイボーグの老舗カフェ篇〜

「サイボーグの喫茶店んん?」

 ネットリテラシーたか子から話を聞いたマシーナリーとも子は高い声をあげた。

「えぇ……。あるらしいのよ、ここから3駅ほどのところにね」
「そんな馬鹿な。だって今は……」

 とも子は視線を横に走らせ、壁に貼ってあるカレンダーを見る。2021年2月。そう、今は2045年ではない。2021年なのだ。この時代に、自分たち以外にサイボーグがいる……?

「そんな驚くことも

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