自分に優しく
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自分に優しく

LOUISE通信

何年かぶりに版画を再開して思ったことがあります。自粛中の日々がとどめを刺したのか、ちょっとでも根気がいることをすると、その瞬間から疲れてる気がする。老眼も加速していて、線が見えない。(インスタのストーリーの小さい文字は全く見えなくなったよ。) 見えないことで、その対象が何であれ深く集中する気持ちのいい時間が短くなる。その事実を受け入れるまでが意外にしんどかった。結局諦めて、線を太くし、めんどくさくても老眼鏡をかけながら、ゆっくり焦らず、まずは完成させることにした。

いろいろ言ってても、私はまだ30代の気分で過ごしてたんだと思う。だからこそ、ここへきて感じる自分の体の変化にうざいくらい驚いているのです。ラピスのおばちゃんが言った通り86歳まで生きるとしたら(おばちゃん元気かな。笑)、あと何万回こんな気持ちを繰り返すのでしょう。おばあちゃんになるって、簡単なことじゃない。むしろ、めっちゃすごいことなのかもしれない。


家の倉庫で見つけた包装紙。

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花屋になると決めてまず一番に通ったのが版画教室という謎の思考はおいとくとして、当時の私は大真面目だった。20代の可愛い先生に毎週教えてもらって練習していたのですが、3.11があった直後、先生からメールがきてクラスはそのまま終了した。「日本にいると放射能が危ないからドイツ人の彼氏についてドイツに行きます。」というメールに、あの時の私は「え!?」ってすこし傷ついたんだけど、今は心から納得できる。彼女はアーティストになりたくて、版画教室でバイトしてただけだし、彼氏と暮らすドイツ。行くでしょう!

包装紙は40種類ほど作っていたのですが、例えば7色刷りのデザインは一枚刷るのに2時間かかってた。徹夜して刷っても、花を包む時に水がついて破けることがあって、もうほんとに嫌だった。税理士さんや家族に、資材にコストをかけすぎていて採算が合わないにもほどがあると言われても、心の中ではこれがルイーズなんだ!みたいな意地を張り続けていた。それも何年か経ったある日、やっと現実が見えてきたのか「あかんわ」とちゃんと思えた。自分の気持ちが変わらないうちにと思って、作った版を全部捨てた。今はもうこんな細かい作業できない気がする。億劫に感じてしまう自分がいる。だからなのか、「捨てなくてもよかったじゃん」って優しい気持ちで笑える。歳をとってよかったのは、何ひとつうまくいかないでいるのに諦めなかった若くて必死すぎる自分を心から愛おしいと感じれることだ。


ありがとうございます!!
LOUISE通信