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世界で一番幸せな場所への祝福

4月30日、カリフォルニアディズニーリゾートが約400日の休園期間を経て、遂に再開した。

カリフォルニアは、私が初めて訪れた海外ディズニーだ。
社会人一年目の夏休み、スーツケースいっぱいにワクワクと憧れを詰め込んで。カラッとした青く広い空の下に降り立った日の自分を思い起こすと少し眩しい。

世界で一番最初にできたディズニーランド。私が訪れたときはちょうど60周年のセレブレーションイヤーだった。

溢れるお祝いムードにハッピーを浴び、目に映る全てが魔法のように見えたのは絶対に忘れらない感覚。

「1st visit」と「my birthday」の缶バッジを胸に付け、楽しくスキップしていたらキャストさんや周りのゲストさんが満面の笑みで声をかけてくれる。アトラクションに乗っているゲストとそれを観ている人たちが手を振り合っていた。

普段道で急に他人に手を振ったりするだろうか? 絶対知らない人に声をかけられても警戒心丸出しになるのに、パークの中にいると年齢も国籍も関係なく、まるでみんな仲間のようだ。手を振ればそれに応えてくれる人が絶対いる、そんなディズニーマジックが大好き。

東京と似た点も多々あるが、比べると年季の入ったアトラクションも多い。

「マッターホルンボブスレー」というガタガタのジェットコースターなどは私の知ってるディズニーランドというより、まるで地方の少し寂れた遊園地の乗り物のようだと感じてクスッとしてしまう。

それでも、今でも人気アトラクションなのだ!子どもも大人も童心にかえりはしゃぐ姿はとても微笑ましい。60年間もの間、たくさんの人々を冒険に誘ってきた存在なのだと思うと、愛おしさと感謝の気持ちが溢れ出す。

もちろん古びたアトラクションばかりと言うわけではなく、最新技術を駆使した魅力的なものもたくさんある。

「ラジエータースプリングスレーサー」なんかは最高のアトラクションなので、少し並ぶが絶対に絶対に乗って欲しい。アメリカの広大な土地だからこそ実現できる夢のような体験だと思う。ディズニーの魔法にかけられて、本当に映画の中に入り込んでしまうのだ。あの楽しさは言葉にするのが難しいので、とにかく行こう!としか言えないのが惜しい。
これを作り上げたイマジニアたちは一生幸せでいてほしいと強く願う。

そして海外パークの醍醐味はなんといってもキャラクターグリーティング!東京とは比べ物にならないほど濃密だ。

東京の流れ作業的なミートミッキーに慣れていた私は、写真を撮ってすぐに去ろうとしてしまったのだが、なんとミッキーが離してくれない!せっかくなので拙い英語でゆっくり、だけど精一杯に会えた喜びを伝えると、目を見て丁寧にうなずきながら聞いてくれる。

その姿はアイドルのような遠い存在というより、たわいもない話をして笑い合う友人のよう。

そういえば、ミッキーのサインには「your pal」と書いてある。きみのともだち。
子どもの頃から、ディズニーが大好きだった私の写真は、だいたいミッキーと写っているか、ミッキーのぬいぐるみやTシャツが写っていた。

きみはずっと私の隣にいてくれたね、と思い出して少しじんわりする。

最後の日も、もちろん私は一番大好きなミッキーに会いに行った。今日が最後の日で、日本に戻るんだと泣きそうになりながら伝えたとき、あたたかく抱きしめてくれたのが忘れられない。隣にいたキャストさんも一緒に寂しがってくれた。

それでも最後には「また絶対にここで会おう!」そう約束してさよならした。


そんな最高にハッピーでマジカルな空間がコロナで閉園したとき、世界から太陽が消えたような悲しみを覚えた。

世界で一番最初のディズニーランド、ウォルトが自ら手がけた唯一のディズニーランド。そこから魔法が消えてしまったなんて。他のどのパークが再開しても、カリフォルニアが開かない限りは喜べなかった。400日間は本当に長く寂しい日々だった。

だから、ついに4月末に再開予定とニュースを見たとき、その知らせだけで私の心が再びときめき始めたのだ。リオープンを祝う動画で、眠れる森の美女の城に再び魔法がかかった瞬間を見たときには、涙が溢れた。

ようやく、ウォルトが心を込めて作り上げた夢の世界がまたたくさんのゲストとともに魔法を作り出せる日が来る。

私が再び訪れる日がくるのはまだまだ先のことかもしれない。それでも、海の先でカリフォルニアディズニーランドが開いている、それだけでありったけの希望が溢れてくる。

本当に本当におめでとう。お帰りなさい、ディズニーランド。

世界で一番幸せな場所に心からの祝福を贈りたい。

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