修繕積立金って、いくらくらいが適正なの?

私のセミナーや個別相談にお越し頂いた方には、
国土交通省のガイドラインのお話をすることがあります。


マンションの修繕積立金の目安として示されているのは、
1平方メートルあたり、平均で218円です、とお伝えしていました。


これは、「15階未満、延床面積が5,000平方メートル未満」の場合です。
規模などによる違いはありますが、賃貸用のマンションであれば、
大部分がこの規模にあてはまっています。


このガイドラインが、2021年9月改訂されました。


そこで示されている平均値は「335円」で、今までと比べて、
1平方メートルあたり「117円」上がりました。


例えば、20平方メートルのワンルームであれば、今までの目安は
「4,360円」でしたが、改訂後の目安では「6,700円」というイメージです。


335円は平均値であって、幅としては、1平方メートルあたり
「235円~430円」と示されています。


この目安は、「機械式駐車場がない」場合なので、あるマンションの場合は、
もう少し加算額があります。


この値上がりの背景には、築年数が経過したマンションの増加、工事に関わる
職人さんや資材の価格の上昇など、様々な要因があります。


マンション大家をしている立場からすれば、毎月の支出が増えることは、
収支の悪化につながり、数字面だけ捉えれば、マイナス要因とも感じます。


ただ、長期的な資産運用の対象として、マンションを保有しているのであれば、
この平均値の改訂は、喜んで受け入れることではないか、と私は捉えています。


様々なマンションがありますが、老朽化してしまう要因の1つとして、
「資金不足で適時適切なメンテナンスができない」ことがあげられています。


マンションの場合、一棟物件との違いとして、全体の維持管理を自分の
意思だけではできない、ということがあります。


だからこそ、運命共同体でもある、他の区分所有者さんと、毎月少しずつ
管理費・修繕積立金を出し合って、共用部分の維持メンテナンスをしていく
必要があります。


ただ、先立つものは、「お金」です。


修繕をしたいとなっても、マンション全体としてお金が不足していた場合、
金融機関からお金を借りる、所有者から一時金として徴収するなどの方法を
取らなければ、メンテナンスができず、住み心地や資産価値は下がってしまいます。


メンテナンスがスムーズにできないと、借りて住みたいと感じてくれる人も
減ってしまい、賃貸経営が成り立たなく恐れにもつながりかねません。


今回のガイドラインの平均値の値上げ。マイナスとして捉えるのではなく、
今後の資産価値を維持し、賃貸経営を安定させるためには、むしろ必要な金額を
早目に示してくれてありがとう、みたいに捉えたいと、私は感じました。


実際に、これを機会にと思って、自分が保有している部屋を見てみたら、
修繕積立金の平方メートル単価は、「143円~442円」の幅がありました。
143円の部屋があったのには、正直ビックリでした。そのマンションは
全体で92部屋あることと、管理組合がしっかり機能しているからこそ、
メンテナンスでの不具合はまだ出ていませんが、今後の値上げも視野に
入れないといけないな、と感じたりしました。


あなたも、ご自分が保有されている部屋の修繕積立金、
ぜひ一度、確認してみて下さい。
今後、末長く不動産投資、賃貸経営を安定して続けていくためにも!

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