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最高の「素材×シェフ×思い×天気」があわさった、至福の瞬間

誰も知らない魅力的な場所が、福島にはある。フードカートと行く「Food Camp!ツアー」の2020年11月1日は、奥会津の牧場でのフレンチツアーでした。

ツアー会社のある郡山市からバスで2時間。紅葉真っ盛りの国道をくねくねとずんずん進み、那須連峰のふもと標高700メートルの高原牧場に到着しました。「日本一のそば畑」との声もある下郷町・猿楽(さるがく)台地の牧場。降り注ぐ太陽、青い空と秋の雲。爽やかな風がスパイスとなった最高の舞台が、今回の会場です。

今回なぜ、こんな山奥が会場になったのでしょうか。実は今年初めに行ったクラウドファンディングがきっかけです。「夢のFoodCamp」が、この牧場フレンチツアーでした。

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2016年より少しずつ広げてきたFoodCampは、2019年に試練を受けました。福島県を襲った台風19号で、フードカートも冠水。その他什器も大ダメージ。何とか緊急対応したものの修理費用がかさみ、また新たなツアー企画のために、クラウドファンディングをスタート。222人から480万円以上を集めて目標をクリアし、「みんなの夢を叶える☆希望のFoodCamp企画」として、最も「行きたい!」という声が多かったのが、このツアーでした。

金子牧場の金子政彦さんです。戦後に父が開拓した酪農が盛んな土地で、牧場は60年になります。「牛と優しく接する」ことで、牛も安心してお乳を出すことができるとのこと。

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地元の道の駅ではジャージー牛のソフトクリームが人気で、チーズなどの乳製品も手がけます。ジャージー牛はホルスタイン牛に比べて乳脂肪分が高く、コクも香りも違います。最近は、子ども向け体験学習や、バター作りなどふれあい体験にも力を入れています。

仔牛、かわいい~~。
ホルスタインとジャージー牛が並ぶ牛舎は、換気されてにおいがしない清潔なものでした。

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次は、バター作り体験です。
皆さん、バターはどうやって作るかわかりますか?

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ひたすら、振るんです(笑)。

10分間、ひたすら、ペットボトルをシェイクします。
「バターにならないと、食事ができないですよ~」
とプレッシャーが…10分、長い…

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搾りたてのミルクが少し黄色くなり、クリーミーな泡になっても降り続けると、脂肪分が固まって個体になってきます。液体を取り除くと手作りバターの出来上がり!!

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いよいよ会場へ!
天気もよく、雨除けテントは不要!牧場のど真ん中、絶景もごちそうです。

シェフは、「Chezやまのべ」の山野辺宏さん。以前、人気料理テレビ番組「料理の鉄人」でフレンチのアイアンシェフを破った福島・東北を代表する料理人です。

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渡仏での修行、葉山の「ラ・マーレド茶屋」総料理長を経て、下郷町に。自身で野菜栽培や狩猟を行いながら、一軒家レストランを営んでいます。

「金子さんの良質な乳製品と地場食材、何よりも下郷町の自然や雰囲気を楽しんでほしい。『ごちそうのある、楽しいひととき』のお手伝いになれば」とシェフもこの企画を楽しんでおられる様子。

メニューは、ほぼ全て下郷町の素材を使用。そして金子さんの牛乳も、全てのメニューに入っています。下郷町の、最高の素材とシェフのコラボレーション!

最初は、天然マイタケのキッシュ。シェフ自ら採ったマイタケです。

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ニジマスのマリネそば粉のブリニ。しんごろうスープ添え。
「しんごろう」は下郷町の郷土料理で、うるち米を団子状にして刺し、「じゅうねん(えごま)味噌」を塗って焼いた料理です。じゅうねんとコンソメ、金子さんの牛乳だけで作ったスープは絶品!

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ウスバハギと新米サフランライスのホイル包み焼き。
ここで、自分が作ったバターを入れると、味に厚みが増しました。

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奥会津牛のローストポテトクリームグラタン。天然クレソンサラダ仕立て。甘みを感じる良質な脂の奥会津牛とグラタンがマッチ!

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デザートは、下郷産リンゴのパート包み焼き。ジャージー牛のアイスクリーム添え。

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最高の食材とシェフのコラボによる、地元・下郷産のフルコースを、最高の天候で味わうことができました。テーブルを囲んだ客は初対面の人も多いところ、すぐに打ち解けて会話も弾み、最高の仲間となりました。

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金子さんは以前、ドイツ・フランスの牧場を回ったときの光景が印象に残っています。「農家がそれぞれ独自のチーズを作り、個性的な味を競い、市場などで自分たちで売っていて、にぎわっていたんです。そうした農家にホームステイさせて、子どもが馬を洗ったり、馬と親しむ仕組みもありました」。

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食事の後のマルシェでは、牧場が作ったヨーグルトとチーズが、飛ぶように売れていきました。金子さんは、加工品づくりや牛や自然との関わりを、福島の他の牧場とも広げられることを夢見ています。

最高の「素材×シェフ×思い×天気」のかけ合わせが実現したツアー。
ワインも堪能してみんなほろ酔いの中、紅葉を散策して、帰路につきました。

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「金子牧場」と「Chezやまのべ」などのサイト:


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