見出し画像

古いものに魅せられる理由

食器や洋服や家具…
アンティーク、ヴィンテージと
呼ばれるものがある。
蚤の市や骨董市で出会った瞬間に魅せられる。

物が私を呼んでいるようで、
家に連れて帰りたくなる。

Made in Vietnumのタグがついた刺繍のブラウス、
ヨーロッパのカフェにありそうな曲げ木の椅子、
江戸時代に作られたという翡翠色の器。

どれもが私の知らない時代に
誰かによって作られ、使われてきたもの。
どんな理由かはわからないけれど、
今こうして私の目の前に現れて出会っている。
まるで恋愛のようなトキメキを覚える。

一度使い始めると
以前からここにあったように感じる。
真新しさはないけれど、
使い込まれた美しさと輝きがある。

誰かの過去と私の現在が重なりあって
これからの未来を作り始める。

寺山修司の言葉を借りるなら
アンティークを買うことは
“他人の過去を買う“ということ
にもなるのかもしれない。

いつの日か私はこれらを手離して
別の誰かのところへと旅立つのだろう。
さまざまな人の過去を乗せて。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?