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内臓がリラックスしていない【システマをまなぶ】

ちっちゃなころから冷え性だ。

記憶があるのは幼稚園のころから。足の指がしもやけになり、以来ほぼ毎年悩まされている。かゆくてかゆくて、自分の右足指を左足で踏み、左足指を右足で踏むのを繰り返していた。ひどい時期には手も足も、しもやけ。

お風呂に入って温まり、のぼせるかもという感覚まで入っていても、風呂上がりに下っ腹あたりは冷たいこともある。半身浴も追い炊き機能のないお風呂でやるとすぐにお湯が冷めてくる。それでは逆に体が冷えるのですぐやめた。

夏場は冷房にやられるため、もう何年も半袖だけで外出したことがない。半袖の上にカーディガンは必須アイテム。夏も冬も関係なく、ハラマキをしている。(ほぼ日のハラマキを愛用)

と、冷え性自慢を散々書いてきたけれど、なにひとつ良いことはない。もちろん、冷え性の克服も、もう何年も取り組んでいる。保温性の高い下着をきたり、冬は防寒具としてのダウンジャケットも着用。カイロを身体のあちこちに張り付ける。身体の内側からかえなくっちゃと、漢方薬を飲んだり、生姜をたくさん取るようにもしている。

しかし、だ。いろいろ試してみても、結局身体は冷えている。最近は筋肉を増やせば代謝も上がり、身体が発する熱量が増えるはずだと筋トレも始めた。

そうして、ようやく「これは! ぜひとも取り入れなくっちゃ」と思ったのが、最近学んだシステマのワークである。

カルチャースクール、1月期最後のワークは「内臓のリラックス」というテーマ。

筋肉の緊張をリラックスさせる、というのは割とわかりやすい。肩こりをほぐす、とか。でも、筋肉の下にある内臓そのものが緊張して硬くなっていると、いくら筋肉をリラックスさせても、身体の中を移動するエネルギーは滞ってしまう、というもの。

でも内臓のリラックスって? どうするのかと思いきや、物理的に「揉む」。すっごく分かりやすい。

揉む前の段階として、自分の呼吸で下がっている内臓(腸)を、横隔膜のあたりまで上げていく。片岡鶴太郎さんがヨガの一部として行っているような感じで、思いっきりおなかをへこませてみる。

身体の中にある内臓は「二階建て」というイメージで動かしてみてという北川さんのアドバイスに納得する。

一階は、肛門や尿道もふくめ、小腸大腸、肝臓といった横隔膜よりも下にある臓器。横隔膜が一階と二階の間の床のような役割と捉える。二階には肺と心臓。血管はさしずめ水道管とか、電気ケーブルといったところかもしれない。

内臓を動かしてみる、といトレーニングをかなりみっちりとやる。やればやるほど身体がぽかぽかしてくる。ずっと同じ場所に立って、お腹をへこませたり、呼吸をしているだけなのに、じんわり汗をかくほどにあつい。

二人一組になって、お腹を揉んでいく。北川さんからは「パンやうどんをこねるイメージで」というアドバイス。やみくもにこねるのではなく、内臓を意識しながら。ただ強くもむのではなく、硬くなっている場所はどこか、など手のひらの感覚を鋭敏にすることも大切。

立ち上がって、ひとりが腰のあたりを持って身体を抱え上げる。抱え上げられたほうは、内臓を意識して落とす。すると、身体がずしんと重くなって、抱え上げていられなくなる。内臓を下げると身体の重心が変わるため、持ち上げ続けられない。

相手の身体がずしんと重くなる感覚はわかったけれど、わたし自身は内臓を落とす感覚がうまくつかめない。

はじめのうちは「うーん?」と思っていたが、交互になんどか試しているうちに、抱え上げられるときに緊張しているからうまくいかないんだとわかる。なるべくリラックスした状態で内臓を落とすように身体の中を意識してみると、ちょっとだけ分かったような。

その後、ストライク(強いパンチを打つのではなく、拳を強めにお腹に当てた状態からのスタート)を内蔵で受けて、内臓で回避する。北川さんのお腹で試してみたところ、ぐにゅぐにゅに柔らかい。お腹のなかに、なにか柔らかい生き物がいて、それが動き回っているような感じすらある。拳を当てている手ごたえが不安定で、いつの間にかはじき返されてしまう。

ペアになって内臓の動きでストライクをはじき返すのをやってみる。思いのほか、内臓は動かせない。それでも、なんとなくお腹をへこませるような動きを意識してみる。

今回のワークは走り回ったり、動き回ったりすることはなかった。どちらかといえば、ずうっと同じ場所に立ち続けていた。でも、身体の中(内臓)を動かし続けていたおかげで、普段のトレーニングと同じくらいかそれ以上に終了時には身体がポカポカしていた。

自分の身体は、自分が思っているよりもはるかに動かせていないんだろう。走ったり歩いたり、というだけじゃない。内臓の動きも省エネ化が進んで、お腹を思いっきりへこませることすら難しい。

ただ、ちょっとした動きの積み重ねで、身体は温かくなる。呼吸をしたり、お腹をへこませたり、緊張したり、リラックスしたり。試行錯誤はあるが、身体を動かして脱省エネ化をめざしたい。





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