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中年駐在員の英語奮闘記(その8)

次は非英語圏での勤務です。仕事は英語ですが、日常的なことは現地の言葉。現地の人たちも、英語は母国語ではありません。職員の中には英語を母国語とするのも数人います。

度胸のついた私は、何も臆することなく非英語圏での勤務に臨みました。とにかく、口慣らしが肝心とばかりに、話すようにしました。母国語でない人たちとの会話ですから、多少文法が間違っていても言いたいことは通じます。

この非英語圏での勤務で英語学習について2つのことに気がつきました。

1つ目は、やはり文法は大事であり、気の利いたことを言うためには読むことが大切、だということです。いつまでも「通じればいい」というのではビジネスランチの場では軽く見られてしまいます。play ground英語(遊び場英語)ではなく、多少上品なビジネス英語が話すためには、良い英文を読み、その文章を自分のものにすることが有効です。英語学習の原点に戻ったようです。

回りくどい表現も、ビジネスには必要だと分かりました。例えば、I would be more than happy if you ~、とか。メールも、Hi Johnとかではなく、Dear John, Best regards,とか。さらに、現地の歴史を学び、それを英語で言うとビジネスランチの会話が弾みました。歴史用語を英語でどう言うのかgoogle翻訳で音声をフルに活用しました。

過去形を使ったら、イギリス人から、過去完了形に言い直しされたこともあります。「彼は日本に帰った」というのを「He returned」と言ったら、「He had returned」というように。

この時から、「度胸英語」を軌道修正し、忘れかけていた「文法、構文」を学び直しました。まるで大学受験生のようでした。

ある程度、スピーキングとヒアリングが出来るようになると、文法を再度チェックしつつ、たくさんの良質な英文を読むようにすると、スピーキング力がさらに向上すると思います。この時に読む文章ですが、「フィナンシャルタイムズ」は凝った単語が多く、日常は使わないので、非英語圏向けの人たちが読むニュースが役に立ちました。


2つ目は、日本人はスピーキング、ヒアリングは苦手ですが、しっかりとした基礎学習をしてきている、ということです。1つ目に通じることですが、単語、文法、構文、リーディング、です。

私が住んでいた家の大家さんは、現地の言葉だけでなく、英語はもちろん多言語を自由に操る女性でした。大家さんとは英語での会話でしたが、何の不都合なことはありませんでした。その大家さんからメールが来ると何が書いてあるのか読解するのに苦労しました。単語のスペル、文法が滅茶苦茶なのです。あれほどべらべらしゃべるのに、なんでメールになると意味不明なのだろうと不思議でしたが、それは現地の教育が、文法より実践(会話)中心だったからです。大家さんは「身体」で英語をマスターしていたのです。私がニューヨークの病院で覚えた「ノーシャ(吐き気)」「ダイアリア(下痢)」「ハパタティス(肝炎)」のスペルを未だに覚えてないのと同じです。

日常生活のために現地の言語での会話も少しできるようになりましたが、それを文章として書くことはできません。書くためには、長い時間をかけて鍛錬する必要があります。日本人は、たいていの人は中学から英語を学び始めますが、中学、高校を卒業するまでに、相当の時間をかけて英語の基本を鍛錬しています。きちんとした英語を勉強してきていますから、後は自信をもって「度胸」を持って話すようにすれば、話す・聞くというコミュニケーション力は身につきます。

これが、英語学習における「四位一体+度胸」です。英文を読んで、それをもとに英文を書いて、シャドウイングで訓練しつつ、度胸をもって話す、そうすると会話が聞こえてくる、と。

そろそろ終わりにします。読んでいただきありがとうございました。少しでもお役立てたら幸いです。




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