平成ライダー三ヶ月半で全部見た ドライブ編

 こんにちは、マグロダです。
 
 「平成ライダー三ヶ月半で全部見た」とは、平成ライダーを二ヶ月で全部見ようとルーレットを回して作品を決めていたら、結局は全部見るのに三ヶ月半かかっちゃったチャレンジのことです。本記事では、視聴した作品を一作ずつ振り返っていきます。

 視聴の順番は完全ランダム。16回目の視聴作品もルーレットで決めたところ、今回見ることになったのは「仮面ライダードライブ」でした。『ドライブ』は2014~2015年にかけて放送されたライダーで、平成ライダーのナンバリングでいう16作目に位置づけられます。

 『ドライブ』はなんとバイクではなく車に乗るライダー。おまけに現職の警察官の設定です。旅人をはじめ定職につかないパターンが多い平成ライダーの中で、珍しくちゃんとした定職についているわけですね。車という非常にユニークな要素もあり、ライダーを見ていなかった自分でもなんだか当時話題になってたな~という記憶があります。

 しかも主演は竹内涼真さん! この方もとっても有名な俳優です。仮面ライダーって、1年分の主役の演技をかじりつきで見ることになるので普通に俳優のファンになっちゃうんですよね。竹内涼真さん好き……。

■目次
・どんな作品?
・登場人物ピックアップ
・注目ポイント
・個人的名シーン
・視聴のススメ


◆どんな作品?

 重加速。それは人やその他いろいろな物体の動きを、非常にゆっくりなものに変化させてしまう現象です。かつて世界規模で起きた重加速、通称「グローバルフリーズ」からしばしば各地でこの現象が起きるようになりました。一般の人々は「どんより」と呼んでいます。

 主人公である泊進之介(とまり しんのすけ)は無気力な刑事。元は優秀な刑事としてバリバリ活動していました。しかしグローバルフリーズが起きたちょうどそのときに凶悪犯と対峙しており、重加速の影響で拳銃を誤射。その結果バディを組んでいた同僚に大けがを負わせてしまったのです。

 この事件は進之介くんの心とキャリアに大きな傷をつけました。彼はすっかりやる気や自信を失い、おまけに警視庁特殊状況下事件捜査課、通称「特状課」という部署に転属することになってしまいます。特状課は重加速とかかわる事件を調べているのですが、重加速はまだ解明されていない部分も多くオカルティックな扱いを受けることもしばしば。そのため特状課は窓際部署なのです。

 これ幸いとサボり生活をしていた進之介くんですが、そんな彼に期待する謎の人物がいました。その人物は進之介くんにパトカーとは似ても似つかぬド派手な赤い車「トライドロン」を支給したり、進之介くんを島流しではなく、ある目的のために特状課へ配置換えするよう工作を行ったというのです。

 その声の正体は、なんとベルト! 車のシートベルトがしゃべるうえに、このベルトは変身アイテムでもあるのです。そう、この「ベルトさん」とも呼ぶべき人物は進之介くんを仮面ライダーの変身者と見込んでいるのです。

 『ドライブ』における敵は機械生命体「ロイミュード」。彼らは重加速を自在に引き起こすことができる存在であり、人間に擬態することもできます。そして重加速の影響を受けずに戦うことができるのは、ベルトさんの手がけたアイテムを持つ者だけ。こうして刑事でライダー、ドライブの戦いが始まるのです。

 はたして進之介くんたち特状課のみんなは、ロイミュードの撲滅という難事件を解決できるのでしょうか? そして機械生命体であるロイミュードは、いったい誰の手によって作り出されたのでしょうか? 

◆登場人物ピックアップ

泊 進ノ介(とまり しんのすけ):仮面ライダードライブに変身する特状課の刑事。クールを気取っているが、実際にはまっすぐな熱血漢。父親も優秀な警察官だったが殉職した。刑事として確かな捜査能力を備えており、ロイミュードの起こした事件を鮮やかに解決していく。ハンドルのついた剣に「ハンドル剣」という名前を付けたり、ドアのついた銃を「ドア銃」と呼ぶなど、独特なネーミングセンスを持つ。まあそんな変な武器を作った人物のほうが変だと思うが……。

クリム・スタインベルト:通称ベルトさん。ドライブの変身システムやベルトを制作した優秀な科学者。かつて死亡する直前に自分の情報をベルトに移し、精神だけのデータ存在となった。ロイミュードに対抗するべく活動を続けている。進之介と会うよりも以前は、仮面ライダープロトドライブのベルトとして戦っていた経験もある。気さくだが秘密主義な一面も持つ。なお、変な武器を作ったのは彼ではない。

詩島 霧子(しじま きりこ):特状課の刑事。きっちりした性格の才女で、サボってる進之介を連れ戻しに来る人物。グローバルフリーズの際にロイミュードに襲われた経験を持ち、その時の恐怖から笑顔を作ることは稀になってしまった。作中の技術班の開発による武装で戦うが、技術班により装備の強化がたびたび施されており、ライダーを除く登場人物の中でもひときわ戦闘能力が高い。そしてかわいい。

詩島 剛(しじま ごう):仮面ライダーマッハに変身する、霧子の弟。こちらのライダーのモチーフは由緒正しくバイク。陽気で軽妙、自分に確かな自信を持つ人物。アメリカで生活していたが、ロイミュードの活動が活発化した日本に急きょ帰ってきた。マッハを作ったのもアメリカの博士である。姉には頭が上がらない。

チェイス:ロイミュード。魔進チェイサー(ましんチェイサー)と呼ばれる、ほかのロイミュードとも違う特殊な姿で戦闘を行う。そのシステムはロイミュードというより仮面ライダーに近い。死神を自称し、ドライブと幾度も戦いを繰り広げる。

◆注目ポイント

・人間に学ぶ怪人、ロイミュード

 ロイミュードは、機械生命体とも呼ばれる存在です。その数は108体。その別名が示す通り何者かによって作られた命であり、まだまだ発展途上の集団です。

 彼らの特徴はその学習能力です。人間など生物の感情を学習して自らのものとしていきます。ロイミュードのリーダーである「ハート」という人物は、その名前同様にロイミュードたちのまさに心臓部でもあり、もっとも情け深い人格者でもあります。

 ハート様はロイミュードのみんなを友と呼び、自分たちを人間とは似て非なる別の知的種族として定義して生存競争に挑んでいるのです。部下からハート様と呼ばれ、慕われているのも納得の器。視聴している私もついハート様と呼んでしまうほどでした。既視聴者の皆様も、ハート様のことを様づけで読んでいる方は多いのでは?

 話が脱線しましたが、そんなわけでロイミュードたちは皮肉にも敵である人間からたくさんのことを学んでいるわけです。怒り、悲しみ、愛、そして悪意……その過程で人間と手を取り合えるロイミュードもいれば、激しく対立する方に傾くものも現れます。彼らの一人一人の変化も『ドライブ』の見どころといえるでしょう。

・あまりにも醜悪な敵、仁良

 この仁良っていう人間がね~ほんともう信じられないくらい最悪な奴なんですよね。あらゆる平成ライダーに出てくるすべての存在の中で一番嫌いかもしれません。

 こいつ、本当にすごいんですよ。マジで信じられないくらいメチャクチャ小物で、とにかく激烈に進之介くんたちの足を引っ張るんですよね。彼は警察の中でもそこそこ上の立ち位置で、ことあるごとに特状課にちょっかいをかけて来るんです。しかもその理由がすげ~~~ひどい。

 なんと、警察の上層部にもぐりこんでるロイミュードの配下なんですよこいつは。ロイミュードの人間擬態能力はもちろん社会戦で効果的ですし、ベルトさんもそれを危惧してこっそり進之介くんを特状課へ回したり、そもそも顔の隠れる仮面ライダーという形態で戦っているという側面もあります。だから警察にロイミュードの手が及んでいるのは仕方ないことです

 でもこの仁良ってやつは、たしか上司がロイミュードって分かっててゴマを擦ってるんですよね。マジで下劣。自分のこと以外誰のことも全く顧みていない。だからドライブの正体が特状課と分かったら、上司ロイミュードの指示を受けて喜び勇んであの手この手で足を引っ張ってくるわけですね。も~最悪。

 そしてなによりすごいのが、俳優さんが超名演なんですよ。全身の一挙手一投足が本当に頭にくると言ってもいい程です。仁良のことは大嫌いですけど、仁良を演じた俳優さんはすごいお方だな……とたいへん尊敬しております。

 ……まあここまでぼろくそ言いましたけど、仁良の野郎も『ドライブ』に必要なキャラだったと思います。ロイミュードが人間の感情を学ぶ存在であること、ロイミュードにも良い奴悪い奴がいるといった個性があるというのは説明したとおりです。そしてそれをより深めるためには、人間側にも善人だけでなくこういった悪辣なキャラクターは絶対必要なんですよ。いや、それにしてもやりすぎだとは思いますけどね!? 私が平成ライダー全体で一番つらかった瞬間、仁良がイキイキしてる場面ですから……。


◆個人的名シーン

 ベタなんですけど、やっぱり47話ですかね。人間態のハート様と進之介くんが、降りしきる雨の中で最終決戦をするシーンです。いろいろな戦いの末にボロボロな二人が生身で戦うんですけど、進之介くんはもうハート様と敵対できないんですよ。彼はもうロイミュードにも色々いて、悪い部分は人間から学習したものでもあって、そしてハート様はすごい人格者だと知っているからです。それに、事情があって一時的に共闘もしていましたしね。

 けれど、ハート様は違います。彼は人間と戦いたいんです。ロイミュードとして生まれ、人間からいろんなものを学んだ以上、最後には人間を超える存在になりたいんですよ。だからハート様は全力で進之介くんに立ち向かいます。こういうところもベタだけどいいんですよねえ。

 二人の戦いの結末は、ぜひ直接見ていただければと思います。ドライブはほかにも、最終回で主要人物のその後の人生が1~2行でちょこっと語られるのも好きですね。なんかゲームみたいで……。あとはギャグ回も全体的に面白いです。あの竹内涼真さん演じる主人公が非モテ扱いされたり、中学生みたいな恋バナであきれるほど動揺している様子は必見です。


◆視聴のススメ

 『ドライブ』も前後編2話構成になっていることが多いです。また、近年のライダーの特徴でもあるんですけど12話1クールである程度お話がまとまるようにできているんですよね。目下の目標を達成したり、強敵を撃破したりといった感じで何らかの節目があることが多いです。目安としてそのあたりを意識しておくと視聴がしやすいんじゃないでしょうか。


 以上、今回は仮面ライダードライブについてお話ししました。『ドライブ』は紹介した人物以外にも特状課の仲間たちがたくさんいまして、誰か一人でも好きなキャラクターがいるとグッと話にのめりこんでいけるんじゃないかと思います。

 次回は仮面ライダーウィザードについてお話しします。お楽しみに!

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