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逆にDX対応しないという選択肢

僕のまわりでは『飲食もDX(デジタル・トランスフォーメーション)に打って出るべき!』という声が多いです。
(DXがどういうことかざっくりご説明すると、UberEatsやyoutube,baseなどアプリやwebサービスを駆使して宣伝や販売チャネルを増やそうという試みです)

一応、元ITコンサルというデジタルまわりにアレルギーはない業界出身なのでDXが可能性を秘めていることは分かるのですが、なんとなく食指が伸びずにいました。


理由の一つとして新規サービスを始めた時の周知/定着の難しさ。僕は思いつきをとりあえず行動に移すフットワークの軽さが取り柄だと自覚しているので、これまで色々やりました。といっても主に新メニュー展開や、店の新サービス導入などですが。
で、毎度痛感するのが、始めるのは良いんだけど、それに気づいて使ってもらうことの難しさ。最初はやる気まんまんで始めるものの全然注文入らないとモチベが下がり、フェードアウトして終了ということが何度かありました(笑)。今の僕がDXを取り入れても、同じ結果に終わるんだろうなと思っており、それは自覚していたんですが、まだなにか引っ掛かるものがありました。

で、昨日、とあるタクシー会社の社長さんとお話する機会がありまして。そちらのタクシー会社では飲食店と組んで、タクシーで料理を届けるという試みをされています。他にも障害を持つ方に対応した福祉タクシーなど地域の様々な方へのサービス提供を積極的にされています。

思えば、タクシーってめちゃくちゃDX対応難しいですよね。
DXの一つの長所として、『利用者の場所が関係なくなる』ことがあります。youtubeの広告収入は視聴者がどこから見ていようが関係ないし、baseなどで通販すれば全国どこでも届けてくれる。Uber eatsは距離範囲があまり広くないので微妙ですが。

しかし、タクシーって必ずお客さんのところまで行って、現実的に運べる距離までしか行けない。いくら運転手のサービスレベル上げたり、スーパーカーを導入してそれを宣伝しても、結局タクシー使ってもらうには『場所の制約』から抜けられない。だったら地域密着して、とにかく色々な方にタクシー使っていただこうというのは自然な流れだと思います。

で、感じたのが飲食も意外とそこをおろそかにしていないだろうかと。
以前の記事に書いた通り、コロナ以後でも僕はあくまでイートインを主力に戦っていくつもりです。つまりタクシー同様、実際にお店に来てもらうことでしか価値を提供できません。ならば、今以上に地域密着に本腰入れる必要があるのでは。

近所の方々は漏れなく全員がお店の存在を知っているか?
なにか事情のある方以外には、一度でもお店に足を運んで頂けているか?
リピーターへのケアは十分か?
そもそも地域の方々がどういうニーズを持っているか、ちゃんと考えたか?(マーケティング用語でいうところのプロダクトアウトではなく、マーケットインで自店の商品を考えているか)

などなど、自信を持って「これ以上開拓の余地は無いほどガチガチに足元は固まっている!(だからDXにいくべきだ)」と言えるだろうか。正直、僕は言えないっす。
意外とビラのポスティングや商店街との連携など、古臭いとも思われる手法にもまだ伸びしろがあるんじゃないかと感じています。

もちろん、古臭い(失礼)手法だけだと、『色々考えて一周回った結果、何も考えてない場合と同じ』になってしまうので、そうならないように頭は使わなくちゃならない。

ただ、猫も杓子もDX!という流れに対してなんとなく感じていた違和感が明らかになり、少しスッキリした今日このごろです。

※別にDX自体を否定しているわけではなく、あくまで個人の好みと見解です。

いやー、お金を頂ける文章とは思いませんが、頂けるというのなら受け取らせて頂くこともやぶさかではございません。