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#アサイー界隈 で話題になっている件について

一部の「アサイー界隈」で議論が勃発していますね。
アサイーボウルが薄い、水っぽい、値段が高い。。などなど。
こういった意見は10年前のアサイーブームの際には起こらなかった現象である点も興味深く、
とても気になる話題なのでアサイーおじさん的に分析してみたいと思います。

※前提条件として、味覚については人それぞれなので美味しい、不味いという感想には触れないでおきます。


アサイーボウルのテクスチャーを構成する要素

薄い、溶けやすい、水っぽい、酸っぱいと指摘された点についてはいくつかの要因が考えられます。
今回は4つのポイントにしぼってご紹介します。

1.ピューレの濃度
2.酸度の違い
3.配合
4.作り方

1.ピューレの濃度

ちょうど前回「アサイーブームの先にあるもの」で解説していたのですが、アサイーピューレは同じように見えても中身は濃さの違うものが存在しています。
牛乳が乳脂肪分や固形分で濃さや値段が違うのに似ています。
ブラジルでは農務省がピューレに含まれる「固形分」の比率が8%以上となるものを「アサイーピューレといえる基準値」として定めています。
そのため、8%以上であれば「アサイーピューレ」として出回らせることができるため、市場には様々な濃度のアサイーが流通していることになります。
ちなみに当社のアサイーの場合は14%以上のピューレを扱っており、これを「グロッソピューレ」として自社基準を設けています。
8%に対して1.75倍も違いがある高濃度ピューレです。

アサイーの濃度の違いを示した図

2.酸度の違い

アサイーにはブルーベリーや赤ワインにも含まれるアントシアニジンというポリフェノールの一種である色素を含んでいます。
これは酸度が高くなると赤みを帯び、アルカリ性に偏ると緑がかったグレー変色していく特性があります。
そして、ピューレの製造時に品質保持を目的にクエン酸を使用するため、必然的に酸味を加えることになります。
しかし、赤みを強くして見た目を良くする目的でクエン酸を多量に使用するメーカーもあります。
これによって、本来酸味がないアサイーを酸っぱいものと誤認してしまう例もあるのです。
これが酸っぱいアサイーボウルの要因の一つと考えられます。

pH値の図

3.配合

アサイーボウルのテクスチャーはアサイー以外に何をミックスするかによっても大きく質感が変わってきます。
フルーツも粘性が高く繊維質を多く含むものを配合すれば、それだけもっちりとしたアサイーボウルになります。
また、アサイーボウルといえばハワイをイメージする人が多いのですが、ハワイでは常夏の影響もあり一般的にシェイブドアイスが好まれます
いわゆる、かき氷ですね。
あくまでも個人の見解ですが、あっさりとして口溶けの良い、かき氷のようなテクスチャーが好まれる傾向があるのではと思います。
そのため、ハワイのアサイーボウルを再現しようと開発されたアサイーボウルはピューレの選定から配合まで、あえて軽さやさっぱり感を重視しているようにも考えられます。
そもそもの概念が違うことを感じさせられます。
一方で、本場ブラジル仕込みのアサイーボウルはとにかく「濃さ」が求められます。

あっさり系アサイーボウルのイメージ画像
あっさり系のアサイーボウル

4.作り方

アサイーボウルを販売する場合、スムージーブレンダーという氷を砕くミキサーを使用し、作りだめをしないバイオーダーが一般的です。
ところが人気店では、それでは間に合わないのでベース部分だけをあらかじめ作っておいて保管しておくケースがあります。
この際に、特殊な冷凍庫を使用しないと一定の温度環境下で保管ができず、前述のピューレの濃度や配合と相まって水分量が多いものは溶けやすく、溶け始めると急速に水っぽくなります。

結論として何が良いということではなく、様々な要因でアサイーボウルの質感が構成されている、ということです。

創業当初からこだわっていた「濃さ」

アサイーおじさんとしては、ハワイにもアサイーボウルがなかった創業当初の2002年に国内ではじめてアサイーを紹介した時から、グロッソ規格のアサイーピューレにこだわっていました。
その当時ブラジルでは、見た目で濃さがわからないアサイーの特性を逆手にとり、見合わない価格で濃度が薄いピューレが流通する事態が発生し、それを問題視した農務省が濃度を規格化した時でもありました。
3つのランクが定められたことにより濃さの価値が確立されたのです。

アマゾンの産地で濃いアサイーのおいしさをすりこまれていた私は、繊細な舌をもつ日本人こそ一番濃いグレードのグロッソアサイーが受け入れられると確信していました。
また、低品質な原料が出回るとその物の価値が下がり、市場が育たないことを知っていたので、フルッタフルッタのアサイーは一貫して「濃さ」「品質」「鮮度」に徹底したこだわりを持っています。
遠いブラジルからコスト削減のためにピューレを濃縮したりパウダー化して常温品として輸送することもできるのですが、全て冷凍ピューレで輸入しているのはこのためです。

フルッタフルッタのこだわりについて知りたい方はこちらをご覧ください。

話が少し反れてしまいましたが、プリンでもカスタードプリンとゼラチンプリンが全く違う食感であるように、アサイーボウルも濃いものが好きな人もいれば、薄くてあっさり系が好きな人もいます。
好みは人それぞれ、また環境や場所によっても違いますしね。

アサイーおじさんは断然濃くてもっちり、つややかでなめらか、酸味がほどよく感じられるボディ感のあるアサイーボウルが大好きです。
ブラジルで食べられるアサイーボウルがそうなのです。

ボディ感のあるアサイーボウルのイメージ画像
ボディ感のあるアサイーボウル

ということで、今回の話題となった現象をアサイーおじさんなりに分析してみました。
参考になれば幸いです。

それでは、お好みのアサイーボウルをみつけて、楽しいアサイーライフをお過ごしください。


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