破れた靴下

お母さんの靴下から学ぶ”優先順位”

「優しいってどういうことか」ということを考えたとき、「その優先順位は違うんじゃないか」と思うことがあったりします。

この仕事をしているといろんな方にお会いして、いろんな人生の話を聞かせて頂くんですが、幼い日に感じた「お母さんの靴下の話」とすごくリンクするところがあり、そのあたり詳しく書いてみたいと思います。

好き勝手させてくれた母

僕が子どものころ、母はものすごーく子どもである僕を可愛がってくれていて、そりゃあもう(今思うと)好き放題にさせてもらってました。

例えば。

・TVゲームが大好きだったので、ドラクエの新作が出れば「あれ買って!!」とめちゃくちゃにねだる
・ミニ四駆が学校で流行れば「あのモデルが欲しい!!」とおもちゃ屋から帰らない
・そしてそのミニ四駆を彫刻刀で改造してたら彫刻刀が手に刺さって救急車を呼ばせるw
etc...

かなり好き勝手にさせてもらってたなと思います、ごめんママン。

ジャガイモが出来た靴下

そんな僕だったのですが、どうしても毎回気になることがあって。
それは、「母が履いている靴下がたいてい穴が開いている」ということでした。

子ども心に「わージャガイモ出てるーw」と言って楽しんだりしていたのですが、ある日そんな靴下を履いている母が僕に靴下を買ってくれたことがあって、「要らないし、自分の分買ってよ」と言ったことがあります。

子どもからするとすごくシンプルに「自分は困ってないし、むしろお母さんの方が困ってるじゃん」という考えだったのですが、母は「私はよかと。それよりあんたたちが大事ったい」と言っていたのを聞いて、正直言うと窮屈に感じたのを覚えています。

「優しくしてくれるのはうれしいけど、そんなやさしさは求めてなくて、むしろ申し訳なささえ感じるんだけどな。。」

そんな風に小学校の頃に感じていたのを覚えています。

福利厚生のカタチ

これ、何とリンクしたかというと、意外にも経営者の方とお話ししてたときのことでした。

とある経営者の方と会社の保険、および今後の経営や財務に関してお話ししていたとき、「従業員さんの福利厚生を充実させてあげたい」という話がありました。

その手段は例えばハーフタックスプランや401k、ボーナス還元に社員旅行など、色々あるとは思うんですが、決算書を見たときに明らかに借り入れが多い。。

従業員に対する何かをしたいと思うのは分かるけど、もし経営者の万が一があったらそもそも会社が倒産するかもしれない、って考えると従業員ウンヌンって言ってる場合じゃないでしょ?

社長さん、あなたの靴下ジャガイモでてますよ?先に靴下買いませんか?

でも、これってただの親切なんだよな~というのも分かります。

自己犠牲って、されるとツライ

自分が親になって分かるんですが、母があのときしていたことは「自分のことより子どもが大事!」という愛情表現であって、ただただ子どものためにやっていたんだと思ってだろうとは、娘の顔を見ながら感じるところです。

だけど、やっぱりあのとき感じていたのは、「自分を犠牲にしてまで大事にされるのは辛い」ということで、「お母さんがまず幸せになってよ」ということでした。

会社を経営していて、想いが強まれば強まるほど従業員に対するサービスは何かしてあげたい、と感じるのは、とても素晴らしい経営者さんだと思います。(そうじゃない人もいると思うので)

だけど、それをすることで逆に従業員の方が肩身の狭い思いをすることになるんじゃないか?これは本当にサービスになっているのか?

もちろん、だからと言って「まずはこっちが充実しないと話にならないんだよォォォオ!」とジョジョばりに自分の幸せを取りに行くこともちょっと違うとは思うので、結局バランスだとは思うんですけど。。

まずは自分の靴下を買いに行ってほしいと、子どもながらに思います。


働きづらさや男女の問題など、生きづらさを解決する糸口を一緒になって考える「パパFP」。公務員からフルコミの営業にトライし、2年で業界トップ1%のMDRTに。夢は社交ダンスで世界大会に行くこと。