アメリカならではのアイスクリームフレーバー
早いもので、もう6月。日本の6月というと梅雨のイメージですが、ここサクラメントの6月は夏全開。「今年は暑くなるのが遅いかも???」と期待したくなる最近の天気でしたが、そんな期待も間もなく強制終了を迎えそうな気配です。天気予報によると、明日にはスリーディジット(three digit)と呼ばれる、華氏3桁台の気温になるらしい。ちなみに華氏100度は、摂氏にすると3.7778度。日本のような湿度の高さこそないものの、華氏105度を超えれば、摂氏40度越え。そして、そんなスリーディジットも珍しいものではなく、更にはそれが平気で1週間続いたりするのですから、ここの夏は、結構過酷。
さて、そんな暑い夏の我が家の冷蔵庫の必需品は、大量の氷とアイスパック、そしてアイスクリームです。大量の氷は旦那さんが飲む水用と私の就寝時の氷嚢用。そのうち、かき氷用にもなります。アイスパックは旦那さんの就寝用。そうでもしてエアコンの稼働時間を削減しないことには、電気代が大変なことになってしまいます。
そして、アイスクリームはというと、もちろん食後のデザート用。私たちは二人そろってアイスクリーム好き。と言っても、毎日食べているということはありません。この時期は特に、冷蔵庫に待機していて欲しいだけ。出かけたついでに「アイスクリーム買って帰ろっか?」みたいな感じにはなりがちですね。食料品の買物を好まない彼も、アイスクリームは自ら買って帰って来たりもします。ただ、お互いに好みのフレーバーが違いすぎるところが難点。ときには私用と彼用を別々に購入することもあるくらいです。
アメリカでは、日本で普通のハーゲンダッツのミニ容器には、ほぼ出会いません。一番よくあるサイズは1.5リットル位のもので、小さいものでも日本のスーパーカップよりは大きくなってしまい、なかなか食べきりサイズというもがないのです。そして、お値段は当然のことながら、大きくなるほどお買い得。
う~む、悩ましい。
私は、アメリカへ来てからも、日本のニュースは毎日欠かさずチェックしています。単に習慣づいているところもありますが、いつ日本へ帰るときがきても、浦島太郎状態にならないようにね。ということで、アメリカにいながら、日本の新商品や限定商品情報を目にするのもよくあること。日本のハーゲンダッツの新フレーバーを目にするたびに「いいな~」が止まりません。『きな粉黒蜜』とか『リッチマロン』とか、絶対おいしいっしょ。アメリカには、かろうじて抹茶フレーバーがありますが、ハーゲンダッツ以外は、Matchaという割には、抹茶の味が薄いのが残念なところ。
日本のアイスクリームへの羨望は尽きませんが、それはさておき、今日はアメリカならではのアイスクリームフレーバーを紹介します。
そう、今あるものを楽しむべし!
はてはて、日本の人に「いいな~」って思ってもらえるでしょうか?
バースデーケーキ (Birthday Cake)
まずは、バースデーケーキフレーバー。は?お誕生日ケーキフレーバー?ケーキなの?アイスなの?って感じですよね。このちょっと不思議なバースデーケーキフレーバーというものは、実はアメリカでは定番の人気味。要はケーキ生地をイメージしたもののようで、基本はバニラ味なのですが、そこにバタークリーム的な甘さが追加され、さらにカラフルなスプリンクルがミックスされているのが特徴。出ました、アメリカの奥義、甘さ+甘さ+甘さ!
ピーナッツバターカップ (Peanut Butter Cup)
次は、アメリカと言ったらの、ピーナッツバターカップフレーバー。ピーナッツバターカップというのは、アメリカ人が愛して止まない、ピーナッツバターのチョコレート菓子のこと。そのピーナッツバターカップが混ざったピーナッツバター味のアイスクリームがピーナッツバターカップフレーバーです。これこそ、ザ・アメリカ。アメリカ人のピーナッツバター好きについては、よかったら「アメリカ人の「ピーナッツバター」=日本人の「XX」」をどうぞ。
バターピーカン (Butter Pecan)
続いては、バターピーカンフレーバー。8年近くアメリカのベーカリーで働いていますが、基本的にアメリカ人は、ピーカンナッツが好きなようです。ピーカンナッツの使用度は、クルミやピスタチオなどと比べても断然高い。バター風味が強いバニラ味のアイスに、ローストピーカンナッツが入っているのがバターピーカンフレーバー。アメリカのケーキはほとんどの場合、生クリームではなくバタークリームになります。基本的にバター好きなのでしょうね。アイスクリームもバター多めで、といったところでしょうか。
クッキードウ (Cookie Dough)
そして、忘れてはいけないのがクッキードウ。バニラアイスクリームにチョコレートチップとクッキー生地が入っているものです。私のnoteが「アメリカ人はクッキードウがお好き!」でスタートしたように、アメリカ人はクッキードウイーター(Cookie dough eater/クッキー生地喰い)。私たち日本人は、生の小麦粉を食べたらおなかに虫がわく、と育てられたものです。よって、どんなにおいしいと言われても、私はどうしても生のクッキー生地を食べる気になれません。ところが、市販のクッキードウアイスクリームは別物。アイスクリームに入っているクッキードウは、本来のクッキーのためのクッキードウとは異なり、最初から食べるように作られているものなのです。とにかく、アイスクリームのクッキードウは食べてもOK。おなかに虫はわきませんのでご安心を。そして、マジパンのような食感がおいしい!
おすすめです。
パンプキンスパイスフレーバー (Pumpkin Spice)
最後は、季節もののパンプキンスパイスフレイバー。これがまたおいしい!パンプキンスパイについては、よかったら「アメリカの秋フレーバー」の記事を読んでくださいね。アイスクリームにしても、パンプキンスパイスフレーバーは季節限定もの。暑い夏が終わった頃に店頭に並びます。
これは秋アイスクリームのお楽しみ。
以上5種類のなかで、私たちが日ごろ購入するのはクッキードウのみ。
まず、好き嫌いがとにかく激しい(Picky eaterと言います)うちの旦那さんは、アイスクリームの中のナッツがが苦手。ロッキーロードのアーモンドはギリギリOKとのことですが、基本的にピーカンナッツはNoですね。
ピーナッツバターそのものは嫌いではないようですが、好んでは食べません。にもかかわらず、ピーナッツバターカップは好き。そこはすごくアメリカン。
そして、私も彼もバタークリームがあまり好きではありません。ただ「甘い」というより、「甘ったるい」感じがどうにもいただけません。
パンプキンスパイスは、おいしいけれど季節もの。
よって、クッキードウフレーバーのみが、私たちのアイスクリームローテーションに入ることになるのです。
ちなみに私が好きなフレーバーは、クッキードウの他に、チョコレートミント。しかし、うちの旦那さんは嫌い。そして彼は抹茶も嫌いときたものです。私が好きなナッツも苦手。アイスクリームに関しては、全くもって好みが違うんですよね~。
えっ?そんな彼のお気に入り?驚くことなかれ、なんと「ナポリタン」。はい、あの、チョコレートとバニラとストロベリーの3種ものです。初めて聞いたときは冗談かと思ったものですが、本気でした(笑)。なんて古風なというか、なんと無難なというか… 反対する理由もないし、あればおいしくいただきますが、私チョイスで購入することはまずありませんね。だからこそ、彼への感謝を伝えたいときなどには、ナポリタンアイスクリームを買って冷蔵庫に入れておきます。アイスクリームに託すメッセージ(笑)。毎回手にするたびに「なんでコレなんだろう?」って未だに思いますけどね。
さて、このアイスクリームフレーバーですが、アメリカではちょっと変わった役割があります。なんでも初めて会った人との会話で「好きなアイスクリームのフレーバーは何?」と聞くのが、お互いを知るための定番の質問なのだとか。これ、嘘みたいなホントの話。恋愛リアリティー番組を見ていたら、初対面の男女が「じゃぁ、好きなアイスクリームのフレイバーは?」「ストロベリーチーズケーキ」「えぇ!私も!」「なんて私たち共通点が多いんだろう!これってすごいよね~」と言う感じで話していました。
そして、このアイスクリームフレーバー質問、先日、私も実体験してしまいました。月に1回程度のヨガクラスでのこと。結構込み合っていたのですが、インストラクターがクラスの始まりで「まずは、ご近所さんと知り合っいになってね。なんでもいいから聞いてみて!好きなアイスクリームフレーバーとかね!」って。マジか。。。と半ば固まっていた私。すると私の斜め前に陣取っていたおじさまが、そんな私を気使ってくれたのか、クルっと振り返って「君の好きなアイスクリームフレーバーは?」と聞いてきたのです。マジか。。。と思いながらも笑顔で「チョコレートミント」と答えると「そうか。僕はバターピーカンだなぁ。じゃ、君は?」と私の隣の女の子にもアイスクリームフレーバー質問を振ったのです。彼女の答えは「ココナッツ」。あら、なんだかおしゃれ♪、なんて思いながら、本当にあるんだぁと心の中で感心したものでした。
気になって調べてみたところ、好きなアイスクリームフレーバーによる性格診断のようなものがあるようです。サイトによって異なるのが何ですが、ストロベリーは内向的だとか、チョコミントは変わってるとかそんな感じですね。日本で言うところの「血液型は何型ですか?」みたいなものでしょうか。それとも「たい焼きはどこから食べますか?」みたいなもの?
ちなみに、血液型を聞くのはアメリカではかなり「???」になります。血液型で性格が分かれるなんていう考え自体がなければ、聞いたこともない話なのです。自分の血液型さえ知らない人だって珍しくないくらい。アメリカ人に「血液型は何型?」なんて聞いたら、結構変わった人だと思われるでしょうね。と分かっていても、一緒に働きながらその働きっぷりを見て、つい「きっとA型だ」なんて思ってしまう日本人な私。どうしても気になった時は「変なこと聞くけど」を前置きに聞いてみることもあります。大体思った通りの答えが返ってくるものですよ。日本人でもアメリカ人でも、流れている血は同じということですね。あ、変なヤツだと思われたままになるのを避けるために「日本ではね、~~~」の説明は必須です。
夏の始まりということでアイスクリームについて書いてきましたが、最後に。日本ではアイスクリームのことは「アイス」と言います。でも、英語では「アイスクリーム (Ice cream)」。なんてことはないと思うかもしれませんが、この差は大きい。
随分前になりますが、仕事で日本からお客さんを連れてマレーシアへ行ったときのこと。初めての海外旅行という人もいて、なにかと楽しい珍道中でした。機内にて、飛行機ではありがちな深夜の食後のデザートに、ハーゲンダッツが配られました。ぐっすり眠っていてハーゲンダッツをもらい損ねてしまった彼女ちゃんのために、マレーシア人のキャビンアテンドのお姉さんに勇気を出して彼女のハーゲンダッツをもらいに行った彼氏くん。「アイスください」という意味で「Ice, please…」と言ったようでして…
数個の氷が入ったコップを手に、何とも言えない顔で戻ってきた彼氏くんでした。
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