見出し画像

完璧なものより、一歩手前が美しい

今夜は十五夜。
中秋の名月です。


東洋の美学

十五夜は旧暦の8月15日の夜のこと。この日の月が、一年でいちばん美しいと言われています。

ところが、旧暦8月15日は、ほとんどの年で満月ではありません。次の日が満月のことが多いですね。

これは、完璧なものよりも、その一歩手前が美しい、という美学から来ています。

月に祈りをこめて

お月見は中国で始まった、月を愛でる風習「中秋節」が起源といわれています。その民間風習はすでに紀元前からあったようですが、広く行き渡ったのは唐の時代。お祝いの日として、月を眺めながら、ご馳走を囲んだそうです。

これが日本に渡来したのは、平安時代。貴族たちが月を眺めて、酒宴を開きました。日本で一般的になったのは江戸時代です。ちょうどお米の収穫時期と重なるため、収穫のお祝いと、来年の豊作を祈念しました。

現代では、中国が月餅を送る日として大騒ぎするのに対し、日本では素朴な団子を供えて、月を眺めることに重きをおいています。

月見団子のレシピ

お団子の用意はされていますか? 団子の粉があれば、すぐに、安く作れます。

うちは、砂糖を混ぜずにつくり、みたらしあん(砂糖不使用)をからめていただきます。私は醤油をつけるのが好き。

材料

団子の粉 110g
水 適宜

<みたらしあん>
醤油 大2
みりん 大2
葛 大1
水 大2

作り方

1       団子の粉に水を少しずつ混ぜて、耳たぶくらいのやわらかさにして、15等分し、丸めます。
2       鍋にたっぷりの水を湧かし、沸騰したら、団子をひとつずつ入れます。
3       浮いて2~3分たったら、やさしく引き上げます。
4       みたらしあんをつくります。小鍋に醤油とみりんを入れ、火にかけます。沸騰し、アルコール分を飛ばしたら、水溶き葛を入れて、菜箸ですばやくかき混ぜます。透明感がでてきてからも2分くらいかき混ぜて、さらに火を通します。

十五夜エピソード

十五夜の風習は、各地にさまざまな形で伝えられています。また廃れてしまった昔の風習も多いでしょう。

私が好きなのは、明治から戦前にかけて、団子を供えるようになったとき、子どもたちは、どの家のお供え団子でも好きに食べてもよかった、というもの。

おそらく、この時代、団子を用意できる家は限られていたと思います。だから互助の気持ちで、こういう風習があったんでしょうね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?