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「鶴折れる人?」
「作り方覚えたり忘れたりする人」
「じゃあ大丈夫だ」
「お前の計画の一部に組み込まれてるなどうやら」
「次の授業の休み時間までに、どんな大きさでもいいから鶴3羽折っといて」
「えぇ……」

〜次の休み時間〜

「ヤッホー、折れた?」
「流石に発表差し置いて鶴に集中は出来なかったわ。お前じゃないので」
「マジかよ15羽折っちゃったわ」
「その胆力、絶対他の授業では見せるなよ? 田代先生ぐらいだからな許してくれるの」
「むしろ田代先生だからやったよね」
「なんのための鶴なのこれは」
「巨大鶴の材料」
「えっ」
「ほら、テレビでよくやってるじゃん。集合体。あれ作ろうと思って」
「あれって別に鶴が集まって巨大鶴になってるわけじゃないぞ」
「えっ」
「なんかよくわからん三角形のパーツをうまいこと組み合わせて鶴にしてるだけなんだよ。キングスライムの要領で考えるなって」
「うそだろ〜、俺てっきり大量の鶴積めばどうにかなるかと思ってた」
「あれもしかして、神龍を実在してると思い込んでる系男子?」
「流石に冗談。まぁ考えればそうだよな、鶴いっぱいあってもどう接着すればいいかわからないしな」
「う〜ん、本当に大量の鶴が集まってたらどうする気だったのか」
「気合」
「アイデアという言葉を安全靴で蹴飛ばす言葉だ。こいつだけは物づくりのトップになっちゃいけない」

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