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だから僕はAudibleを辞めた

君はロックなんて聞かない、僕はAudibleなんてやらない

長らく続くキャンペーンのせいもあってか、ここ半年ほど各所で大絶賛され猛烈にプッシュされているAmazon提供のサービス。

本を文字ではなく、プロのナレーターによる音声で聞けるというサービスで自分も読書したことを日常的にnoteにまとめているので使えないかやってみました。

自分はもともと日常的にvoicy("映像のないYouTube"のような音声コンテンツ配信サービス)をハードユースしていることもあり、このサービスも自分の生活にフィットするだろう、と確信して始めました。

しかし、結果的に最初の無料期間1ヶ月でやめました。

ウソです。退会しようと思ってたのにうだうだやってたらしそびれて2ヶ月目の月会費(1500円)は払ってしまいました(しかし月1冊好きな本をもらえるので一応無駄にはなってないと苦し紛れに言い聞かせてます)

そんなこんなでなぜ自分がAudibleをやめたのかという個人的な意見をこちらに書くことで、入会を検討している人などの参考になればと思います。

ちなみに自分は小説をあまり読まないため、小説をAudibleで聞きたい!という方には少し当てはまらない部分もあるかもしれません。(小説だったらAudibleでもいいかも、と今思いました)


自分のペースで読書できない

Audibleはナレーターによる音声で本を聞くため、「自分のペースで読めない」ということがまずあります。個人的にこれがAudibleで決定的かつ致命的に合わなかったところです。

音声の速度はかなり細かく設定はできるものの、読書って結構わからない部分が出てきたら前に戻って読み返したり、逆に「ここは読まなくていいな」みたいな部分は流し読みしたり飛ばしたりをするかと思います。

しかしAudibleだとそれがやりづらい。テキストがないため、読書の際に無意識的にやっていた本の「先読み(未来)」や「読み直し(過去)」ができません。ナレーションによる「現在」しかない。

それにより読書のテンポが悪くなり、結果的に内容が頭に入りづらくなったりします。


片手間に"本を聞く"は適さない

ここは特に超個人的な感想です。

本を”聞く”場面て皆さんはどう考えますか?

恐らく大抵は「何か他の作業している合間に」という場面にこのサービスを使いたいという人が多いのではないでしょうか。

家の掃除をしている時間や料理をしている時間、もしかしたら仕事中にBGM代わりに、なんて考えている方もいるかもしれません。

とにかく大抵は「他の主目的の作業があるものの耳はフリーな時」という場面を想定されているかと思います。「いやいや、家の高級オーディオの前に置かれたソファーに座りながらスピーカーを通して目を閉じてじっくり本を聞くんだ」という人はいないかと思います。(そういう人にとってはめちゃくちゃ価値あるサービスだと思います)

しかし、固めなビジネス本のように抽象度が高く難しい内容のものを片手間に聞いているとどうしても内容の理解が追いつかなかったりします。

それもテキストで読んでいるなら読み返したりもできるのですが、ナレーションだとどんどん置いていかれます。

ちなみに「仕事中のBGM代わり」は最悪です。というか自分は最初これが最強に使える方法じゃないかと思っていましたが、これはマジで無益です。

常に言葉が耳に入ってくることで無意識的にもその言葉を理解しようとしてしまい、仕事に集中できなくなります。もちろん仕事に頭が向かっているときは本の内容は1ミクロンも入ってきません。1000害あって1利なし。

ちなみにAudibleの広告には「両目を使わない読書体験」という謳い文句がありますが、本に図やグラフなどがある場合は目を使わざるを得ないということも付け加えておきます。(図などはAudibleアプリ上で閲覧できます)


長時間通勤電車に乗る場合はアリ、それ以外はナシ

片手間への反論として「通勤とか何も他に考えていない時間ならいいじゃないか」という意見があるかと思います。
自分はそれは間違っていないかと思います。具体的に言うと毎日片道1時間程度電車に乗っている人ならAudibleやってみる価値はあるかなとも思います。

しかし、例えば電車に乗っている時間が20分程度な場合はあまりオススメしません。あと、徒歩通勤や車通勤の人にとっては、状況的には先ほどの片手間での読書と近いためそもそも内容が頭に入ってきづらいかと思います。

本が書かれる時、著者は当たり前ですが「まとまった時間にテキストで読む」人を想定して書いているため「短時間で聞く」という人が想定されていません。

そのため本って1つの意見を伝えるために少し周りくどい例えや事例などを使いながら、じっくり文字数を使って読者へ納得と理解をさせるように構成されていたりします。

しかしそれが、短時間で聞こうとする読者には弊害となります。「時間がないから結論を教えてくれよ!」と思ったら、本では読み飛ばしができますがテキストのないAudibleではどこで結論が出てくるかわからないから聞き飛ばしがしづらい。

そのため数十分という細切れの時間だと本の内容があまり核心部分に行く前に読書を終えなければならなくなるため、頭に残りづらくなります。

その点を考えるとやはり1コンテンツが5〜10分にまとまってるvoicyのほうが結局良かったりします。それかYouTubeを音声で聞くか。

本より内容がわかりやすくコンパクトにまとめられている上、いい意味で内容も本に比べれば薄いので、片手間に聞く場面でも情報の濃度がちょうどいいです。


1冊聞ききる時間が膨大で途中で挫折する

タイトルそのままですが、例えば224ページの「反応しない練習」を1冊聞こうとした場合どれくらい時間がかかるかと思いますか。


5時間21分です。

では、以前読書メモも書きましたが518ページのゴリゴリビジネス書「ストーリーとしての競争戦略」は?


21時間36分です。

これを10〜20分の細切れで聞いていると、本の中での自分の現在地が迷子になったりします。結果的に本を1冊読破するモチベーションが保てず、途中で挫折してしまいました。


音声で聞きたければ"Kindle+Alexa"で試してみる

Amazon AlexaにはKindleで買った本を読み上げてくれる機能があります。音声で本を聞く体験をしたい人は一旦これで試してみるのもありかと思います。

Alexaの機械音声による読み上げなので読み方がたどたどしかったり読み間違えもあったりするのですが、AudibleはAudible対応の本(ナレーションが収録された本)しか聞けないという制限があります。その点 Alexaならなんでも頑張って読んでくれます。

自分は以前はたまに寝る前に Alexaの読み聞かせを聞きながら寝ていたりしました。個人的には結構これでも十分だったりしました。


ここまで読んでもAudibleやりたい人は一旦やるべき

これだけAudibleをディスりましたが、それでもやってみたいという人はノーリスクで始められるためやってみて良いかと思います。
自分は「本を聞く」ということには否定的なことをここまで述べてきましたが、このサービス自体はよくデザインされていると思いますし、自分以外の人にはもしかしたら非常にフィットするサービスかもしれません。

先にも述べましたが、今なら最初の1ヶ月は会費無料で1冊好きなAudible本をもらえます。(欲しい本特に思い浮かばない人はひとまず「FACT FULLNESS」にしておけばいいかと思います。)
この大盤振る舞いっぷりはさすが天下のAmazonだからこそなせる業とも思います。

ちなみに無料期間で手に入れた本も、Audible会員を解約しても普通に聞けるので、とりあえずFACT FULLNESSをダウンロードしてその場で解約してしまうのも全然ありかと思います。
自分はすぐ解約しなかったので1ヶ月分会費を払ってしまいました。無料期間終了日の通知などはAmazon側からはありませんので注意してください。
万が一自分と同じように1ヶ月分の会費を払ってしまったら、もう1冊好きなAudible本をダウンロードできるので、適当な本をダウンロードして解約してください。

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