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【五味】も味噌汁なら簡単だった話

ときどき呟いてることですが、家庭菜園の片隅に植えたアイコという品種のミニトマトがものすごい強くて11月になってもまだ実をつけて赤くなります。

ご近所の親切なお方が「余ったからあげるわ」とくださった1本の苗を、畑の片隅に植えて「作業中に摘んでおやつにする」なんて言ってたもの。

しかしこの夏は申し訳ないほどに畑の作業が追いつかず、もともと肥料もいれないうえに、苗の成長にあわせた剪定はおろか、植えた後に支柱すら刺さず、放置という言葉以外に言い表せないほどの放置っぷり(これについては反省しかない)。

さらに、秋になったら各地で甚大な被害を出した超大型の台風が2回、あと数え切れないほどの強風や大雨が何度もきて、それらすべてを裸一貫で受け止めても尚、こうしてぱんぱんで立派な実をつけて赤くなるアイコ。

F1種というとなかには毛嫌いする人がいることも立場上十分に承知してるけど、こんな過酷な状況にさらされてもまだ実をつけてくれるのは、研究され尽くして世に出た品種改良の賜物ともいえる。

両手からこぼれ落ちるくらいの量が週に2回くらい採れたら、二人暮らしの我が家には十分で、これって本当にすごいことだと思うよ。

というわけで、11月だというのに味噌汁にもトマトが登場する。

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11/10の夜、味噌汁の具は
・えのき
・わかめ
・ごぼう
・トマト
・お麩
使った味噌は、麹を多めにした甘味噌に、ほんの少しだけ八丁味噌を合わせて整えた。

ここで、食味について思うことを少し。

甘い・辛い・酸い・苦い・塩辛いの五種の味を【五味】(ごみ)といい、アーユルヴェーダなどの食療法だけでなく、古今東西いろんな料理の作り手が追求するもの。(実際この前のデンマーク式ワークショップでもオープンサンドイッチの肝は五味だとニコライさんが話していた)

出来合いのお惣菜やインスタント、あとファストな丼ものなどを選ぶほどに甘味と塩味ばかりが強調され、特に酸味と苦味が忘れがちになると言われている。

確かにラーメン1杯食べると塩味や辛味はすごいけど、そこに酢の物をあわせようとか、あんまりしない。ハンバーガーやサンドイッチも、マヨ系の甘味や塩味が強めで、あのおいしさに苦い具材とか、あんまり売れなそうだ。

毎回の食事に五味を再現し続けるのはかなりの上級者のようにも思えるけど、これもわりと簡単に実現してくれるのが味噌汁。なんといっても味噌を溶き入れるだけで塩味と甘味は適度に演出されるので、あとは具材次第なのだから。

苦味と酸味が忘れがちなのであれば、それらの具材を刻んで入れるだけでいい。ゴーヤ、ピーマン、ケール、トマト、柚子、ルバーブなどなど、苦味や酸味をもつ食材ってけっこうある。

これどうやって食べる野菜?と思ったら、味噌汁にいれると割といける。味噌汁の懐は本当にでかいのだ。



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