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体験レッスンでの気づき

先日、大学生の女の子が体験レッスンに来てくださいました。

「楽しく歌えるようになりたい」

とのことで、その日のレッスンの目標は

「歌い終わった時に気持ち良いと感じられるようにする」

ということで、まずはどのような状況なのかを把握するところから始めます。

お話する時から、喋り方の癖を見極めることがとても大切になります。唇や表情筋の使い方、舌の使い方や声帯の振るわせ方・・・など。

私もそうですが、女性に多いのは「声帯がうまく閉じずに息を通している」ことです。

そうすると、どうしても息漏れしているような声になります。

声帯がうまく閉じずに、開いた状態で息が出てしまっている。

通常であれば、声帯は閉まってわずかな隙間を空気が通って、声帯が振動します。それがうまくいかないのです。

これは首の周りの筋肉の使い方が大きく関わってきます。口の中の開き方なんかも大事になってきます。

歌う時には、全身のありとあらゆる場所が声に関わっていますので、一概に「これだけが原因!」とは言い難いのですが・・・。

体験レッスンだったので、一回でどこまで声が出るようにできるかが勝負でした。

私がその時に心掛けたのは

①首より上の空間を響かせるようにすること

②後ろの意識をもつこと

③できると思うこと

でした。

①は捨てられた子犬の鳴き声やミッキーマウスの声で響きの場所を確認する。

②は身体の作りを知る。

③はとにかく「いいね」「できてるよ」「めっちゃいい」と言い続ける。

レッスンに来られる方は「声や歌に自信がない」方です。でも実際はご本人が思っているほどの問題がないことが殆ど。

ですので、実は「自信をもつ」ことは声を出す上でとっても大切です。

そんなこんなで、上記を意識しながらレッスンを行うと、あれよあれよとめちゃくちゃ声が出てきました。

面白いことに、その方は「とても効率よい」と感じました。というのも、こちらが発するイメージワードをすんなりと自分のものにしてしまうのです。これは、なかなかできないことです。そのイメージワードが、彼女にとってあっていたというのもあったのかもしれませんが、あれよあれよと身に着けていく様子をみて、私もとっても楽しくなってしまいました。

声は一人一人の履歴書です。面白いほどに、どんな性格でどんな生活をしているのかがよくわかります。それがまた楽しかったりします。

ボイストレーナーといえば、世の中にたくさんいらっしゃいます。そして大事なのは「相性が合う先生を見つけること」です。声は心の状態がかなり関係しますので、「なんか合わないな」「言ってる意味がわからないな」という状態ですと、一向にうまくいきません。ですので、相性はとても大切です。

そしてもう一つ・・・「引き出しの多い先生であること」はとても重要です。

声の癖は人によって、全然違います。どのイメージワードが合うのかも、人によって全然違うのである言葉を伝えてうまくいかなかったら、別の表現にする・・・という工夫が必要になります。

私自身も日々引き出しを増やすことを心がけています。それは、歌の時だけでなく、日常生活の中での感性です。

見えない身体のことや声のことをやるうえで、感性や想像力は不可欠です。

日々そういった力を身に着けていきたいな、そんな風に思わせてくれた体験レッスンでした。

声と歌の教室Sfida  https://seigakukyoshitsu-sfida.com/

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