We'er Riders On This Train 〜Bossと僕の36年

2020年5月26日 00:33

洋楽との出会いは不確かだが、KISSの『炎の誓い』が初めてだと思う。これは、1981年11月リリースのアルバム『Music from The Elder』の中の一曲で、僕が知ったのは翌82年にシングルカットされた時じゃないかな。

80年代に隆盛を誇ったMTVが設立されたのが81年。まだ日本に本格的に上陸してないころかな？当時熊本にはその先駆け的な伝説的音楽番組 S.M.S（サタデーミュージックスペシャル）というのがあって、そこで観たのかな？だとすれば、小6 or 中1。あれ？S.M.Sもうちょいあとだっけ？どっちにしろ、MTVより前だ。

そのころ既にデヴューしていた佐野先輩（佐野元春）は知ってはいたものの、このころの僕のヒーローはジュリー（沢田研二）だった。あ、HEROは甲斐バンドか（そうじゃなくて）。

甲斐バンドも聴いてましたよ、テレビで。ラジオで。

前振り終わり。長ーよ！

佐野先輩と運命の（！）再会を果たした1984年。これまた運命的な出会いをした人がいる。その名は、ブルース・スプリングスティーン。愛称はBoss。

全世界で3000万枚以上セールスというアルバム『Born In The U.S.A.』がリリースされたのがこの年。

シングルカットされた『Dancing In The Dark』がファーストコンタクトで、最初は「これがアメリカでバズってんの？」（当時は、もちろんそんな表現ではない）であまりピンとこなかった。

しかし評価というか、印象が一変するのに時間はかからなかった。

バズってるんだからラジオやMTV系番組で特集が組まれる。その特集番組で、プリンスに現役最高のロックンロールパフォーマーと言わしめたライヴ映像を観る。アルバムからシングルカットされたタイトルチューンを聴く。一躍彼をメジャーにした『Born To Run』を聴く。

「何これ！スプリングスティーン、良いじゃん！」

となる。なるよ、当然でしょ。

当時学校の帰りなどに通い詰めた馴染みのレコードショップで『Born In The U.S.A』アルバムを入手。コネ的な感じ？でプロモーション用のLPを譲ってもらい、だから僕がもっている盤には見本盤の文字がラベル面にある。

なにより、

今すべてをこえて感動のロックンロールを

この帯のコピー、最高かよ！

翌85年。ついに初来日が決まると音楽雑誌だけじゃなく、さまざまなメディアで特集が組まれるほどの事態に。これは一つの事件といってもいい。なんせ、初めてライヴ写真で構成されている写真集まで買っちゃったんだから。

東京、大阪、京都だけの来日公演だったのに、ここ熊本でも特集番組が放送される。その中でのインタビューで、

1975年に『Born To Run』を作るためにスタジオ入りした時、僕はボブ・ディランのような詩を書き、フィル・スペクターのようなサウンドを作り、デュアン・エディのようなギターを弾き、そして何よりもロイ・オービソンのように歌おうと努力したんだ

と語っていて、その時初めてボブ・ディランを知った。
（このことはのちにロイ・オービソンが”ロックの殿堂”入りした時にも語っていた）

そしてその時、

レーガンズプラン

と言い放ち、『Born In The U.S.A』が政治利用されたことに不快感を表していて、普段歌詞どころか、訳詞もほとんど読まないんだけど、改めて訳詞を読み聴き直すことで初めてこの人の凄さ良さを知ったのかもしれない。それは今思い起こせば、ということ。当時はそんなこと感じてるほど生意気ではないよ（笑）。

『Born In The U.S.A』→『Born To Run』→『The River』→『Nebraska』の順で聴いてきて順番はメチャメチャ。関係ないね！そんなこと。