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第2章 まちづくりの担い手

 まちづくり活動において、「後継者がいない」「仲間が増えない」「育成が進まない」といった担い手不足の声はあちこちで聞かれます。しかし、本当にいないのでしょうか。
 人口減少が進む中でのまちづくりは、これまで以上に多くの人が力を合わせて取り組む必要があります。そのためには、それぞれの個性や得意なことを活かし、関わりやすさを生み出していくことが大切です。まちづくりへの関わり方はさまざま。第2章では、まちづくりの担い手についてお話しします。

第1章では全6話(No.1〜6まで)が¥200で読めます↓


7.まちをつくる人には様々なタイプがある

 まちづくり人と一口に言っても様々なタイプの人がいることは皆さんも何となくご理解いただけていると思います。それを私なりに大きく分類すると以下の4つのタイプがあるように思っています。

   ・まちづくりプレイヤー
   ・まちづくりコーディネーター
   ・まちづくりサポーター
   ・まちづくりプロデューサー

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 最初に挙げたまちづくりプレイヤーですが、それをわかりやすくいえば現場で主体的に活動する人になります。これは地域住民がその役を担うケースが多いのですが、住民にとっては好むと好まざるとに関わらず、やらなければいけない状況に追い込まれているということもあり、なかなか担い手が増えないのが現状です。しかしこの人こそがまちづくりの主役ですから、周りの人たちはこのプレイヤーが気持ちよく動ける環境をつくる必要があります。

 次にまちづくりコーディネーター。この人は専門的な知識を持って、まちづくりの計画をつくり、関わる人をコントロールしながら様々なセクションとの調整を図ります。

 次のまちづくりサポーターは、必ずしもまちづくりの主役ではありませんが、国や自治体から派遣された各種支援員や地域の中間支援組織のようにスポット的にお手伝いをする人を指しています。

 さらにはまちづくりプロデューサーといえる人の存在も重要です。何もないところから構想をつくり、資金調達を含めて事業化する人がこの人です。この役目はこれまでは行政が担ってきましたが、これからは官民協働で育成していく必要があります。

 但し、大切なのはこうした方々によるチームワークです。ある意味、得意不得意をカバーし合う関係を保ちながら、まちづくりを進めていくことが重要なのです。
 また昨日までサポーターだった人が次の機会にはプレイヤーやコーディネーター、はたまたプロデューサーに取って代わったりすることも充分あり得ます。自分のタイプをむりやり固定する必要は全くないのです。
(大滝 聡)

大滝さん_2

〜筆者紹介〜
大滝 聡(おおたきさとし)まちづくり学校 代表理事
《まちづくり学校以外の所属・役職名》
  有限会社オム・クリエイション 取締役
  NPO法人都岐沙羅パートナーズセンター 理事
《専門・得意分野》
  グラフィックデザイン、環境造形
  まちづくりの中間支援、まちづくりの人材育成
《本人コメント》
 新潟県村上市生まれ。武蔵野美術大学卒。デザインとアートをこよなく 愛しています。晴れた日には近くの里山に登り、雨の日は部屋でジャズを聴く、時々旅に出て知らないまちの居酒屋に入り地元の方と一杯やる、そんな毎日を夢見ています。


8.まちづくりにおける男と女

 「ジェンダーバランス」という言葉が誤解して使われているような気がしてなりません。男性と女性が全く同じ役割と機会を与えられるべき、と解するのは誤りで、「それぞれの特性を生かした最適なバランス」と捉えるのが正解です。身体的な機能も思考的な特徴も違う訳ですから、それぞれ得意とすることも異なり、それを生かした役割分担が望ましいと考えるのが自然でしょう。

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