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【フッドスター・ZORNを木村昴が語る】「フッドでの衝撃の出会いから始まって、前々回前回と語ってきたZORN。 最後は新作『新小岩』の楽曲について語ります!」【HIPHOP HOORAY VOL.22 ヤングジャンプ公式】

『ヒプノシスマイク』で山田一郎役も務める声優界一の“ガチなヘッズ”な木村昴の日本語RAP連載!

ZORN編3回目でやっと完結!'20年最高作の呼び声高い『新小岩』を掘り下げる!

木村 昴 きむら すばる:1990年6月29日生まれ。ドイツ出身。『ドラえもん』ジャイアン/剛田武役、『輪るピングドラム』高倉冠葉役等を担当。『ヒプノシスマイク』ではイケブクロ・ ディビジョン代表Buster Bros!!!を率いる山田一郎役。天才劇団バカバッカを主宰。ラッパーとしても『フリースタイルダンジョン』にも出演していたラッパー・掌幻と“掌幻と昴”として活動中。

※本記事は週刊ヤングジャンプ2021年9号に掲載された内容をnote用に一部改変して収録しました。

フッドでの衝撃の出会いから始まって、前々回前回と語ってきたZORN。最後は新作『新小岩』の楽曲について語ります!

話はZORNさんが昨年11月にリリースした『新小岩』に入りますが

——遂にですね。ZORNさんの話が始まったのは去年ですよ、もう(笑)。

語りたいことが多すぎた……(笑)。
僕も暮らしていた、ZORNさんはいまも暮らす街の名前を冠した最新アルバム『新小岩』ですが、いままでZORNさんが積み重ねてきたことと、最新のZORNさんの姿が満載になってるアルバムだと思いますね。
例えば『Keep Wishing feat. Kvi Baba』の最後のヴァースから立ち上るパッションと、複雑な韻の踏み倒し方なんて、食らうなんてもんじゃなかったです

——[A.I.A.A.E.]を基本に、脚韻、頭韻、文中の韻など、縦横無尽に韻が踏まれて、更に字面だけじゃなくて、発音でも踏んでるように聴かせていて。

vol22ライミング

リリックの内容もとにかく熱くて、最後の“タバコはあるライター貸せ”っていうフレーズにはシビれましたね。
『東京一年生』っていう竹原ピストルさんの曲があって、その中で“タバコ自体が無いってなら/まぁしょうがないかなって思えるんだ/堪え難いのはタバコはあるのに火が無いときだよ”っていう歌詞があるんです。
僕の解釈では、必要なものが自分の手にない時の焦燥感や、それで生まれる人間の弱さみたいなものを感じるんですけど、ZORNさんのリリックは近いことを言ってるけど、そこで悲観するんじゃなくて、“ライター貸せ!”って、無いなら自ら奪い取りにいくような姿勢を感じたんですよね

——よりタフなメッセージになっていますね。

そうなんですよ。それがZORNさんっぽいし、メッセージになってるなって

——『新小岩』は客演のラッパー陣も豪華ですよね。

AKLOさんやNORIKIYOさん、MACCHOさん、ANARCHYさん、KREVAさん、鋼田テフロンさん……超豪腕揃いですよね。
それからILL-BOSSTINOさんとの『Life Story feat. ILL-BOSSTINO』は、MVでBOSSさんの本拠地の札幌と、ZORNさんの本拠地の新小岩が映像で交差するのも超渋い

——昴くんも見覚えのある光景が多いですか?

もちろん!
新小岩って決して派手な繁華街ではないし、基本的には普通の住宅街で、あるとしたら飲み屋かパチンコ屋か激安バー。あと、ブームが終わって都心で居場所がなくなったタピオカ屋がやっと進出してきたり(笑)。そんな街なんだけど、その街をフッドとしてレペゼンして、MVを撮り続けてるのも素敵なんですよ

——この曲の“俺の意見より嫁の機嫌”というリリックには、世の妻帯者が首がもげるほど頷いてましたね(笑)。

ハハハ。
でもそれを“嫁の尻に敷かれてる”って思う人もいるのかもしれないけど、そういうことすらも正々堂々と言えるはっきりした姿勢が格好いい。BOSSさんも曲の中で“新小岩いいとこ”って仰ってたんで、今度は僕に案内させて下さい(笑)。
『新小岩』の全編を解説すると終わらなくなっちゃうんで、読者の方にはぜひ聴いて確認して欲しいんですが、このアルバムを聴いて僕が一番感じたのは“人生は何があっても這い上がれる”“悲観せずに進んで行く力”みたいな部分なんですよね。生まれる時代や場所は選べないけど、前を向いて、自分の人生や地元を背負って、そこに爪痕を残す大事さというか

——だからこそ昴くんも“新小岩レペゼン”と言えるようになったと。

そうですね。
だから自分の人生にとっても大事な1枚になりましたね。
その作品を新小岩の信号でジャムったラッパーがリリースしたっていうのは、生意気だけど本当に感慨深い。もう1つ生意気ついでにいうなら、いつかZORNさんと一緒にライヴがしたいですね。もちろん、かつしかシンフォニーヒルズで

最後までお読みいただきありがとうございました!
次回もお楽しみに!

撮影◎門嶋淳矢
取材・文◎高木“JET”晋一郎

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