DJイトウという生き方、親友と呼べる存在に捧げる言葉
※本記事は『もり氏の無謀が過ぎるマガジン』購入者特典、購入してくれたあなたの記事を書きます、をご利用頂き、特集させて頂いた記事です。
DJイトウと出会ったのは、私が高校2年生の頃だ。
たまたま、同じクラスになった。新しいクラスは、話したことのない人も多く、私は誰に話しかけようか迷っていた。
そんな私の視界に不意に入ってきたのが、DJイトウだった。
失礼ながら、私の、DJイトウの第一印象は『ちっちゃくて弱そう』だった。
これなら例え相手が逆上して戦いを挑んできたとしても圧倒的なリーチの差でどうにでもなるだろうという計算が働いたのだ。
幸にして、私とDJイトウは馬があった。彼は小柄で、パワーにも欠け、人を引っ張るような優れた人格も、何か卓越した能力も、内に秘めた闘志も、綺麗なシュートフォームも持っていない。ただ、彼は非常に面白い男だった。
彼は定義するならば、『人の見ていない所では最強に面白いタイプの面白人間』だ。
彼は基本的に注目されることに慣れていない。大勢の前で何かを成すようなタイプでもない。どちらかというと、スポットライトよりも日陰が似合う。
ただ、彼はじわじわとくる、通しか知らないくっそ小汚いラーメン屋の意外といけるネギラーメンのような魅力を持っていた。ちなみに私はネギは嫌いだ。
本記事では、そんなおよそ特集記事が組まれるに値しない男、DJイトウのその半生に無理くりスポットライトを当ててお送りしたい。この記事を読んでいる皆様には、『世の中こんな人間がいるんだから自分は全然マシだな』と思ってもらえれば幸いである。
本人がどう思うかはさておき。
ここで、DJイトウを語る上で外すことの出来ない3つのエピソードに触れていきたい。
・クラスマッチ戦力外事件
あれは高校3年生の時だ。
3年生になって、私とDJイトウはクラスが別々になってしまった。別に寂しくも残念でもなんでもなかったが、人が座っていた座布団のようなじわじわくる温かみのある彼のトークを聞く機会が減ってしまうことは些か残念ではあった。
そんなDJイトウと、私は何の運命か戦うことになってしまう。
それは、クラスマッチの準決勝、3組VS4組だった。サッカー部員を2人しか擁していない我が3組に対し、4組は何故かメンバーのほとんどをサッカー部やサッカー経験者で固めていた。クラスマッチとはいえ不公平感が凄い。
そして、あろうことかそのクラスマッチにDJイトウは出場していなかった。
なんと、クラスマッチレベルの試合で、戦力外通告を受けていたのだ。
実際には、ガチガチに勝ちに来ている4組のメンバーからフワッとはじかれ、彼は終始外から戦況を見つめていたのだ。こんな悲しいクラスマッチエピソードがあって良いのだろうか。誰かDJイトウに温かいメッセージを送って欲しい気持ちでいっぱいである。
・バイト先の気になる娘の前でヘタレすぎ事件
あれは大学3年生の頃だったか。詳しい時期は覚えていないが、その当時DJイトウはとあるスーパーでバイトをしていたのだが、そのバイト先のレジ員のFさんに密かな想いを寄せていた。
言い忘れていたが、DJイトウは世界屈指のヘタレである。仏と言われた安西先生がまた白髪鬼に戻ってしまうレベルのヘタレである。
そんなDJイトウはことあるごとに、Fさんの話をしていた。話をしたことがほぼない癖にFさんのことばかりいうもんだから、当時DJイトウの家に入り浸っていた私は、そこまでいうならFさんがバイトしてる時に声かけに行けば良いじゃない。という話になり、突然の赤ちゃん帰りなのか全く自力でバイト先まで歩もうとしないDJイトウをあやしながら、私は共にFさんの待つ(正確には待ってなどいないが)バイト先に向かった。
ここからが問題である。
DJイトウは、執拗に嫌がった。いやでも、とか今日は日が悪い、だの、ミノフスキー粒子が濃いだのなんだのの考え尽くせる限りの言い訳の限りを尽くし、なんとその日彼はFさんに声をかけることなく帰ったのだ!わざわざ付き合った私の身にもなってほしい。
それから、そんなことが3度続いた。段々私もどうでもよくなってきていた。こんなヘタレには一生春はこない。そんなヤツは部屋に閉じこもって松任谷由美の『春よ、来い』でも聞いていれば良い。
そして、3回目か4回目か忘れたが、意を決した彼は、やっと話しに行った。その後の彼の興奮ぶりは言わずもがな、である。
だが、世の中あまりうまくはいかない。この数日後、Fさんには彼氏がいることが発覚した。DJイトウは「オレは何故あんな無駄な時間を」と呟いていたが、本当に無駄な時間を過ごしたのは私のほうであることをこの場をお借りして伝えておきたい。
・何故か1年以上音信不通事件
そんなDJイトウ、社会人5年目くらいの時だったろうか。1年以上連絡をよこさないという暴挙に出た時期があった。
DJイトウはこの記事を読んでいる読者の方の大方の予想通り友達が少ない。
それにも関わらず、である。スマホの使用料が払えなくなったのか、何者かに拉致されたのか、スマホの使い方を忘れてしまったのか、ヘタレなのか。
理由はどうあれ、その理由もよく分からず、ただただ何度連絡しても連絡を返さない、という時期が続いた。1年と書いたが、もっと長かった記憶もある。
それでも、気にせず連絡し続ける私の胆力も相当のものだ。
結局、1年以上経ったのち、彼のよく分からない謝罪と共に音信不通期間は終了するのだが、結局その詳細を私は聞いていない。聞いたのかもしれないが、そんな覚えておく程の重要な話ではなかったのだろう。
・DJイトウの唯一の趣味?
そんなDJイトウには、唯一の趣味と言って良いものがある。
『ラジオ』だ。
感の良い読者の方は気付いたかもしれない。彼の異名は『DJ』だ。
そう、最近彼は、ラジオ収録にハマっている。
スタンドFMというアプリがある。比較的最近誕生したアプリで、誰でも無料で簡単にラジオ番組を作れる、という面白いアプリだ。
本格的にチャンネルを開設するもよし。友達とラジオ番組風に収録して楽しむもよし、の将来性豊かなアプリである。
このアプリ内にDJイトウは『DJイトウのイトウ家のテーブル』というどこかで聞いたようなネーミングの番組を立ち上げている。
DJイトウのイトウ家のテーブル
https://stand.fm/channels/5ee4d5e79c38bc0326cf82c3
そのトーク内容は、さすがDJを名乗るだけのことはあり、圧巻のパフォーマンスを見せている。某FMラジオ局に目をつけられる日もそう遠くはないであろう。
このDJイトウのイトウ家のテーブルに、実は私も第1回、第2回、第5回にゲスト出演させて頂いている。トーク内容については実際の番組のアーカイブをご確認頂きたい。
私は、彼と初めて話したその時の気持ちそのままで、今もDJイトウとのトークを楽しんでいる。それは彼が、誰も傷つけない最高のゴミムシトークを展開出来る男だからである。
彼は、自分が下げられるような厳し目のツッコミに対しても、反発せずにしっかりと飲み込んで笑いに昇華する天性の技術を持っている。
DJイトウのテーブル捌きは、自分を落としてでも周囲を楽しませるという、絶妙のクロスの引き具合を発揮しているのである。
ラジオというメディアが好きだ、とDJイトウは自身の番組内で語っている。ラジオは、DJイトウという存在を形作ってきたそのものなのだろう。
とっつきやすく、聞き流ししても差し障りないだけのメディアとしての程よい距離感、気を抜いていればハートにブスっと刺さる快感フレーズ。
ラジオが届けてくれる心地よい空間は、DJイトウそのものだ。
クラスマッチにすら出場機会を与えられなかった日陰者が奏でる旋律を、ぜひ聞いて頂きたい。
彼のトーク力は、紛れもなく本物である。なんだかんだ18年間、付き合いを続けている親友の私がいうのだ。長期の音信不通期間を乗り越えたこの私を、どうか信じて欲しい。ただ1つ伝えておきたいのは、その音信不通期間で、私のDJイトウへの信用は1度地の底まで落ちて落ちていることは補足として付け加えておきたい。
要は、私が面白がって言っている可能性も否めない、ということである。
DJイトウのイトウ家のテーブルはコチラ
https://stand.fm/channels/5ee4d5e79c38bc0326cf82c3
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