②導入パート

※選択したキャラクターになったつもりで以下の導入パートを読んでみてください。黙読でももちろんOKです!



【導入パート】


「え?来られないってどういう・・・それなら仕方ないけど。わかった。この埋め合わせはちゃんとしてよね。」

テルコは携帯電話を切りながらため息をつき、二人に告げた。

「テルオの彼女が体調崩しちゃったんだって。だから今日は来られないみたい。」

ゲンはギョッとしたように漏らした。

「え。おれはあいつがどうしてもって言うから来たのによ。」

コツキはフンと鼻をならした。

「へぇ?私となんて出掛けたくないってわけ。」

「は?そんなこといってねぇだろ。いちいち突っかかってこないでくれよ。」

テルコが慌てて止めに入る。

「まあまあ。残念だけど三人で楽しみましょ!私は二人と一緒にからくり山荘の宝探しできるの、とっても嬉しいなぁ!」

二人は気まずそうに頷いた。





ゲンとコツキは、大学卒業後から交際を始めた。普段から素直になれない二人の間では、ちょっとした諍いや喧嘩が当たり前だった。でもそれは、なんでも言える自分達だからこそ。そう信じてこれまで過ごしてきた。

・・・2週間前までは。

ちょっとしたすれ違いから口論になり、もう2週間、口もきいていなかった。

今回のからくり山荘での宝探しは、そんな二人をなんとか仲直りさせようと、テルオとテルコが企画したものだった。

テルオが来られないなら仕方ない、と三人はテルコの運転する車で、からくり山荘へと向かった。

「あ、ヤバイ!お酒買ってくるの忘れた!」

山荘に着くとすぐにテルコが声をあげた。

「ちゃちゃっと買い出し行ってくるね!ゲンとコツキは夕飯のカレー、支度しておいてもらえる?」

「テルコ、待ってよ。お酒なんてなくてもいいわ!」

とコツキが抗議の声をあげたが、テルコは聞く耳も持たず買い出しに出掛けてしまった。

・・・

・・・

二人は会話もなく、黙々とカレーを作る。

「コツキ、あのさ。」

呟いたゲンに、コツキがバッと振り返る。

「何?」

「あ、いや・・・なんでもねーよ。」

「・・・あっそ。そういえばもうカレーもできあがるわね。一時間近くたつっていうのに、テルコったらどこまでいったのかしら。」

何の気なしに呟いたコツキにゲンが答えようとしたその瞬間、コツキの携帯電話から着信音が聞こえた。

「あ、テルコだわ。・・・もしもし?え?あなたどなたですか?・・・ええ、二人です。・・・わ、わかりました。」

そう答えると、コツキは携帯電話をスピーカーにした。
電話からは機械で変えているのであろうか、不気味な声が聞こえてきた。



『ゲンさん、コツキさん、こんばんは。私はX、とでも名乗らせていただきますね。
あなた方の友人、テルコさんは私が預からせていただきました。警察に連絡しようなんて思わないでくださいね?テルコさんの命が大事なら、ね。』

ゲンは思わず声をあげた。

「何をいっているんだ、そんなこと信じられるわけないだろう!」

と、くぐもったテルコの声が響く。

『ウ、ウゥー』

『心配はいりません。お腹を一発殴らせていただいた、ただそれだけのことですよ。しかしあなた方が私に口答えをする度に彼女の体に増えていくのは、果たしてアザだけでしょうかね?フフフ。』

コツキが叫ぶ。

「わかりました!口答えはしません!どうかテルコを傷つけないで!」

『わかればよいのですよ。さて、あなた方にお願いしたいことはたった1つ。
そのからくり山荘の中に隠された宝を探し出していただくことです。

実は私はいわゆる泥棒稼業の者でして。最近運の悪いことに、私の仲間が警察に捕らえられてしまったわけなのですが。捕まる直前、その山荘の宝箱の中に盗んだ宝石を隠したようなんですよ。

私はアメリカへの高跳び前にその宝石を回収して飛行機に乗るはずだったんですがねぇ。
あなた方の予約が入ってしまった、という訳なんです。

あなた方を殺して宝探しを、とも考えたのですがね、いやはや、無駄な殺生は好まないたちなもので。フフフ。

さて、その山荘には、からくり山荘という名の通り、とある仕掛けがありまして。
山荘内には「12個の宝箱」があるはずなんです。
まずはその「12個の宝箱」の在処を探していただきましょう。
探すだけですよ?移動させたり開けたりしてはいけません。

宝箱にはあるルールがありまして。
・1日に1人1つしか開けられない。
・一週間に合計3つしか開けられない。
それを破った瞬間、山荘は爆発してしまうんだとか。
本当かどうかは知りません、試した者はおりませんからね。フフフ。

私の目的とする宝はたった1つなのですが、それを探すためのヒントが3つあるらしいんですね。1つは暗号としてどこかに置いてあり、もう2つはどれか2つの宝箱に入っているそうです。

ヒントをどの宝箱に入れるかは、山荘の決まりに則って予約時にテルオさんが決めたそうなのですが、何度電話をしてもテルオさんとはコンタクトがとれなくて困り果てているのですよ。

テルコさんにお尋ねしたところ、
❮二人の思い出を拾え❯
と、予め伝えられていたそうなんですが、私には何がなんだか。

さあ!それでは、楽しい宝探しを始めていただきましょう。
タイムリミットは夜の2時です。
それまでに出発しないと私の飛行機の時間に遅れてしまいますからね。フフフ。
間に合わなかったら・・・テルコさんはどうなってしまうのでしょう。私にもわかりません。フフフ。


まずは
・「12個の宝箱」と暗号を探し
・日付の変わる12時までに開ける2つの箱を決め
・2時までに私の宝の入っている箱を当てる
ということです。わかりましたね?

もちろんこの携帯電話はこのまま繋いでおきますよ?あなた方が変な気を起こさないようにね。
ゲンさんの携帯電話もここに出しておいていただきましょうか。そのままそうですね、何か音楽でも流しておいてください。
あ、この山荘には固定電話なんてものはついておりませんからどうぞそのおつもりで。フフフ。』

「クソォ。」

と思わずゲンは悪態をついた。コツキは覚悟を決め、ゲンに訴えた。

「ゲン、とにかく私たちは宝箱と暗号を探してみましょう。今は夜の9時だから・・・そうね、10時に見つかった分の宝箱の在処のメモと暗号を持ってこのダイニングキッチンに集合よ。」

「そうだな。宝を探すことが先決だ。よし、一階と二階で手分けして探してみよう。俺は一階を探しながら玄関から入ってくるやつがいないかも見張るから、コツキは二階を探してくれ。」

「わかったわ。」

こうして二人は、宝箱と暗号探しを始めたのだった。


※読み終わりましたら、プレイするキャラクターの

③キャラクターシート

にお進みください。


※相手のキャラクターシートは絶対に見てはいけません。


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