ヤケクソの特権行使

ヤケクソの特権行使

LOUISE通信

美容師だったころ、よくお客さんから恋愛相談をされていて、恋愛相談恐怖症になったことは、懐かしい思い出。今だって悩みと言えば、恋愛か仕事。子育てについては私の問題でまったく相談されないので、時代が変わっても、悩みはあんまり変わってないなあと最近年下の女の子と話してて思いました。まあ、本当の悩みは人には言えないし。

恋愛は全然モテなかった私でも、若い時は、性欲があるのに我慢してる男の子のほうが不利だと思っていたから、どんなに私がブスでも、好きになる距離にいる人となら飲みにくらい行けるだろうと考えていました。一回二人で飲みにさえ行ければ、自分のことをゆっくりとでも分かってもらえる可能性が生まれる。大人になってから思うと、そこまで好きになってるくらいだし、たいていはうまくいくようになってるのだと思います。最近ほんとに良く聞く不倫とか、エッチだけの関係の話は、恋愛相談ではない気がして、よっぽどのおもしろエピソードじゃない限りは聞きたくない。それってつまりは男の人が優位だねって関係って、聞いてて全然面白くないのは、私が女だからだけじゃないような・・・。仕事に関しては、今、どこがどんな風に若い人に有利で、どこが不利な時代なのか分からないので言えることがないんですが、例えばOL辞めて花屋になりたいなあ、でも無理かなあって考えている人たちの話は、花屋もどきの私にだってよく届きます。メールや店に来る人からの相談がほぼ毎日続いたことで、私が精神的に疲れてきたのは数年前。これってお金取れるんじゃ?と思って短期集中講座を思いついたほど、花屋になりたい人がいるんだと衝撃でした。なぜ花屋になりたいのかは人それぞれ違うけれど、うちでバイトしてくれてた子や短期集中講座の参加者さんたちも、どうしたら一歩前に進めるか、で立ち止まっていたように思います。やばい人はもう10年以上立ち止まっていたり。


私がやってみて思うのは、超早起きしなきゃいけないし、仕入れから販売まで超アナログで時間がかかるので、一人でやるなら相当な体力がないと稼げない。どんな規模の仕事をメインにするかでも、経営者としてのセンスというか能力が問われる。でも毎日植物と一緒というのは、ただひたすらにすばらしいです。あと、病気とかしなければだけど、おばあちゃんになっても、地味に仕事できるんだろうなってことは、市場に来てるおばあちゃんやおじいちゃんを見て思う。それはすごくいいなあと思っています。ってそれくらいかもしれないけど(笑)


責任持てないけど、会社をクビになったならいい機会だと思って、いっそヤケクソついでに花屋でアルバイトして数年貧乏生活するのもありだと思う。ロンドンで暮らしていた時はちょうど30代の前半だったのですが、私も旦那も、一部の親の仕送りがある友達以外はみんな貧乏過ぎて、将来の不安さえ抱けないみたいな。
日本に戻ってからは、それこそ家を借りるのにも、きちんとした身なりをするにも、お金がかかるので毎日休みなく働いて、旦那も少しずつお給料が増えて、だらだらしてたら、いつのまにか40歳になっていました。今だからこそ将来が不安になってきています。ってことは将来が不安なのって、なんとかまだやってけることがあるからかも知れない。

何者にもなってない私たちだけの特権があるとしたら、それだと思う。お金もないから、店を持つなんて絶対無理だと思って途方にくれて、ヤケクソで始めたネットショップは、私にとっては大きな変化でも誰も見てくれませんでした。
いや、ほんとに誰も見てくれないことを知っただけでも面白い経験だし、売上に対しての経費がかかり過ぎていたし、全然ダメなところばっかりだったけど、これは花屋を未経験で始めちゃった私の勉強代だと思っていたこともあり、下北と上原、小さくて可愛い店を二店舗も持てたのだって私の人生の中では最大級に面白い経験です。その借金も晴れて今月末で返済が終わります。(ってだいぶかかっとりますな)

私はもうだいぶおばさんになっちゃったけど、借金も終わったことだし、また、誰にも相手にされない小さな変化を、自分で起こしてみたい。
私の周りの若い人たちが、どんなことでもいいから、自分で変化を作りだす瞬間を、できれば近くで見てみたいなと思ってしまう。答えのない相談受けるよりもずっと楽しそうだし、そうした人たちと一緒に飲むビール(淡麗でもいいけど)は、絶対美味しいと思うのです。短い人生の中で飲む、心から美味しいお酒を侮ってはいけない。


懐かしい下北時代。車の運転ができないから自転車で配達しようとしてる時点でアウト〜!

ありがとうございます!!
LOUISE通信