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池袋ロマンス通り、チャラ男語録

「どんな人がタイプなの?」

そんな問いはナンセンスだと、男は言った。

「タイプの女性」を何を根拠に算出するかによるが、その多くは過去に付き合った女性の最大公約数みたいなところを指している。
ではその「タイプの女性」像になれば、男と付き合えるのだろうか。確かに付き合えるかもしれない。でも、「過去のあの人」に似た「新しい貴女」は、その男の一番になることはないという。

数ヶ月前、私は大学の友人であるその男と久しぶりに会った。日曜日のお父さんみたいな格好をして、「大学生のときは俺、チャラかったんだよ」と言いながら、過去の武勇伝を延々と話していた。
頭のいいチャラ男にはとても好感が持てる。
なぜなら会話が面白いから。
その友人とどうこうなりたいという話ではなく、数ヶ月経った今思い出してnoteに書こうと思うくらいには、面白いと感じたのだ。

男が教えてくれた、もうひとつの話。
それはかつて使い倒したというナンパの手口だ。

氏、いわく、ナンパの極意は「ナンパだと思わせずに誘う」ということらしい。
『おネエちゃんたち、今から飲みに行かない〜?』
などという誘い文句は論外。
ではどんな誘い方が効果的なのだろう。

大学生の頃の男がよくナンパのフィールドとして利用していたのは、池袋ロマンス通りにある鳥貴族だ。まずは友人とふたりでYSビルのエレベーター1階側に張り込む。これぞという女性2人組が来たらエレベーターに乗り込み、「何階ですか?」と声をかけるそうだ。

「2人で女子会ですか。俺たち2人で男子会なんですよ」
「鳥貴族よく使うんですか?」

ゆっくりと6階まで上がるエレベーターの中で、少ない会話を交わす。そしてエレベーターを降りたら、
「一緒にのんじゃいます?」
と仕掛けるそうだ。

最初の一声が「何階ですか?」だと、ただのいい人たち。二言目にかけた言葉にも、回答してもらいやすくなるそうだ。
これが彼のいう、ナンパと思わせないナンパ。

また、男がナンパを成功させてきた要因に、自身のビジュアルがあるという。
本人いわく、「俺はイケメンじゃない。地味なんだよね」だそう。
確かによく言われるイケメンタイプではないし、地味だ。
私もそんな素朴さを、親しみやすいと感じていた。

自らのイケメンではないと言う武器を振りかざし、数十人の女性を抱いてきたという。何ヶ月も前のことなので、数十人と言ったか、十数人と言ったかは定かでない。

そんな元・チャラ男も、今は大手企業の営業としてしっかり働いている。
頭のいいチャラ男は素晴らしいポテンシャルを持っているのだと思う。
その人の話を反芻しながら、チンした焼き鳥を食べる夜であった。


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