時事を歴史で紐解く文系高専生

歴史は公民に実用性の観点で劣る……これは客観的にみて真であろう。むしろ歴史という旧来の遺物が何らかの時事に対応できるのか、と言われて解答できるほど僕も歴史の全能感を感じてはいない。

だが、昨今のコロナウイルス騒動を前に有効な対応を取れない理由は歴史的観点から解析する事も不可能では無いのだ。今回はそれを証明する事で友人らのいう歴史の不必要性を否定していきたいと考えている。

先ず、コロナウイルスの感染拡大に伴う日用品の欠乏は主に紙製品で顕著である。これは一時期前に起きた石油危機、又の名をオイルショックを彷彿とさせる様であろう。あの時は日本に限らず他国でもこの様な事態に落ちていたが今回はわけが違う。今回の事象は情報化社会にも拘らず、デマに踊らされた大衆が買い占め、ひいては転売屋どもの隆盛にもつながる結果となった。

これらから考えられる現代における日本の弱点はこの平和に慣れすぎたが故のそれを失う事に対する過剰なまでの恐怖心であろう。歴史の観点から話すとこれは戦後教育を基盤とする「平和を至上とし、それ以外に批判的であれ」という日本人に植え付けられた価値観に近しいものが要因だと明言する。勿論、他に原因がないかと言われると弱いが、要因と言われるに等しいだけの影響力はある、と考える。

まぁ要は植え付けは大抵マスコミのせい…と一蹴したい気持ちはここで抑えますが、他の要因を挙げるならやはりこれも歴史の焼き回しをしてしまった政府の対応でしょう。

南アフリカ共和国(以下南ア)で行われていた差別運動、いわゆるアパルトヘイトですね、今では「形式上」無くなったわけですがこれを廃止する前の政権は当然というか票田がそうであったがために、差別運動を擁護まではしないものの黒人への対話、妥協を極力避け続けていました。これに対し欧米諸国は南アに対して貿易面での締め上げをしていたのですが、まぁ遠く離れた上皮膚の色で差別する感覚の根付いていないアジア諸国は知らねーって話になりまして。特に南アとの交易を頻繁に大量に行っていた日本には当時かなり批判を浴びたそうです。

これで政府が動かないのであれば経済に影響する可能性の高い観光を止めさせてでも中国からの渡航をやめさせる、という決断を今の今まで緊迫した政府が出来ないのも肯けない訳ではないのですが……今回は、まぁ言っちゃなんですが他国の知らん事実で批判されるだけでなく自国からの特に野党やら革新的な思考をお持ちの方々に付け入る隙を与えてしまう事も考えると、水際防衛が失敗しつつあった頃にはある程度の施行はして欲しかったというのが正直な感想だったりします。

まぁこう言う事を言うと「お前政治界隈の人間かよぉ!」とか言われかねないので歴史はある程度現代にも通用するものがあると言う事を証明しつつあるここでこの文章は終わらせていただきます。ここまでお読み頂きありがとうございました。

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