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マルティニーク島の自然によりそう大家族の暮らし

こんにちは、ひろぴです。
みなさんは「南国の暮らし」というと何を思い浮べるでしょうか?

「沖縄?」「島時間」「ハンモックでボ~っとする」

確かにどれも南国感がありますよね。

実は私、雪国の出身なので、南国には強い憧れがありました。今でこそ、カリブ諸島の人と結婚し、マルティニーク島にも3回ほど行きましたけど「南国の暮らし」にとても興味がありました。

今回は、そんな疑問を持っていた私に、南国暮らしのすばらしさを教えてくれた「マルティニーク島の大家族のお話」をしようと思います。

ちなみに私は、これからお話をするアンヌさんの大家族の暮らしをみて「田舎暮らしがもう一度したい!」と思うようになり、2人目の出産を機に田舎へ移住しました。

「都会暮らしに疲れた、田舎に帰ろうかな」
「子育て環境を考えて、田舎暮らしを検討している」
「世界の暮らしをのぞいてみたい」

そんな方に、今までとはちょっと違った価値観から「暮らし方」「生き方」について、考るきっかけになってくれたら嬉しいです。

家族とは、一つのコミュニティ

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夫と出会って、10年。マルティニーク島へは、結婚する前・結婚後・子供が生まれてから、と計3回行く機会に恵まれました。

結婚したあとに訪れた2015年。私は、夫の20年来の友人、アンヌさんのお家に遊びに行きました。夫が「山の方に家がある」というので、どんな暮らしをしているのか、かなりワクワクしていた私。でも、イリアンヌさん家の大家族の暮らしは、私の想像をはるかに超えていました

何がびっくりかって?

イリアンヌさんのお家に到着し、一番はじめの目に入ってきたのは「鶏」。鶏が家の敷地を自由に歩きまわっていたんです。それから、山を一つ切り開いた大きな大きな敷地には、親戚全員が一つの集落を作り、寄り添い&協力しあいながら暮らしている光景が。

当時まだ、都会で暮らしていた私には、かなり衝撃的でした。

自然に寄り添い「家族」というコミュニテで暮らす


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アンヌさん(当時49歳)は12人兄弟です。兄弟全員が結婚し、子供がいます。アンヌさんの兄弟はみな、家族の土地に家を建て、協力しあいながら暮らしています。

アンヌさん家族の土地は、黒人奴隷解放時に白人オーナーが、黒人奴隷に配った土地です。

アンヌさん家の暮らしはこんな感じです。

【アンヌさん家の暮らし方】
・食事はみんなで、子育てもみんなで
・キホン、自給自足
・家は家族で建てる
・年に数回、バスを貸し切り、親戚一同でバーベキュー

【食事はみんなで、子育てもみんなで】
食事は、親戚一同が全員一緒に食べます。同時に、同じテーブルで食べるという意味ではなく、料理をシェアするんです。

その日に作れる人が家族の分を料理し、おのおの仕事が終わったら食べにいく、というスタイル。

そして、子供達といえば、学校が終わったらおばぁちゃんの家に直帰します。日本だと、共働きの親を持つ子供たちは、放課後に学童保育を利用するのが一般的ですよね。そう考えると、親の負担はかなり減ります。

おばぁちゃんの家には、誰かしら大人がいるので安心です。パパママが帰ってくる時間には、子供たちはご飯もすませ、あとはシャワーを浴びて、寝るだけ、という環境。

うちにも4歳と3歳の子供がいますが、家の中に誰か一人いるだけでも、一人いるだけでも(2回言いました!)負担が全然違うんですよね。ただ、いてくれるだけで、家事がスピードアップします。

【キホン、自給自足】
一年中作物が育つ南国のマルティニーク島。
アンヌさん家族もキホン、野菜、果物、卵、魚は自給自足です。

山を切り開いた土地に、たくさんの南国フルーツが生い茂っていました。アボカド、マンゴーも食べ放題!(うらやましい)

に関しては鶏が10羽ぐらいいて、新鮮な卵を毎日食べることができます。
ちなみに、マルティニーク島のスーパーで売られている卵は、6個入り、日本円で320円ほどします(たっか!)

は、家族の仲に漁師さんがいて、家族用に確保したものをみんなで分け合います。

【家は家族で作る】
大きな土地に、 親戚中が暮らしているイリアンヌさんちの家族。
家族の中の誰かが結婚すれば、 家族の土地に建てるというのが一般的です。
土地を買わなくてもいい、というのはかなり経済的な負担が少ないですね。

家族の中に大工さんがいるので、その人を中心に親戚一同が協力して家を建てます。大家族といえども、色々なスキルを持った人の集まりと考えると、すごいですよね。

アンヌさんも、 長いことパリにいましたが、長男の喘息をきっかけにマルティニーク島に戻りました。訪問当時は市営住宅に住んでいましが、家族の敷地に家を建設中とのことだったので、もう完成していることでしょう。

マイホームの購入は、人生の一大イベント。アンヌさんのように、 すでに 建てる土地があり協力してくれる家族がいる、ということはマイホームを購入するハードルを低くしてくれますよね。

【年に数回、バスを貸し切り、親戚一同でバーベキュー】
家族の繋がりが強いアンヌさん家族、年に数回バスを貸し切りビーチでバーベキューをするのが恒例です。

私も参加したことがありますが、かなり本格的な大パーティーです。日本の結婚式でもこんな盛大にやらないんじゃないかというぐらいに、盛大です。
食事、飲み物、音楽、楽しむことに惜しみなく労力を使い、思いっきり楽しむ姿に感動しました。

食べて、音楽を聴いて、踊る

人が幸せを感じる瞬間は案外シンプル

日本だと、親戚に会うのは結婚式&お葬式ぐらい。日本は家族との関わりが本当に薄いなと感じます。なんでだろうと自問自答してみますが、おそらく思いつくのは、進学や社会人になって都会に出ていく人が多いからというのも一つの理由ですね。

マルティニーク島の人たちは、一度フランスに出ても老後に戻ってきたり、やっぱりフランスがあわず、帰ってくる人も多いです。とりあえず、住む場所を確保できている、というのは安心ですよね。

なぜ大家族で暮らすのか?

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基本的にマルティニークの人たちは家族の土地を分け合って、同じ土地に暮らすのが一般的です。

なぜ大家族で暮らすのか?
その理由には以下のような人種的・歴史的な要因がある様です。

・マルティニーク島の人が家族と寄り添って暮らすのは、アフリカからきた習慣
・家族と一致団結することが、白人植民地支配者に対する抵抗力となる
・子供が殺されても、子孫が反映していくように

家族の絆が強いのは、アフリカの習慣でもあります。

家族の絆といえば・・・

失業率が高いので、フランスや外国で仕事を見つける人が多いマルティニーク。ですが、老後にマルティニーク島に戻る人が大半です。
「老後にどこに戻ろう」なんて心配は無用。ちゃんと家族の家がありますから。

子どもの数が多いのも、黒人奴隷の歴史をみると納得です。
家具・家畜と同様の扱いしか受けてこなかった、当時の黒人奴隷たち。白人オーナーから子供を産む機会のように扱われていました。(映画のシーンが頭から離れない・・・)

大家族で暮らす最大の理由は、当時の白人たちに立ち向かうための有効な手段だったといえます。

まとめ

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イリアンヌさん家族の暮らしをみて感じたことは、すべてがエコ!ということです。食べる物だけでなく、生き方そのものがエコです。

そして、もう一つ強く感じたこと!

「こんな風にコミュニティで暮らせたら、もっと楽に生きれるんじゃない!?」

核家族が多い日本。おのおのが頑張るのではなく「協力して暮らす」という生き方は、コロナ禍で孤独を感じている人が多い今の日本社会に、生きるヒントを与えてくれそうな気がしました。

たとえ血のつながりがなくても、人種・性別・年齢を超えて「コミュニティを作り、助け合いながら暮らす」そんな生活ができたらいいなとも思います。

そして、環境面でもしかり。

大量生産&大量消費を避け、ゴミを出さずに生きていく方法はある、と気づかされました。

「いい大学を出て、いい会社に入って、会社のために人生を終える」
コロナ以降、こんな生き方はもうしなくていいんじゃないかと思います。

自分の好きな場所で、好きな人と、好きなことをしながら生きていく
そんなシンプルな生き方でいいんじゃないかと。

アンヌさん家族の生き方を夢みて、

田舎暮らしへの熱が再発した我が家。2人目の出産を機に、アルプスの見える田舎へUターンしました。

自然に寄りそい、家族・周りの人たちと協力しあいながら暮らす、そんな日々を大切にできる暮らしを実現できたらと思っています。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
自然に寄り添うマルティニーク島の暮らしに興味のある方は、また遊びに来て下さいね。
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