防災は明日への灯
先日は1日黒潮町へ。
CLS高知で出会った原さんのお誘いで黒潮町役場でのワークショップに参加し、その後黒潮町の缶詰工場へ見学に行き、缶詰工場ができるまでの経緯をスライドも交えてお聞きしました。
黒潮町で開催されたワークショップは「本領発揮ワークショップ」というタイトルで、ひとりひとりの本来の気持ち、可能性に目を向け、やりやすい形で行動に繋げられるようさまざま工夫がされていました。
笑顔や遊び心を忘れず、他者への敬意を持ちながら、ワークショップをリードする原さんの声掛けのもとたくさんの面白いアイディアが生まれ、参加者の体温が自然と上がるような楽しいワークショップでした。
その後、黒潮町の缶詰工場を見学しそこを運営する友永さんがスライドも交えて自身の防災のヒストリーをお話しして下さいました。
消防団や地域の行政の中で災害に関わる業務をこなし、東日本大震災の発災直後から現地入りしたエピソードは鬼気迫るものがありました。
津波で破壊された陸前高田で目の当たりにした景色は故郷黒潮町に重なり、何かが崩れ落ちてゆくような体験だったと語ってらっしゃいました。
その後に出た黒潮町の津波の想定は誰もが諦めたくなるような厳しいものだったかもしれませんが、友永さんは歩みを止めず、大きすぎる課題をひとつひとつ分解、整理し、地域と共に地道に防災の活動を続けて来られたそうです。
その姿勢はいつしか地域の人を動かすまでに変わっていきました。
そして、ただ備えるだけではなく、地域に新たな産業を生み出すことの重要性を感じて、始められたのが缶詰工場だったそうです。
さまざまな試行錯誤を経て地域に雇用を生み出し、防災の観点から全国の自治体とつながり、未来に向けて歩みを進めてらっしゃる姿にとても感銘を受けました。
そして防災をキーワードに黒潮町に大阪から参加されていた、山田さんという方もいらっしゃいました。
山田さんはつながりが薄れた都会の中で防災を切り口につながりを再生しようと活動されていました。
総務省が実施する「関係紹介所」という人と人が行き交う場所を大阪梅田で運営しながら「夜の避難所体験」なども企画し地域に暮らす方が少しずつ地域に目を向け合うことで、より生きやすい社会を築いていけるよう奮闘されていました。
ご自身の経験から地域に関わる事になり、何かあった時に頼れる町作り、声をかけ合える街づくりを目指し備える防災だけでなく、能動的な「攻めの防災」についてもお話を聞かせてもらいました。
僕自身は東日本大震災がきっかけで、自分の不甲斐なさを痛感し「生きる力をつけたいと」四万十町に引っ越してきました。
誰かを助けるにはまず自分を助けられないと始まらないので、この社会で生き延びるための術を身につける事、小さくても自分の船を漕ぎ出すことが必要だとカゴノオトを始めました。
備える力も大事だし、仕事を作り出す力、地域を興していく力も大事だと思い1年かけて地域の素材を使ってシュトーレンを作っています。
長くなりましたが、暮らす場所も職種も違う4者に共通するのは、明日をより良くしていこうという気持ちではないかと思いました。
ワークショップから入るか、防災から入るか、地域から入るか、仕事から始めるか、登山口や登山道は違えど、皆が同じ山を登っているように感じました。
小さくても明日に灯りをともすこと、そのためにつながりを作ること。
未来の誰かへの優しさが起点となって、防災活動、企業活動へつながっていくように感じました。
最後まで読んで下さってありがとうございました!