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『台所のラジオ』吉田篤弘2024④

私は今、最高に面白い本を読んでいるんだぞと思いながら、電車の中でページを繰る。幸せの時間。

印象的な食べ物が必ず出てくる12の短編。
語り手はばらばらだけど、みんな同じ一つの世界線で生きていることがわかるのがすごい。
逆に言えば、12の短編で、ある一つの大きい世界観を編み上げている、のか。

吉田篤弘の本の中では、今のところこれが一番好きだ。

私も、台所にいる時はラジオをつけていることが多い。無音が苦手なのかもしれない。かと言ってテレビの音声でもいいわけではなく、テレビをわざわざ消して、ラジオをつける。

あとがきによると、台所でお話を書き始めることもあると言う。そういう、生活の延長線で生まれるお話って好きだ。食べ物が全部美味しそうなのも、台所で書かれているからかもしれない。


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