(株)パチンコ
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(株)パチンコ

LOUISE通信

ずいぶん昔のことだけど、AKBみたいなチェック柄のミニスカートに見えるが実はキュロットパンツという制服を着て、パチンコしてるお客さんにコーヒーを売るバイトをしてました。私が一人でドリンクを作り、トレーで運んでその場でお会計をする。1日が終わると売り上げを計算して派遣会社に電話で報告、というもの。派遣先がパチンコ店なのは嫌だったけど、ずっと一人なのは気が楽だったし、何より時給がよかった。給料の出所は違えどいつも会う従業員の男の子たちや、常連さんたちとは少しずつ仲良くなっていった。
毎朝必ず開店前に並び、自動ドアが開くとまるで前日に決めていたかのようにお目当ての台に直進していく常連さん。その中で白髪の長老みたいなおじいちゃんがいた。そのおじいちゃんは体が小さくて腰もちょっと曲がっていたから台に座ってると、どこにいるか見えない(笑)。朝は必ずブラックで、お昼休憩の後はココア。最初はちょっと怖かったけど、ただ無口な人だとわかった。いつもコーヒーの売り上げを気にしてくれてた気がする。
そのおじいちゃんの周りには、いつも遠からずの場所にほかの常連さんたちが陣取っていて、中にはおばあちゃんもいた。「今日は私が」「今日は俺が」と順番にコーヒーを奢りあっていくルール?それはサプライズ的な時もあって「あそこのおじいちゃんからです」とコーヒーを持っていく私。奢ってもらった人は、おじいちゃんがいる方を見ながら手をあげて感謝の気持ちを伝え、自分の台にすぐ目を向ける。その目は真剣そのもので、いやらしさがまるでなかった。従業員の男の子たちは、いつも熱心に働いていて、常連さんたちにとても愛されていた。私はコーヒー屋という立場なので少し遠くから、まるで中小企業の日常を見てる気分だった。パチンコやスロットは彼らにとって会社で、毎朝遅刻しないように出勤してるつもりだったと思う。あの頃の私が、株式会社パチンコで見た人間ドラマは何かの種となり、私の中で大きく育っている。(そういえば、制服のキュロットスカートが短かい理由に納得が行かなくて、たまに来るマネージャーのおっさんと喧嘩して辞めたんだったわ。) 

だからなのかテレビのワイドショーでパチンコ店に並ぶお客さんたちのインタビューを聞いてると笑ってしまう。(おじいちゃんッ!コロナやねんで〜!)と心の中で叫びつつ諦めている。たぶん、私がFLOWER を出しに毎日郵便局に行くのと同じことだからです。願うのは、パチンコ店だけじゃなくて、休業を決めた人たちも働いている人たちもどうか健康で。おじいちゃんみたいな人たちが誰一人感染せず、かかったとしたらせめてその日は勝ってますように。ということだけ(笑)。

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福田里香さんにいただいたレモンのジャムと、 GARDEN HOUSE のパンケーキ。
うますぎて、、、、あかん、完全に食べ過ぎや。

ありがとうございます!!
LOUISE通信