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お笑いと落語 芸人さんの違い

どちらも「人を笑わせる商売」というところでは同じだ。

しかし、最近は妙に、噺家さん(落語家さん)の方が、やたら魅力的に見える私。
落語が好きになるお年頃。自分もそれだけ年をとったか?確かにそれは、間違いないのだが(笑)

それでも、それを抜きにしても、噺家さんがカッコいいと思えるのだ。

話だけで心をつかむ話芸。その生き方。自分の噺、一席一席が勝負。
全員がフリーランスのような無所属の感じがカッコイイ。実際にはそれぞれ協会に所属しているのだが、そんな組織に頼ることなく、自分の噺がおもしろいかどうか裸一貫で勝負しているところ。
自分のパフォーマンスがすべて自分にかかっているという覚悟。それを見せずに、サラッと一席やって颯爽と去る姿。カッコいい。

一方、お笑い芸人さんは面白いが、どうしてもテレビの編集の力に助けられているところがあるように思える。企画内容やテロップにより、面白く仕上げられている、という感がある。

実際、自分たちの力が試される「単独ライブ」に行くと、幻滅することもある。ネタが本当に面白くなかったり(これは衝撃)、豪華ゲストで帳尻を合わせていたり(笑)

そこが噺家さんのような個人で戦う人との違いで、組織に所属している感がある。テレビに出ない芸人さんであっても、所属している会社を意識しないわけにはいかないのだ。

結局、テレビ、所属事務所、そんなところを意識して仕事している感がどうしてもあって、組織を感じるのだ。

さらに昨日、気付いてしまった。
政治的発言をするかしないか、ここに違いがあると気付いてしまった。

お笑い芸人さんはテレビやスポンサー、仕事や世論を考慮して、政治的発言をする人が圧倒的に少ない。彼ら彼女らに限らず、日本では有名人みんなそうだが。

一方で、噺家さんは、ハッキリ、政治やニュースに対して、意見を言う。全員ではないが、ちゃんと自分の思いを発言する人たちが、お笑い芸人さんよりはるかに多いのだ。

例えば、亡くなった桂歌丸師匠のように。

歌丸師匠はかなり美しい言葉で政治批判をしていたが、もっと激しい毒を吐く人も、中にはいる。もっともっと昔の噺家さんの方が、政治にモノ申す人がいたと思う。今はどの噺家さんもトゲの量は少ないけれども、ちゃんと自分の思いを言う。”自分の意見を言える”噺家さんが多いのだ。

だから、話の入り口である” まくら”に時事ネタが盛り込まれることもたくさん。あれ、この話題、大丈夫なのかな…?と聞いているこっちがヒヤヒヤすることもあるが、彼らは堂々としている。

それで、のっけから笑いをかっさらうのだ。

カッコいい。

裸一貫で、自分の意見までハッキリ述べて、人を笑わせるなんて。覚悟が違う。それがわかるから、好きなのかもしれない。


本当にありがとうございます😊嬉しくて小躍り!!💖