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Bespoke(ビスポーク)の意味とは?日本のオーダー文化の拙さについて。

皆様こんにちは。
今回はビスポーク(オーダー)について思っていること、そして職人から聞いた思いについて記事にしました。
コロナ過になる前はスーツやシャツのオーダーが流行りというか調子が良い状況でした。
見栄えがして着心地の良いスーツを価格を抑えて提供する。
オーダースーツが2着で5万円、一昔前では考えられない時代になったものです。

でもそれって必ずしも良いことなのでしょうか。
もちろん良い部分はあります。ただ筆者は100%良いこととは思えないのです。
服飾文化として考えたときに必ずしも良いことばかりではないと考えています。

服、装いというのは「衣食住」に数えられる大事なこと。
でも実は日本のオーダー文化っておかしなことになっているんです。

良くあるオーダーシステムについて。

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筆者はいろいろなブランドでスーツをオーダーしてきました。
そのほとんどが以下のような流れ。

・生地を選ぶ
・ディティールを選ぶ
・採寸をする
・支払い

この後出来上がったら試着をして問題がなければおしまい。
近年ではネットで完全完結型のオーダーもあるので、必ずしも上記の流れではありませんが、多くのお店がこのようなシステムになっています。
これが日本のスタンダードであり「普通」のこと。

オーダーしたことがある方なら違和感を覚えることはないと思います。
思い出してほしいのですがそこに流れ作業感を感じたことはありませんか?

Bespoke(ビスポーク)の意味を知ってますか?

ビスポークには「対話」という意味があります。
お店とお客とが対等な立場で1つのものを作り上げるのが本来のビスポーク。

あれ?っと思った方。そうなんです。
日本では100対0でお客が強く、そのせいか前項で紹介したようなシステムになってしまっているんです。
生地もディティールもお客が選び、テーラーは言われた通りに仕立てる。
こんなことが日本では「普通」になってしまっているんです。

このシステムの致命的な問題。

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このことによる問題はお店もお客も育たないということ。
お店の店員は提案力がないままであり、お客も自分の殻に閉じこもったままになる。
つまり店員も客も素人のまま成長しないということ。

これがどういうことかといえば服飾文化が成熟していかないということに繋がります。
いやいや飛躍し過ぎだと思う方もいるかと思います。

でもこれは体験談ではありますが間違いないと自信を持って言えます。
理由は次項以降をご覧ください。

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