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HINOMIHOさんの展示会『続:ファッションの根』

福岡・広川のKibiruさんにて、2月17日(日)にファッションブランド「HINOMIHO」のデザイナーを手掛ける日野美穂さんのイベント『続:ファッションの根』が開催されていました。

本イベントは先日2月10日(日)に福岡市で二回目のファッションショーを行なった日野さんによるトークと展示会となっていたもので、ショーの内容についてや今回手掛けられた作品のお話、これからについての展望などがいろいろ伺えたイベント。会場では服やテキスタイルの展示のほか、実際の試着などもできて、面白く服を楽しめるイベントとなっていました。

独自の世界観が含まれた服を伝って、人々を魅了される日野美穂さんの服作りのルーツは小学生の頃まで遡ることができるそうで、既存の服を切ったりアレンジしていた時からファッションデザイナーとしての物語がはじまっているとのこと。

日野さんの作品を見ているといっぱいに生い茂る"自然"というワードが浮かび出てくるのですが、それは日野さんご自身が服飾の企画の仕事をしていた時だったり、機械に囲まれるアルバイトをしていたときに、ふと公園の木々たちや花々などを見て癒されていた経験からテーマとして選ばれているのだそう。

さらに服とは何かを深く考えたときには、その根ぞこには太古のぼくたち人間が誰しも羽織っていた民族衣装とも繋がって、自然と人間が近かった頃をなぞり、自然を通した本来の人間の美しさを引き出そうとすることが自然が好きな日野さんの服作りの在り方とされています。

また日野さんのこだわりようはカメラにまで及び、作品の撮影は全て自分自身で行われているようで、一番伝わるのが自分で撮ることだとお話されていました。フィルムで撮られているそうで味がありますよね。

来た人一人一人には試着して日野さんに撮ってもらうというモデル体験のようなものもしてらっしゃったのですが、その人の雰囲気や後ろの背景、小道具を使った演出など、随所に見せる日野さんの選択から、さらに見た人と服とがツタで絡み合うように、ご自身の自然の世界観にのめり込ませてぼくたちお客さんを楽しませていた感じを覚えています。

一人の癒しの経験から生まれたキャンパスいっぱいに広がる木々や草花は、そこが大地ではないと区画された部屋の中やアスファルトいっぱいの街中であっても、人が着て、歩いて、集まれば満開に芽を開き"癒し"を振りまくことができる。ファッションは確かに人の手から生まれるものなのだけれど、その奥底にあるインスピレーションは常識で構成されたこの世でのその次に行けるということをあらためて学びました。なんだか宇宙で花見をしてきたような、不思議な空間でとても面白かったです。

日野さんが世界に"癒し"として張ったファッションの根。自然豊かな広川で見れたことも相まって、とても面白かったです。ありがとうございました。

(大坪 磨亜久)

【HINOMIHO Exhibition&Talk 「続:ファッションの根」】
場所:Kibiru
(福岡県八女郡広川町大字久泉814-1)
日程:2019年2月17日(日)
時間:Exhibition 13:00-18:00
Talk:15:00-16:00
お問い合わせ:0943-24-8281
※入場無料