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Talker#11 | 甲斐美枝(GREEN HOUSE MARCHE)

岩槻にある「美芳園」で観葉植物の温室を開放したマルシェを主催する甲斐さんは植木屋であり籐作家としても活躍中です。10代は植物に興味が持てず都内で服飾を学んでいました。20代に入り将来を考え直して園芸学校に入りましたが、地元から離れたくて関西の園芸会社へ就職。関西で結婚や子育てをするなかで、再び将来を考えて2022年に家族(夫と子ども2人)で岩槻へ移ってきました。一回距離をおいたことで植物や岩槻を大切に思えるようになり、温室を活かした「岩槻にわざわざ行きたくなる心地の良い場所を作りたい」とGREEN HOUSE MARCHEをスタートしました。

緊張しますとの甲斐さん
Talk Timeの様子

温室という場の魅力を武器にする

甲斐さん:「美芳園」は父が祖父母とともに創業した50年続く観葉植物のレンタルを行っている会社で、私たち夫婦は3年前に加わり、今は父と3人で家族経営をしています。この会社の課題として、観葉植物の在庫を持ちすぎているということがありました。レンタル需要が減少しているんです。在庫には管理費もかかってしまいます。そこで、在庫を販売する検討をしましたが、平日はレンタル業務だけでスタッフは手一杯で販売対応が難しい。
そのような中、ポジティブな考え方に変換したんです。在庫が多いということは、一方で温室の中は緑が多く心地のよい空間だということ。また、美芳園の温室は、大きな通りに面していて目立つ立地にあります。この温室という場や在庫が 武器になると考え、休日の1日限りで温室を開放するようなイベントとしてマルシェを始めてみようと考えました。そこで在庫の販売もできる。
それを実現するために、まずは自分が作家として色々なイベントに出店しながら、思い描いている温室マルシェに出店して欲しいなと感じた魅力的な方に声をかけながら「GREEN HOUSE MARCHE」開催に向け少しずつ準備を始めました。

日常の温室
甲斐さんのつくる籐細工や植物

「GREEN HOUSE MARCHE」を育てる

甲斐さん:「美芳園」は、東岩槻駅から徒歩10分の静かな場所にあります。車通りはありますが、歩いている人はあまり見かけません。そのため、どのくらいの人が来てくれるか読めなかったので、第一回は小規模な形で2022年11月に開催しました。温室の環境を活かしたヨガをやりたかったので、ヨガとフードをセット販売するような形で、来場者数も事前に分かるように予約制にしました。
それから、温室で育ったアロエをカフェの方に提供してレモネードとして活用してもらうなど、温室内での作物を活かすことを考えたり、「子どものヘアカット」「緑のワークショップ」などモノを買うだけではない楽しみも用意したり、告知方法もSNSだけでなく配布資料を作ったりと少しずつ変化させながら開催を続けています。最初の来場者数は20名程度でしたが、今では130人くらいに増え、出店者も4組から13組と規模も大きく育ってきています。
来場者から「温室の中に入ってみたかった」と言ってもらったり、地域に知り合いができたりと、場を開いたことがきっかけとなり、まちとのつながりが生まれている実感があります。

2024年3月2日のマルシェ
マルシェのコンテンツ

マルシェからつながったまちの企画

甲斐さん:GREEN HOUSE MARCHEがきっかけで岩槻文化芸術祭でマルシェをやりませんかとお声がけをもらいました。地域の年輩の方が主導している12年前からある市民の文化祭で、少しずつ若い世代も関わり始めているイベントです。
最初は岩槻城址公園を会場にマルシェをやりたいと思ったのですが、公園を利用することはハードルが高いことが分かり、岩槻駅前の商業施設WATSUの間にある80mの道路「クレセントモール」でやることになりました。最初に会場にしたいと考えた「公園」という憩いの空間を「道路」につくりだそうと、可能な限り人工芝を敷き、観葉植物を持ち込むことを考え”IWATSUKI STREET PARK”とネーミングして企画を作りました。周囲のみなさんが、「こんなすごいの作業が大変でしょう」と心配してくれたけど、植物の運搬やディスプレイは本業なので難しくないし、夫は建築士なのでデザインや設計をすることが得意。そんなに大変じゃなかったんです。テイストを整えることを大切にして、岩槻に限らずこれまでにつながりをもった色々な地域の方に出店いただきました。「おめでとう」とお声がけしてもらったり、「岩槻に小洒落た場所ができた」という感想をもらったことが、なんだかとても嬉しかったです。
今年も2024年11月9日にIWATSUKI STREET PARK vol.2を開催します!

IWATSUKI STREET PARK
IWATSUKI STREET PARKの出店者

甲斐さん:そういった活動が、当初の目的でもある観葉植物の販売にも少しづつつながっています。
今年も色々と計画をしているので是非足を運んで下さい。手を広げすぎるとやりきれないので、自分のできる範囲で素敵な場をコツコツと作っていきたいと思っています。

植物|美芳園  籐細工|enco

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