見出し画像

「バットとボール」

白いブリーフを下ろされた
ちっちゃな性器が露わになり

「バットとボールが こんにちはー」

キャッキャッと
幼いぼくは はしゃぐ
3つか 4つか 

母と2人だけの時間

当時 家に風呂はなく
下着を替えるたび
母はそう言って はやした

「バットとボールが こんにちはー」
キャッキャッ キャッキャッ
「バットとボールが こんにちはー」
キャッキャッ キャッキャッ

何度もやるものだから
おかしくて おかしくて
転がって
シミだらけの 狭い借家の天井を
ぼくは見上げた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?