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■各マスコミの「こたつ記者」度を見る

マスコミってナニ?(5)
ニュースの存在を考える 「マスコミへの道」改

全米が震えたケンタッキー州などを襲った巨大竜巻の被害を伝えるニュース。確認された死者数は100人に迫り、ケンタッキー州では100人を超える人の安否が不明という。
日本のマスコミも大挙して現地取材をしている…かと思うと、そうでもない。
NHKなどは記者が現地からリポートし、生々しい状況を伝えていたが、新聞では14日発行の朝刊を見る分には、朝日、読売が記者、特派員を現地に送って取材、写真も送っている。一方、毎日、産経、東京(中日)、日経は遠く離れたニューヨークやワシントン支局の特派員による「こたつ記者」原稿である。日経などは、【メイフィールド=共同】のクレジットをちゃんとつけて共同電(「電」は電報の意味。かつては当たり前のように使われた業界用語だが、今の人には意味不明かな)を明示している。毎日ほかもそれをすればよいものの、ヘンなプライドが邪魔して、逆にこたつ記者の馬脚を露わにする結果になっている。
世界に瞬時に、だれもがほぼタダで情報にアクセスできる時代に、逆にニューヨークやワシントン発のクレジットをつけることに違和感を覚えないのだろうか。遠くに離れていても、米国内だから原稿を送れる、という考えか。
ワシントンやニューヨークを留守にできない、ということなんだろうが、日経あたりは相当記者もいるはず。竜巻の現場くらい見ておけば、経済・金融記事を書くにも一段と厚みが増しそうなものだ。もろもろ人員含めて事情が厳しい、毎日、産経、東京(中日)が記者を出さないのはまだ理解できるが…。
今回のニュースに限らず、こうした突発的な事故などでは、その国内の支局から記者または取材者を出せるかどうかがそれぞれの媒体の足腰の強さを測る尺度になるだろう。
やはり、自社の人間が現場の空気、におい、雰囲気を直接確かめた記事のほうがいいんじゃないか。
出せないのなら、共同使え、と言いたくなる。

※写真はNHKのNEWS WEBより

2021年2月19日の「■われわれはマス「ゴミ」ではない!」から60本にわたって書き綴った、マスコミ界歴35年の筆者が、改めてマスコミ(新聞、出版、放送)界と社会、世界について書き綴る。マスコミ志望者必読。


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