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感情と筋肉の関係

芸能事務所の俳優スクールでマイム講師をすることになり、改めて自分が大切にしている身体を使った演技について考えています。


マイム(パントマイム)は、「身体を使った演技表現」だと解釈しています。言葉を使わない分、全身を使って役の特徴や、さまざまな感情を表現します。

パントマイムと言えば、見えない壁に閉じ込められたり、カバンが動かなかったり、動かない銅像といった代表的なテクニック芸が注目されていますが、本質はチャップリン。

言葉を使わずに、言葉以上のことを伝える芸であると、私は考えています。

では、言葉なしでどうしたら言葉では伝わりづらい感情を伝えられるのだろうか。長年そんな葛藤を抱えて、トレーニングを続けて、ひとつの仮説が出来ました。

それは、
さまざまな感情を表現するには、筋肉の使い方が重要。
筋肉の緊張状態と感情はリンクしている。
ということ。

身体表現の軸にしています。

悲しい状態の時は、筋肉が弛緩します。
より悲しくなると、全身の脱力感が増していきます。


対極なのは怒っている時。筋肉が緊張したり硬直します。
怒っている時は、瞬発的な筋肉の使い方をすることがあるので、物にあたったり、暴力的な素早い行動になるとき実感しやすいと思います。

私はこうした目に見えない、捉えづらい感情を表現する時に、
筋肉の状態をどういう状態にするんだっけ?と、身体で作りだしてから物語に必要な表現に落とし込んでいます。(感覚的な話なのですが、、、)

分かりやすい感情は、筋肉の使い方も比較的分かりやすい。複雑な感情や、さまざまな感情が入り乱れると、筋肉ちゃんも繊細な活躍が必要になってきます。笑

プルチックの感情の輪というものがあり、人の基本感情を8つに分類しています。

怒り、恐れ、期待、驚き、喜び、悲しみ、信頼、嫌悪
https://6seconds.co.jp/eq-articles/plutchiks-model-of-emotions

これらの感情は層になって積み重なり感情が深まっていくので、言葉で分類した微妙な感情や、その状態を身体で表現していくのはなかなか面白いものだなぁと思っています。

例えば、「怒り」感情の場合
イライラ→怒り→激怒

は、比較的違いが分かりやすくて、筋肉の使い方も感覚的に掴みやすい。

これが、「信頼」感情の場合
受容→親愛→敬愛

筋肉の使い方で違いを出していくことができるのか。。。

マニアックなお話しでしたが、興味がある方はぜひ日常生活で感じる感情と、筋肉の使い方を意識して振り返ってみてください★

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