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サンドイッチは朝食?昼食?それとも夕食?

アメリカのファーストフードというと、やっぱりハンバーガーのイメージですよね。実際、その通りではあるのですが、店舗数、人気具合からもハンバーガーといい勝負ができるのではないかと感じるのが、サンドイッチ。あら、ヘルシー。ハンバーガーとフライドポテトとコーラのセットと比べたら、健康志向をアピールした感じですよね。でも、ハムやサラミ、プロシュートなどのプロセスミートをたっぷり、それにマヨネーズを追加したりして、更にポテトチップとソーダのセットにでもしたら、同じようなものかな、とも思いますけどね…(笑)

さて、このサンドイッチには、私たち夫婦も大変お世話になっています。私がアメリカへ来た頃によく利用していたのは、旦那さんの長年のお気に入りだったTOGO'Sというサンドイッチ屋さん。TOGO'Sのターキーとアボカドのサンドイッチが定番だったな。その後、サクラメントへ引っ越してきた頃には、Subwayをよく利用していた時期がありました。日本だと、Subwayはちょっとおしゃれなサンドイッチ屋さんのイメージになるのかもしれませんが、アメリカだと、どちらかというと品質よりも価格重視の、ちょっとばかりチープなイメージなのかも。そのせいもあってか、好んではSubwayは利用しないうちの旦那さんなのですが、最寄りのSubwayにいつもいた女性店員さんが作るサンドイッチが別物でして。同じ材料なのに、乗せて挟むだけのサンドイッチなのに、作る人によって、味ってあんなに違うのだと驚いたものです。思うに、各材料や調味料のバランスの問題なのではないでしょうか。あとは、サンドイッチ愛…かな(笑)。ということで、とにかくあの店員さんがいたSubwayには、クーポン持参でよーく買いに行ったものです。ところが残念なことに、Subwayの経営方針の一環で閉店となってしまい、それ以来Subwayからは遠ざかってしまいました。あのサンドイッチ名人の店員さん、今もどこかの店舗でおいしいサンドイッチ作っているのかな。どこにいるんだろう?

そして、最近の私たちの大のお気に入りがJersey Mike'sというサンドイッチ屋さんです。随分前に一度トライしたときは、特にこれといって…の印象だったのですが、ごく最近、経営者が変わったという影響もあってなのか、これがおいしいのです!特徴は、ハム、ターキー、ローストビーフなどのお肉とチーズは、オーダーごとにその場で大きな塊からスライサーでスライスしてくれること。そして、他のお店同様、野菜、調味料は自分で選ぶことができますが、Mike's Wayというお店のお勧めの基本スタイルがあるのもちょっと独特。Mike's Wayでお願いすると、オニオン、レタス、トマトに、大量のオリーブオイルとビネガーがかかります。お肉、野菜をセットした後に、これでもか!って言うくらいにバシャバシャかけています。それだけに、その場で食べないとすぐにヘナヘナになってしまうのですが、それでも少なめにしてください、とは言いたくないほど、そこがおいしさの肝なのです。オーダーの一環として、店員さんから「Mike's Wayでいいですか?」と聞かれます。知らないと「は?Mike's Way???」となってしまうのですが、知っているのが当然の雰囲気で接客する店員さんの姿勢も、私はなぜか好き。誰もが普通に知っている、という風になって欲しい…という願いも込められた、お店の信念のようなものを感じるのです。

このMike's Wayをベースに、そこからオニオンを抜いて、ピクルスとマスタードを追加する、というのが私たち式。生玉ねぎがあまり好きではない旦那さんのためにオニオンを抜き、ピクルス大好きな私のためにピクルスを追加します。サイズはミニ、レギュラー、ジャイアンの3種類が選べます。前は私がミニ、旦那さんはレギュラーで、それぞれのサンドイッチをオーダーしていたのですが、サイズが小さいほど高くつく、また、それぞれミニとレギュラーだと少々物足りないということもあり、今ではジャイアンをシェアすることで落ち着いています。そう、大きくなればなるほど、お買い得になるのです。これ、万国共通。ジャイアンサイズは4等分に切ってもらえるので、私がそのうちの一つ半くらい食べると、ふたりともいい感じに満腹になります。この方式、私が提案したときは我ながら天才かと思いましたが(笑)、同じようにしている人たち(たいていは男女のカップル)も見かけますので、単なる凡才だったようで。

さて、先日、Jersey Mike'sでサンドイッチを食べていた時のコトです。旦那さんが藪から棒に「このお店10時オープンなんだよ」と。正直、ちょっと考えさせられたこの発言。え?その心は?10時からやってるんだよ、のほう?それとも、10時にならないとやっていないんだよ、なのか…?妙な間の後、私の返答は「結構遅い開店なんだねぇ」。ところが、そっちではなかったようで、「何言っているの?誰も朝食にサンドイッチは食べないでしょ?10時に開店してから、一体何時まで忙しいんだろうね、と思ってさ」と。あ、そっち、、、ってサンドイッチは朝食に食べないの?と、私としては、そこにひっかっかった訳です。聞いてみると、彼曰く、サンドイッチはもっぱらランチなのだそうです。では、ディナーにサンドイッチを食べるのはありなのかと聞いてみると、そういう人もいるだろう、とのこと。まぁ、夜の8時とか9時までの営業時間からしてもそういうことなのでしょうね。でも、私としては、夜サンドイッチより、朝サンドイッチの方がありなんだけどなぁ。

日本でサンドイッチというと、食パンに挟まれた三角形のものがメジャーになるかと思いますが、アメリカのサンドイッチには、ホットドックのパンの形に近い、ボリュームのあるパンが多く使われます。アメリカでもコンビニやスーパーなどに行けば、いわゆる日本のコンビニスタイルに近いサンドイッチも売られていますが、決してメジャーのスタイルではありませんね。でも、子供が学校のランチにもっていく定番のサンドイッチは食パンスタイル。簡単だからか、安いからか。。。そういえば以前、旦那さんも一緒に日本に一時帰国したとき、私の実家で母が日本スタイルのサンドイッチを朝食に作ってくれたことがありました。彼も食べていたな、というのを思い出して聞いてみたところ、おいしく食べたけど、あれはサンドイッチというかなんというか…ゴニョゴニョゴニョ…と。どうも、私が思っているより、日本のサンドイッチとアメリカのサンドイッチには違いがあるようです。

さて、この時の、朝食にサンドイッチの会話の中で登場したのが「ブレックファーストサンドイッチ」というものでした。彼が「朝食にサンドイッチを食べるなら、ブレックファーストサンドイッチだね」と。私はムムム?ブレックファーストサンドイッチ?一瞬、聞きなれない言葉のように感じましたが、要するに、ハムやソーセージなどの、何らかのお肉とスクランブルエッグのような玉子が挟まれたサンドイッチのこと。パンはトーストされているイメージです。朝マックメニューのソーセージエッグマフィンみたいな感じですね。朝食にサンドイッチを食べるのならコレになるなのだそうです。野菜や玉子サラダ、ツナ、ハムとチーズ、ときにはフルーツと生クリームが挟まれたサンドイッチの朝食は、結構日本式のようですね。そうそう、私はブレックファーストサンドイッチの言葉には今一なじみがありませんでしたが、ブレックファーストブリトーは知っています。ブリトーというのは、トルティーヤで野菜、お肉、ごはん、お豆、サルサなどを巻いたメキシコ料理のひとつ。そして、ブレックファーストブリトーというのは、何らかのお肉とスクランブルエッグが巻かれたブリトーのこと。要は、アメリカの朝食といったら、何らかのお肉と玉子ということのようで。日本の、白いご飯とみそ汁に納豆みたいなものなのでしょうかね。

私は、子供の頃、外食をするときに、とんかつは夜に食べるモノ、スパゲッティは昼でもいい、などの私なりの基準がありました。大人になってからは、とんかつ定食ランチも大いにありですが、子供の頃は食も細かったので、とんかつなんてヘビーなものを昼には食べられない、または、とんかつは家で食べるもの、などの私なりの理由やイメージがあったのだと思います。要するに、人それぞれ、ではあるのですが、やっぱり朝サンドイッチは日本人には受け入れやすいような気がするのですが、どうでしょう?

そうだ、「サンドイッチ」で、一ベトナム人の同僚君が言っていたことを思い出しました。彼曰く、ベトナム人に「朝食は何を食べたの?」と聞くと、答えは決まって「バインミーとコーヒー」なのだそうです。バインミーというのは、ベトナムのサンドイッチのこと。その人が、リッチな人でも「バインミーとコーヒー」、貧しい人でも「バインミーとコーヒー」。だから「朝食は何を食べたの?」という質問から分かることは何もない、そう言って笑っていました。サンドイッチひとつとっても、お国柄が出るようです。

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