芍薬の頃のこと

私の感覚だと吉本ばななさんの小説をしっかり読んだことがない人でも、たいてい名前は知ってるはずで、それはまるで芸能人。私の中で(会ってみたいな)って勝手に思うのと、本当に会いたいのですがご都合いかがでしょうか?と本人に伝えるのの間には、果てしないほどの距離があった。もし万が一会えることになったら怖い!みたいな。ちゃんと話せるわけないし。でも聞いてみたい!って気持ちが私の中に芽生えたきっかけがこの小説。「吹上奇譚 第二話 どんぶり」
このある部分を読んでからなのです。あ、全然関係ないけど、物語の中に出てくる花の名前を目で追いながら頭の中にイメージが即浮かんでくるだけでも、花屋になってよかったと思う。
私はもともと涙もろい方だとしても、この小説の話を誰かに真剣にしようとするとこみあげてきて、私が泣いても可愛くない大人だってこと忘れて泣いてしまうのです。あの場面はどうしても涙が出る。しつこいけれど、泣かしておくれ。
とにかく読んだその日から、吉本さんをこの目で見てみたい願望が。ちらっと見るだけでいい(笑)。世界の小説家にするほどの面白い質問も浮かんでこないし、覚悟もないし、でも会いたい。そもそも吉本さんの小説は、今連載を一緒にやってるまっちゃんから教えてもらったし駄目元でお願いしてもらうことになったのです。

当日、実際に会ってお茶を飲みながら話すという経験は、強烈パンチだった。面白かった。めちゃくちゃ面白かった。私はいつも通りかそれ以上に、うまく質問ができなかったので、その日の自分を思い出すと恥ずかしさで苦しいんだけど、恥ずかしさを乗り越えて、直接会って、その人の笑顔や何気ない相槌の仕方や声から感じることでしか分からない本当がある。
今となって小説やメルマガを読み返すと、以前なら私がただ自分のレベルで経験したことを軸にして読んでいたから気付けなかったことが浮かびあがってくる。吉本さんはフェミニストじゃないけど、私が30代になってフェミニズムを知ってから、世の中でなかったことにされてきた人の気持ちや、犯罪や、内面化してた男の目に気づいた時とはまた違う衝撃。ある意味、もっと大きな驚きを持って吉本さんの書いた文字が入ってくるようになった。

かっこいい人とは?で言ってくれた言葉は、その後何度も自分の中で考えることになる。そもそもセンスって何だっけ?
テレビとかメディアの一見するととても優しいんだけど、実はインチキで愛のない言葉が世の中には溢れているから、私みたいな一般人が自分の頭で考えることだって一苦労。他の人は知らない。でも人生で出会った人たちを思い出して、やっぱ見た目だよな、って思う。そしてこんなリスキーだけど本当のことを、さらっと言える大人が日本にいることが嬉しい!って思ってる。この言葉ひとつだけでもすごい人生のアドバイスだと思うんけど、吉本さんのメルマガはもっとすごいよ。嘘のないキレキレのアドバイスが毎回沁みます。有料だからこんなに書いてくれるのかな?とにかく面白くってこんな大人は私の周りではなかなか出会えないからその思考の深さを知ることが400円ってすごい。毎回メールに更新のお知らせが届くたび、秘密結社の回覧板みたいでワクワクしてる。イタリアから戻ったばかりで時差ボケ中で、超疲れてたと思うのに、今思うと私がわかりやすい言葉を使って本当にたくさんの気づきを与えてくれた。吉本さん!ほんまにありがとうございました。

その日の花。vol.5 作家・吉本ばななさんへ
https://ginzamag.com/lifestyle/flower-5/

今回アップされるのが遅くって、すでに紙を買ってくれた人もいるかと思うのですが。もちろんWEBで見れないページもあるので、買いたい時はぜひ買ってください!なんちゃって(笑)。いつもありがとう!すんません!

THANK YOU !
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MAG BY LOUISE 代表。www.louise-flower.com インディペンデントマガジン「FLOWER」創刊。2号目は近日発売🌸 雑誌 GINZA 「その日の花。」

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