英語で「寄り添う」ってどういう?
ラジオから流れてきた懐かしい曲
昨日、3週間に1回の分子標的薬の点滴を受けた帰り道、車のラジオから懐かしい曲が流れてきました。
The Pretendersの"I'll Stand by You"
この曲は、私と旦那さんがアメリカと日本の遠距離恋愛をしていた時期に、彼が私に贈ってくれた一曲。かれこれ12年前の過去と最近の出来事を改めて思い返し、あの時の彼と今の彼に感謝。そうか、この人のスタンスは何も変わっていないんだ、と実感したのでした。
と同時に、乳がんの治療がひと段落した昨今、ときどき考えていた「寄り添う」ということについて、少しは説明ができるような気がしてきましたのでここに…
闘病生活を支え、寄り添ってくれた「チームマチコ」
乳がんであることが確定すると、家族や友人、職場の仲間に知らせることになります。最初は誰にどう伝えるか?ということは、大きな悩みでした。でも、不思議なほどに、ひとりひとりに伝えるべきタイミングがありました。無理に「今日言わなきゃ」ではなく、自然と「あ、今だ」という瞬間があったのです。みんなが大きな驚きと共に心配してくれていることがよく分かり、かけてくれた言葉のひとつひとつが、不安でいっぱいだった私の力になりました。涙もたくさん出ました。あの頃はよく泣いていましたね。
私を泣かせたのは、言葉の内容はもちろんですが、何よりもその言葉を通して、その人の想いを感じたから。
私のnoteでもちょこちょこ登場する、私のパン職人の先輩でもあり、大切な友達でもあるぶちこちゃんの名言をふたつほど。
①「病気になりたくてなる人はいない」
病気が発覚したとき、または体調が悪い時は、どうしたって「なんで私が?」と思いがち。私なんて、自分よりどう見ても不健康そう、または不摂生そうな人を見て「なんでこの人じゃないんだろう?」なんていう酷いことを思い、そんなことを思う自分が嫌で、えらく落ち込んだ日もありました。
職場の仲間に知らせた際に、この先迷惑をかけると思い、謝ったところ「It's not your fault (あなたのせいじゃないよ)」と言われ、同じような安心感を覚えたのも忘れられません。
②「これはチーム戦です!」
この言葉は、私の家族や他の友人たちにも広まり、「チームマチコ」として、アメリカチームと日本チームが結成されました。これも本当に嬉しかった!
当初は「今は大丈夫でも、先々ソーシャルワーカーの助けが必要になるのかな」とも思っていましたが、私には「チームマチコ」があれば百人力でした。
チームとして私が大切にしたことは、
・現状をシェアすること
・気持ちもシェアすること
・ときには笑いや思い出もシェアすること
・近い将来の予定をシェアして楽しみにすること
・「心配かけてごめん」ではなく「心配してくれてありがとう」
私の場合は、「ここは頑張り時」の時や「今、ちょっとつらい」と自覚する時には、あえてチームのみんなに現状を知らせていました。元々バスケ女子だった私的な言い方をするならば、次のプレイを予測してパスを出す感じなのかも。すると、「よくがんばりました」のお褒めの言葉だったり、「頑張れ!」という激励の言葉だったり、ときには食事のアドバイスだったりと、自分でも「こう言って欲しかったんだ!」と思うほどの抜群な反応が返ってきて、チームとしての一体感を実感するとともに、私の次のプレイへとつなげることができたのです。
「寄り添う」は英語でどういう?
チーム戦とはいえ、乳がんという闘いにおいては、実際に検査、治療を受けるのは私です。そんな実際の闘いを、自分が思うように、思いっきり闘えたのは、私が心地よいと感じた仲間のたちの「寄り添う」スタンスでした。
「寄り添う」…なんて素敵な言葉でしょう。
はて、この「寄り添う」、英語では何て言うのがいいのでしょう?
これという言葉が見つからないでいました。
ちなみにGoogle 翻訳では「Get close」となり、文字通り「近くに寄る」って感じで「寄り添う」のニュアンスが欠けてしまいます。
で、昨日「これだ!」と思ったのが「I'll stand by you」。直訳では「私はあなたの味方です」となりますが、「そばにいるよ」と解釈すると、日本語の「寄り添う」に近い雰囲気があるように思います。あくまでも私の解釈ですけどね。
大事な点は、この「寄り添う」「I'll stand by you」という姿勢に、物理的な距離は関係ないということ。もちろん、実際に手が届く距離で寄り添ってもらえたら、それほど心強いものはありませんが、人の「想い」「念力」は確実に伝わるもののようです。これは私が、アメリカで乳がんという経験を通して学んだコトのひとつ。
また、「寄り添う」存在として、友人、家族であることが必須ではない、ということも知りました。
私の闘いに寄り添い続けてくれている全ての人(+猫のもなか)に感謝するとともに、私もそっと寄り添える人になりたいな、と思うのです。
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