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わたしの英語勉強法 苦手から得意になるまで

はじめに申し上げます。正解はなく、自分に合った方法を見つけることが一番です。
それと続けること。これが一番大事。一番が二つになりすいません。

わたしの英語力は大学入学時は高く、4年間で著しく劣化、社会人になりたての頃のTOEICは460、その後時間と金をかけ今はTOEICは920、英検1級です。


1.受験勉強は役に立つのか

高校生の娘の英語学習を見ると、私の頃とはだいぶ変わりました。それでも細かい文法をやったり、その熟語や単語、言い回しはあまり使わない感じがするなという、昔からある「受験英語ってどうなの」的なテーマは継続している感があります。

役に立たないから止めろと言うと思った人、違います。ちゃんとやった方が良いと断言します
これまでの留学、社会人生活でたくさんの人に会ってきましたが、受験英語を役立ている人は多く、実際に使います。学歴と英語力の相関はかなりあると感じています。
難関大学出身者の英語力は平均的に高いと思います。勉強する癖やコツをつかんでいるためかもしれません。

文法的に正しい英語の文章を書く能力は絶対に必要で、受験勉強で身につけて下さい。ここが出来ていない人は後から苦労します。
また和訳も一見おかしな訳をさせているようで、実は精読につながるメリットがあり重要です。いい加減に読む癖をつけると後で苦労すると思います。

全く喋れなくても、聞き取りが弱くても、受験英語で基礎力がついている人は英語ができるようになります。

なので受験英語と馬鹿にせずしっかりとやってください。

2.英語力の上がりやすさと落ちやすさ

人によって違いはあるものの、一般的に、読む、書く、聞く、喋るの順に上がりやすく、また使わないとは逆の順番で早く落ちて行きます
特にしゃべりは悲しい程にあっという間に落ちます。日本語でも喋る機会が少ないと喋りが下手になるので、外国語になるともっと下手になります。
ただし、戻るスピードは身につけた時にかかった期間の数分の1とか数十分の1である程度までは戻りますのでご安心ください。

私の場合、リスニングを上げるのに一番時間がかかったと思います。スピーキングは結局リスニングと連動するので、リスニングの伸びと一緒にある程度のところまで伸びていく感じです。

どれぐらい時間がかかるかは、その人の才能、正しい勉強法の確立次第なので個人差が大きいですが、ご参考まで私の例をお話ししますね。

3.リスニングの苦労

海外駐在を希望しているにも関わらず、TOEICが460点でしたので、まずTOEIC600を取ってから海外に行きたいと言えと言われました。

ゴミ捨て場に捨てられていた、おそらく挫折したであろう誰かの英語教材テープをたまたま見つけ、毎晩寝る前に聴くようにしました。
加えて、土日はNHKラジオの基礎英語とビジネス英語をやりました。テキストは買ったり買わなかったりです。結構だらだらやってました。

すると翌年の試験で630になり、当時の支店長に驚かれました。

そこからは地道なアピールと運により、シリコンバレー駐在となりました。
アピール方法はまた別の機会に。

駐在前に1ヶ月GABA というマンツーマンの英会話教室に通い、付け焼き刃で赴任しました。

全く通用しませんでした。私のせいで、今後は英語ができないやつを連れてくるなとなった程です。気合いと根性のバイタリティー系はアメリカではなく中国や東南アジアに送り込めという訳です。

同じ海外でもアメリカは圧倒的に厳しいと思います。

リスニングは少しずつしかよくならない
最初は半年くらいアメリカで暮らせば英語がペラペラになると思っていましたが幻想でした。まず聞き取る能力が本当に少ーしずつ上がってくるのと、並行してしゃべりも遅れ気味に上がってくる感じです。
最初から聞き取れればどんなに良いかと当時はよく思っていました。私が当時ハマっていたトライアスロンで言えば、高い心肺機能と走力があればより練習で負荷をかけられタイムも伸びます。
体力がなければ満足に練習もできないので、練習の前にまずは基礎体力作りが必要ということです。中学高校と陸上部で中長距離だった私は、BikeとRunを強度高く練習できたので有利でした。
一方でswimは弱く、基礎練習のドリルやキックを繰り返していました。更に辛いことに、時間をかけている割にタイムが伸びず、リスニングと一緒だなといつも思いながら練習してました。

自分で聞き取れているという実感と実力には乖離がある
自分では半分程度聞けている、7割聞けたと思っていても、実際は全然なことがよくあります。
私もアメリカ駐在時代、サブタイトルをつけてテレビを見たら愕然としたことがあります。え?こんなこと言ってたの?全然理解できてないじゃんという感覚でした。
だからリスニングの勉強法はテキストがあった方がいいんです。人間は自己評価が高いので、自分はできていると過信しがちです。あとで述べるシャドーイング、ディクテーションはいずれも、自分が聞き取れていないところを明確にさせる練習です。

リスニング力の向上は一直線ではなく、階段のよう
私の経験ではリスニング力はリニアに一直線に向上しません。停滞時期というか、やってもあまり変わらないなという時期が定期的にあります。
急になんかよく聞き取れるようになったぞという時があり、いや違うかもという振れ幅も大きいです。
やはり、体調の問題や、相性もあります。聞き取りやすい声や発音、聞きなれた言い回しがたまたま多いとか、詳しい分野とかですかね。

TOEFLのリスニングのスコアを上げようと対策することでだんだんと慣れ、勘も働くようになると、点数は上がり始めます。それでも急に点が下がったりするんですよ。本当に憂鬱になります。いつも通りListeningが取れれば100を超えていたのに、今回に限って下がるとか、多くの人が経験していると思います。

本当のリスニング力はTOEFLやTOEICの点とは違う
それと、TOEICやTOEFLの点が高いからといってリスニング力がついたというのは過信です。テクニックにより点数を無理やり上げた人は、アメリカでは最初聞き取りに苦労すると思います。
逆にすでに海外駐在していたり、仕事で頻繁に英語でやり取りする人は、リスニング力の土台が広いため、同じリスニングの点数だったとしても、聞き取れているという印象があります。
おそらく会話のやり取りに慣れているので、ここではこういう反応だろうとか、たぶんこんなことを言っているんだろうとか、相手の様子や顔色、声のトーンから相手の言いたいことを読み取れるようになっているんだと思います。

よく言われているように、コミュニケーションは言語以外の情報による意思疎通(non verbal communication)が多いため、言葉以外の情報をうまくとってくる能力もリスニングには大事なんです。9割が言語以外という説もあります。

ただこれは慣れの問題なので、TOEFLのリスニングで25を超えるくらいの力があれば、留学後は場慣れにより一気にできるようになります。私がシリコンバレー駐在時代に、基礎レベルの聞き取り能力があればどんなに良かったかと歯噛みした理由です。

4.英語力upに効いたと思うこと

(1) 英語ネイティブではない友人を作り彼らから学ぶ
アメリカでは、ESLの同級生の韓国人繋がりで、彼女の友人ネットワークに入れてもらい、韓国人、フランス人と会って話すようになりました。
話すスピード、語彙、いい回しが私でもついていけるので、彼らの真似をして能力を上げられました。ネイティブとは会話になりませんので、ただ聞くだけで、理解もできません。二人の反応から、そういう質問してたのか!と理解する感じです。
リスニングを伸ばすにはスピーキングも伸ばす必要があります。アウトプットの機会を増やす意味で、英語が多少たどたどしいくらいの集団の方が話すチャンスがあります。
アメリカ人は冷酷なので、英語ができないと会話に入れてもらえず輪の中にいても石か人形のような扱いを受けます。そんなところでアウトプットは無理なんです。

よくネイティブから英語を習いたいとか、ノンネイティブの発音が悪くて聞きづらいとか言う人がいますが、気持ちは良く分かるものの、自分よりちょっと上手なくらいの人と話すのが丁度いいよと言いたいですね。

当時シリコンバレーから日本に帰国して受けたTOEICの点は750くらいだったと思います。そのレベルだと英語圏では通用しないです。ちなみに私の妻は800を超えてますが、それでもネイティブとは無理です。
医者とか大学教授のようなインテリで異文化への造詣も深い人は、下手な英語を一生懸命理解しようとしてくれるので、通じた気になるだけです。

(2) シャドーイングに取り組む
シリコンバレーにいた時、大学の先輩でもあるトライアスロン仲間の方から教わりました。
喋れない言葉は聞こえない、聞こえない言葉は喋れない、とにかく意味を考えたり訳すことはせず、聞こえたものをそのまましゃべるシャドーイングをすると効くのだと。
これは私に最も合う勉強法でした。発音も良くなった気がします。
今から考えれば素人のやり方だったので、正しくやればもっと効率よくできたかも知れませんが、とにかくどんなやり方でも効くくらい良いんでしょう。

今も気が向いたらAFNを聴きながらやります。若干遅めに喋ってくれるので丁度いいんです。

(3) 準備をして話す。たくさん話す。
インドネシアでは一人駐在でしたので、コミュニケーションは英語です。
週次ミーティングとか、本社で起きていることを伝えるとか、みんなを集めて話をする時は、原稿を用意して臨みました。
英作文して喋ってみて不自然なところを直すプロセスです。
しゃべって上手く通じない時は、単語がまずかったとか、順番が悪かったとか、発音の問題だとか、振り返って次に繋げました。

これをやっていると、使いやすい言い回し、構文が身につくので良かったです。それと、相手は理解できていないんじゃないかと常に気をつけながら話すようにもなります。
アメリカに留学した後、日本やインドネシアのことを説明する時、お前の言っていることはわかりやすいと言われましたし、日本でも分かりやすい英語だとよく言われます。ジャパニーズイングリッシュということもあるとは思います。

(4) TOEFLのWritingとSpeakingの訓練で分かりやすく説得力のある言い方を身につける
受験で小論文の勉強をした人は違うのかもしれませんが、私は文章の書き方をきちんと勉強したことがありませんでした。
TOEFLのWritingで初めていくつかの書き方のパターンを学んだのが最初で、非常に役立ちました。日本語の報告資料や説明資料のレベルが上がったと感じるほどです。
アメリカ人が大した内容を話していないのに、さもすごいことを話していて説得させられた気になるのは、この論理的な文章構成のおかげです。

Writingで英語の説明方法を学んだら、同じことをSpeakingに応用することになります。
結論→理由1+具体例、理由2+具体例→結論と書けば単純に見えるかもしれませんが、全部これがベースです。
TOEFLの学校に行ったり、本を買って練習してみてもらいたいです。

日本語でこのような授業があれば、それでも良いと思います。

インプットばかりでなく、話したり書いたりというアウトプットをバランスよく取り組むのも英語力upには大事と思います。

5.英語力upにあまり効かなかったこと

ただ漠然と聞く
アメリカにいた時、家ではずっとテレビを見ていました。よく見ていたのはプロレス(WWF、今はWWE)、クイズミリオネア、アイアンシェフ。映画もよく見ました。かけた時間の割に効果は薄かったと思います。
やっぱり言葉なので、能動的にならないと脳が上手く作用しないのだろうと思います。会話だと相手がどう反応するか、予想したり、ハズレて修正したりと頭はフル回転ですが、聞いているだけだと停止して、他のことをかんがえだしたりします。

テキスト無しで聞く
自分が聞こえていないところはどこか分析してつぶさないと、永遠に聞こえないままです。
面倒くさくなるのですが、最低でも2回同じものを聞いて、テキストを見ながら聞き取れていなかったところを分析する方が早くできるようになります。
単語が分からない、単語と単語がつながって音が変化したり省略されているとか。
もちろん聞くだけで英語ができるようになる教材があるくらいですから、テキスト無しでも聞いていればそれなりには上がってくるのだろうとは思います。
ただ、できるようになるまで時間はかかると思います。

6.合わなかった勉強法

ディクテーション
私は面倒くさがりな性格で、かつ大雑把なタイプです。ディクテーションは時間がかかるのですぐに億劫になりやめてしまいました。
ちゃんと正しいやり方で継続すれば別だったかもしれません。
聞き取れているところまで全部書き出すとか耐えられず、聞こえなかったところをテキストで調べればいいじゃんと思っていました。
もちろん理解できている、聞き取れていると勘違いしているところを見逃すリスクはありますが、ちょっとくらい見逃したって大差ないし、そんな一言一句聞き漏らさずに聞くシチュエーションはほぼ無いです。


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