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第3回ベンチャーM&Aサミット【1/5】

「第3回ベンチャーM&Aサミット ~彼らの共通点は東大卒~」
当日の様子の一部をテキストにてお届けします。
登壇者プロフィールはこちら、イベント情報はこちらからご覧いただけます。

▼ 目次 ▼
1. 主催者ご挨拶
2. 登壇者自己紹介 元義理の父からの事業承継・スリーエス 吉田氏
         大手予備校へ学習アプリを売却・マナボ 三橋氏
         GSからIT分野で起業&売却・ライスカレー 大久保氏
         大型ディールを多数サポート・南青山グループ仙石氏
3. ニッチサービスを○○億円で大企業に売れた理由

島袋
みなさん、本日はお忙しい中、第3回M&Aサミットにお越しいただきまして、ありがとうございます。
私は今年に入ったころから、世の中にはM&Aの情報があまりにもなさすぎるなと思うようになりまして、そこで体を張って、M&Aの裏側を全部暴露する動画サービスを作ることにしました。その一環でこういう会をやっております。

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本日のゲストの中には、動画には出演していただけないけれど、イベントだったらいいよということで快諾いただきました方もいらっしゃいます。みなさん、ぜひやらしいところの質問、どしどしお願いしたいなと思っております。(笑)

それでは最初に、乾杯させていただきます。
本日はみなさん、きわどい質問よろしくお願いします。乾杯!

会場
乾杯!

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元義理の父からの事業承継・スリーエス 吉田氏

島袋
では、さっそく始めさせていきましょう。
吉田さんから順に、それぞれ自己紹介をお願いいたします。

吉田
吉田と申します。97年に東京大学の文学部を卒業して、当時の三和銀行、都市銀行に就職しました。4年ほどの銀行業務を経て、その後外資系のプルデンシャル生命保険会社に移って5年半ほど営業をしたあと、2006年から現在の株式会社スリーエスに入っています。

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入ったきっかけというのが……まあ、みなさん人生で一回は離婚するじゃないですか。

会場
(笑)

吉田
2006年に入社をしまして、当時の結婚相手のお父様がオーナー社長だったんです。ただ、事業承継の途中で、100%私の問題で離婚をいたしまして……
最初の離婚はちょうど2008年でしたかね。

島袋
何したんですか?

吉田
それはほんとにもう、いろいろありまして。

会場
(笑)

吉田
一人娘ですし、普通ですと私が身を引いておしまいというところなんですが、先代の懐の大きさで、「俺はお前を選んだんだ。仕事はお前に任せたい。公私混同はしない」ということで、そのまま事業承継を進めることになりました。
それで、2008年に離婚しましたけれど、2012年から代表取締役に就任しています。

ただ、元々相続ベースの予定だったのが途中から買取ベースに変わる形になったんです。今日他に登壇されているお二方は本当の意味でのM&Aをなさっていると思うんですけれど、私の場合は結果的に株を買い取る状況になったので、MBOみたいな形だったんです。昨年末にやっと先代からすべての株式の譲渡が終了しました。

ただ、買取は終了しましたけど、これからたくさんの借金を返していくという状況になっております。よろしくお願いします。

会場
(拍手)

大手予備校へ学習アプリを売却・マナボ 三橋氏

島袋
では、次は三橋さんお願いします。

三橋
一発目で自己紹介のハードル上がりましたね。
はじめましての方がほとんどだと思います。三橋と申します。
ぼくは親父が画家で油絵を書いていて、フランスに15年くらいいたんです。フランスでは成功していたんですが、子供が生まれたら日本で育てたいということで、日本に戻ってきました。
でも日本だと、画家で食っていくのが難しいんですね。簡単に言うとすごく貧乏で参考書すら買えないみたいな状況で、貧困な家庭に生まれたことをコンプレックスに思っていました。でも宇宙飛行士になりたいから、とりあえず東大に行くぞ、みたいな感じで頑張って勉強したんです。そういう実体験があったので、教育に元々興味がありました。

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大学に入ってからは、宇宙飛行士のサークルや株式投資のサークルに入りました。2006年、ライブドアショックが起こった頃です。この株式投資サークルのメンツと馬が合って、とても面白いなと思ってのめり込んでいきまして…この話を始めると2時間ぐらい使いそうなんですけど(笑)
まあ、そんな感じで株をやってると経営者が近くにいるので、経営にも興味を持って、同い年の起業家を見て、自分もやりたいなと思うようになって、大学院在学中に会社を興しました。
就活も微妙にしていたのでいろいろオファーももらったんですが、結局迷った末に断って、会社一本で2013年頃から6年くらいやってきました。

GSからIT分野で起業&売却・ライスカレー 大久保氏

島袋
次は大久保さん、お願いします。

大久保
はじめまして、大久保と申します。三橋さんが生い立ちの話をされましたが、私の場合、元々東大には理系で入ったんですが、当時は宇宙物理をやりたいと思っていました。高校生のときにはアメリカの大学も受けていて、一応ミシガン大学に行こうとしていたんですが、その頃ちょうどリーマンショックが起きて、奨学金が切られてしまったんですね。それで東大に行ったんです。そう言うとよく叩かれるんですけど(笑)、そういう流れで東大に行くことになりました。

そのときにリーマン・ブラザーズという一個の会社の破綻がこれだけ世の中に影響を与えるというのはどういう世界なんだろうと思いまして、ゴールドマン・サックスに行ってみようと。それで大学卒業後に最初にゴールドマンに入りました。

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M&Aというテーマで言いますと、私はずっとゴールドマンで3年間M&Aのアドバイザーを下っ端でやっていたので、大きな会社同士のM&Aはけっこう見てきました。
その後に、ひとつMomentumという広告系の会社を作りまして、それは2年ちょっとくらいで売却しました。メンバーは5,6人程度と小さい会社で、額はまあまあでしたけど、

島袋
まあまあ、と言いますと?

大久保
一応二桁はつきました。ちょっと、それ以上は(言えません)。(笑)
どちらかというとテクノロジーを買うようなM&Aだったので、私自身は代表ではあったけれど技術屋さんではないので、ロックアップがかかっていなくて、その後次の会社をつくりました。
今はライスカレーという会社ですが、カレー屋ではなく、インスタマーケや、自社でアパレルブランドを作ってインフルエンサーをプロデューサーとするような会社をやっています。今日はよろしくお願いします。

会場
(拍手)

島袋
実は大久保くんは弱冠29歳にしてパテック フィリップの時計をつけております。笑えないですよね。(笑)

会場
(笑)

大久保
笑ってください。(笑)

大型ディールを多数サポート・南青山グループ 仙石氏

島袋
では次にいきましょう。仙石先生、お願いします。

仙石
仙石と申します。私は元々監査法人トーマツにおりまして、そこから今の南青山FAS株式会社と南青山税理士法人を設立しました。今6期目の会計事務所なんですが、この前ある証券会社様から過去の実績を出してくれと言われて、M&Aを何件くらいやってきたか調べてみたところ、大体500件くらいの案件をやらせていただいています。
つい先日プレスリリースがでていますが、Yahoo株式会社様が、「kurashiru(クラシル)」という日本最大級の料理動画レシピサービスの運営をされているdely株式会社様の株式を取得した際は、デューデリジェンスと企業価値の算定もやらせていただいています。

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また、これはあんまり言っていないことなんですが、実は私は会計事務所の傍ら、表参道でエステを経営していたんです。このエステ店も実は買って、倍の金額で売却したんです。やっぱり自分で一回実践してみようと思いましてやってみました。

こういった経験を活かしながら、今日みなさんの解説をさせていただきたいなと思います。
また、島袋さんの会社もデューデリに入らせていただいたこともありまして(笑)

島袋
その節はお世話になりました。

仙石
これはちょっと秘密でしたかね(笑)

島袋
うちはいいんですけど……

会場
(笑)

仙石
今日はよろしくお願いします。

会場
(拍手)

2.ニッチサービスを○○億円で大企業に売れた理由

会場
大久保さんに質問です。ゴールドマン時代にM&Aに下っ端とはいえ携った時と、当事者としてやるときとのギャップがすごくあったんじゃないかと思うので、交渉などで大変だったポイントはなんですか?
あとはよくSyn.に持っていったなとも思ったので、その辺についてお聞きしたいです。

大久保
基本的にIPOを目指しているときのピッチはすごく簡単なんですよ。「自分の会社はすごく伸びますよ」「メンバーもこれだけすごいポテンシャルが高いですよ」っていう、ポジティブな話を語ればいいわけです。

でも、M&Aのときは、大体みんなロックアップがかかったとしてもやめるじゃないですか。つまり、ずっとその会社にいるわけではない前提で交渉が始まります。例えばロックアップが3年だったとしても、3年で大体売る側の人はみんなやめる。残っている人は相当珍しいと思うんですよね。それは買う側もわかっているんです。
人ではなくて事業を買ってもらうわけで、それでもそれなりの金額がつくように頑張らなければならないんですが、やっぱり自分自身がずっとこれからも面倒を見る事業じゃないので、IPOのピッチと比べて、自分の言葉に説得力が生まれないんですよね。そこは苦労しました。

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