「じりつしえん」をみんなで考える
介護について、深く考えたことありますか?
介護保険制度が2000年に始まって以来、
「介護の社会化」ということで、家族だけでは介護を続けていくのが大変な時代になっているので、
介護は、社会みんなで支えよう
ということになり、介護を”他人”が積極的にするようになりました。
そして、介護とは3大介護(メシ、フロ、クソ、、、某先生の表現、笑)のお世話をすればいい時代から、
その人らしく、「自立支援」をすべし!
と言われるように変わっています。
「(お年寄り自身の)その有する能力に応じて、自立した生活ができるように支援しなさい」と。
「自立支援」を目指せと言われても、施設介護では1人で大勢のお年寄りを介助しています。
”理想”「自立支援」を求めて、”現実”の現場ではどうやってるの?
ここ、気になる人は多いのではないでしょうか?
他の所ではどうやってるんかな?うちでは人手がなくて無理だわ、、、とか
仲間に聞いてみよう♪♪
介護のオンラインコミュニティ「かいスペ」には多種多様な人がいます。
https://heisei-kaigo-leaders.com/projects/space/
ってことで、全国の仲間に呼びかけると、8名の人たちが集まりました。
写真撮るの忘れていて、康太さんが入ってない、、、(笑) すんません!
ZOOM(スマホ、PCでできるテレビ会議のアプリ)を使って、
様々な意見交換ができて、議論は深まり予定時間をオーバー(笑)
介護に関わる人にとって、共有できることも多くあったので、
この度、この場で発信させていただきます!
◆そもそも「じりつしえん」って??
「自立支援」その名の通り、自分でできることをできるように支援します。
現場でみられることとして例えば、、、
・車椅子の方であっても、食事の時にはイスに座ってもらう。
・トイレで排泄できるようにする。
・一日の水分摂取は、どなたも1500CCを目指す。
・機械浴から普通のお風呂に入ってもらう。
などなど。
どなたでも、これらのことができるようになればステキですよね♪
あなたもそう思いますよね!!
って、お年寄りに押し付けてはいませんか??
・車椅子の方がかえって姿勢が安定する人もいませんか?
・トイレに座る行為そのものが辛い方もいませんか?
・体格など個人差もあるし、1500CC取らないといけない根拠って?
もちろん脱水はいけませんので、脱水にならない程度は必要です。
・寝たきりで身体が拘縮している(一定の姿勢で筋肉や関節が固まって柔軟に体が動かない状態)小柄な方の場合、普通のお風呂だと体が浮いてかえって怖さを感じさせることもありませんか?
これらに気づくには、観察力と知識は必要です。
スキルを磨く必要性はありますね。うん、勉強しよう!
「自立支援」の落とし穴は、”理想の押し付け”になること
理想はとても大切です。介護の指針になりますし、
理想がないと、ただ漠然と”日々のお世話をするのみ”になりかねない。
でも、そこには”柔軟さ”と”相手がどう感じているか察すること”
がとても大切です。
「介護する側の理想」が「介護される側の理想」と常に一致するとは限らないからです。
数値目標は必要か?
オムツの人を10%減らす。
水分摂取1500CC達成する。
このような数値目標は、介護には相性があまりよくないのかもしれません。
数値目標を追いかけることは、すべての人に一律の理想を求めることになるからです。
実は、介護保険制度では、「個別」という言葉もよく登場します。
自立支援も、あくまで”個別”であるべき。
「7つのゼロ」を掲げる駒場苑さんも、決して理想をお年寄りに強要せず、
とても柔軟に、個別に対応されていました。
偏りすぎないバランス感覚は、介護の仕事ではとても重要かもしれません。
「自立」と「自律」
自分でできることをする「自立」
自分がしたいことを決める「自律」
この両方をセットで考えないといけないと、えんちゃん(フリーランス介護福祉士)が語ってくれた。
たしかに現場では「自立」に注目が集まりやすい。
本人の自己決定が大切なのに、いわばわかりやすい「自立」を数値目標を置くことで、介護者側の納得感を得ているという側面もあるかもしれない。
そして、これを受けて、、、
寝たきりなど、想いを伝えられない人もいる。
その人の想いを汲み取り、介護職が代弁したり、介助をする。
そのためには、その人がこれまでにどんな人生を歩んできたのか、
それを知ることで気づけることもある。
そんな意見もあった。
その人を知ろうとする。
そのための教材は、介護者の思い込みの中にはない。
思い込みは横に置いて、生活歴や家族からの聞き取りなどの
「情報」を頼りに、どんな人だったのかを想像することが大切です。
介護の仕事とは、何をやることなんだ?
介護福祉士って専門資格でしょ?ところで何が専門性なの?
と言われて答えられますか?
メシ、フロ、クソは、生活の行為ですし、医療職と違って歴史も浅いうえ、もともと介護は家族がするものという時代が長くありました。
介護=プロ
という認識が、そもそも介護職自身にも薄い可能性がある。
「介護って誰でもできるんでしょ」
と言われたりもする。
しかし、どの仕事であっても、相応の訓練や勉強をすれば、
ほとんどの仕事というのは、実は誰にでもできるのではないかと、ぼくは思っています。
その環境があるかどうかの違いで。
介護はむしろ、誰にでもできて欲しい。
今後人手不足は加速するから、なるべく多くの人に介護の仕事をして欲しい。
個別の対応をする介護にあっては、マニュアル化できるような答えはない。
そんな仕事は誰にでもできるのか??
今回の8名での議論で気づいたことは、康太さんが言った一言に尽きる!
介護には答えがないのではなく、無数の答えがある!
自立支援を考えることで、そこには「こうあるべき」「こういうものだ」に囚われて、目の前のお年寄りにきちんと向き合えないケースが、割と多くあるんだということが改めて分かりました。
要は柔軟性が必要なんだと思います。
理想と現実の間のバランス感覚。
これが難しいかもですが、これさえあれば何とかなる仕事とも言える?
まとめます。
・自立支援には理想は大切。指針になる。
・しかし現実をよく観察する必要がある。
・理想が目の前の人に合っているか判断するには知識やスキルは必要。
・理想に囚われてはいけない。柔軟性を持つべし。
・自立支援も個別に。
・自分で生活を決めてもらえるよう、よく知ろうとするべし。
・答えは無数にある。
もっといろんな話もしたのですけど、まとめるとこんな感じでしょうか。
様々な意見を交わすことは、やはり学びになる。
とても有意義な時間でした!
これを読んで興味沸いた方がいれば、ぜひ「かいスペ」にお入りください。
とてもオープンマインドな人たちしかいないので、様々な意見交換や相談ができます。
ぜひ待ってます♪
https://heisei-kaigo-leaders.com/projects/space/
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