見出し画像

学歴もない僕がフィリピンで教育起業をした理由は、理想の未来が見えたから。

「田舎にある語学学校の経営者が何を言っているのだ」という話になってしまうわけですが、これにはちょっとしたわけがあります。改めて自分振り返った時に一体なんのプロ(専門家)なのだろう。という疑問が湧いてきたわけです。

ちなみにこれは現在ビジネスをやられている方にも何かヒントになるかもしれません。売れない理由を嘆くのではなくて、売れるためにどうやって挑戦をしていったのか、そんなお話になっています。

1章:日本初の子供専門オンライン英会話を開発

画像2

2009年に私はフィリピンのセブ島で起業をしました。当時20代...起業のきっかけは「子供専門のオンライ英会話」を作るためでした。
当時の私は、英語も話せないし、フィリピンという国も知らない、もちろんフィリピンに誰も知り合いも居ない。そんな中でひらめきとともに一歩を踏み出したのでした。(2013年3月に同社代表を辞任)

画像1

2018年11月1日を以って、株式会社リップル・キッズパークは、親会社である株式会社レアジョブと合併。


アイデアは突然のひらめき、化学反応で生まれる

この事業のアイデアは突然の出来事だった。私の知り合いから教えてもらった「オンライン英会話」というのが流行っているみたいだよ。という一言

この言葉を聞いた時に、数日前に目にしていた「院内学級が閉鎖している」と言うニュースとなぜか”バチっ”とハマった感覚があったのだ。そして、不思議なことになぜか”マクドナルド”も脳裏に出てきたのだ。

オンライン英会話

社会的意義
「院内学級が閉鎖している」つまり、長期療養病棟で過ごしている子供たちが学びの場がなくなってしまっている、世界のことをもっとしれて元気になれる環境を作れるのではないだろうか。パソコンがあればできるから、感染症の心配もない。
ビジネスとしての可能性
マクドナルドは、牛肉と小麦粉、そしてポテト。世界中どこでも再現性があるビジネス。オンライン英会話も、「英語」「パソコン」「ネット」つまり世界中どこでも再現性がある”マクドナルド”のようなビジネスにならないだろうか?

と言うこの三つの要素がなぜかバチっとハマりやろうではないかとなったわけです。そこで実際に調査をしてみると、オンライン英会話は、ビジネス層を対象にしているのがわかりました、つまり子供むけはなかったのです。

あくまでもオンライン英会話は、忙しいビジネスマンが隙間時間にパソコンで英語を学ぶためのサービスだったのです。


ストーリーを作り上げる Create Your Story

画像3

冒頭でお話をしたように、当時の私は英語も話せませんし、ましてや英語教育のプロでもなければなんでもありません。ただのビジネスとして広めようと思った無謀な一人の挑戦者でした。

しかしそれでも、なんとしてでもこの「子供専門オンライン英会話」を広めなくてはと言う正義感に狩られていました。それは、社会的意義大義名文があったから踏ん張れたのでしょう。

まず、考えたのが、オンライン英会話が子供むけとして世に出た時に、

①誰の役に立つのか
②どのように使ってもらうのか
③何がデメリット(弱点)
④デメリットをストーリーで埋める

となるのかを徹底的に考えました。

①誰の役に立つのかと言う点で、一番は「お母さん」でした。オンラインで完結するので、「送り迎え不要」と言うのが一番の売り文句でした。

②どのように使ってもらうか?と言う点で、「家族で共有」できる仕組みを考えました。子供専門ながら決裁者は「親」だったら自分たちも楽しめるように。と言うような後押しのために「家族で共有」と言う概念を考えました

③何がデメリットか?と言う点はなかなかに厄介でした。

③-1,「パソコン」でのレッスンという障壁がありました。その当時はまだ2013年ということもあり、スマホの普及もまだまだで、パソコンでの受講がほぼ100%でしたが、親御さんの多くは「スカイプ」や「パソコン」の取り扱いに不慣れでした。
③-2,パソコンの前で子供がじっとしていることが想像できない。

④デメリットをストーリで埋める。という点で、考えたことは、とにかくオンライン英会話でやらなかったこと(オンライン英会話はコスト削減のために徹底的に合理化を図っていました)として「親切なカスタマーセンター」をもうけ、電話で使い方を丁寧にレクチャーをしました。

そして、親御さんとお子さん一緒にレッスンを受けることを推奨しました。お子さんが上手に回答できたときは、親御さんに褒めてもらうようにお願いをしました(参加型)
レッスンは子供が飽きないように、オンライン(パソコンのモニター越し)というデメリットの特性を生かして、パペットを利用して視覚的に楽しめるように工夫をしました。

課題を明確にして、ストーリーをしっかりと作ることが大切です。そのストーリーは関わる人たちが明確に役割や使った時の想像ができるようにするのがとても大切です、ただ商品の説明をするだけではあまりにもつまらない。

リップルキッズパークは、子供専門のオンライ英会話として、「送り迎え不要の習い事」そして「家庭の中に英語の環境を作る」「親子で共通の話題として英語を」ということをストーリとして作ったわけです。

子供の英会話といえば、今までは英会話スクールに通うのが一般でしたが、それが自宅でできるようになり、親御さんも兄弟も共通アカウントで授業受けることができる。

家庭の中に「英語」という共通の話題ができれば、英語がもっともっと身近になるわけです。またフィリピンの先生の話題で食卓が華やぐかもしれません。結果的に、世界に目を向けてフィリピンの先生に会いに行こう!なんてことも起こるわけです。

オンライン英会話は、ただの英語のスキルを教えるサービスではありません
家族の中に「英語」という共通の話題を生み出す、送り迎え不要の習いごと
というストーリーを産み出しました。

-----------------------------------------------------------------------------


画像4


2章:海外の無名の場所で語学学校を設立(今ここ)

2013年の3月にオンライン英会話リップルキッズパークの代表を辞任し、次なる挑戦、実校の開校に向けて動き始めました。前回はオンライン英会話ということで場所には縛られないサービスでした。今回は実校(リアルビジネス)めちゃくちゃ場所に縛られるビジネスのスタートです。

なぜこの留学のビジネスにあえて挑戦しようと思ったのかという点なのですが、2012年頃からセブ島でも「日本人経営の留学学校」が存在し始めました。さらに、「オンライン英会話」での英語学習に限界を感じていました。


また自分なりにストーリーが組み上がって行ったのです。

本来であれば「セブ島」で留学学校を立ち上げるのが間違いないはずなのに
(フィリピン留学において、セブ島での留学の割合が大多数を占める)

セブ島を選出しなかった理由は、留学ビジネスはレッドオーシャン。その中で特色を出しづらいと思ったのが理由でした。

また実際に自分の経験として、英語のできない女性と子供がセブ島で生活するのは危険であると判断したのが理由でした。

また、これからの英語学習として「体験を通して学ぶのが良い」という確信がありました。

その中で、親子での留学というのがまだまだフィリピンではスタンダードではなかったのでその領域にチャンスを見出しました。また、この領域は伸びるであろうというチャンスも感じていました。


ビジネスをやるにあたり考えたこと

小学校の英語教育義務化や2020年の大学入試制度の変更など、英語教育の環境は目まぐるしく変化をしています。オンライン英会話で「家庭の中での英語の環境作り」や「自宅にいながらできる習い事」というものを定着させることに成功しました。

しかしながら、子供の英語教育は長期的に取り組む必要があります。また言語の習得になるので、それ以上に、「伝えたいこと」などの感情や経験を通した「興味や好奇心」「発信力」が大切になっていきます。

その中で「五感を全て使って英語を体験を通して学べる」このようなコンセプトの学校が必要だと思ったのです(ちょうどキッザニアのような)そして、「毎年来れる価格で留学を提供する」ということをコンセプトとしました。

親子留学を推進する中で妥協をできなかったポイント

①治安(環境と街の親切さ)
②病院(24時間対応している)
③現地の学校に通学できる(体験)
④交通(交通渋滞が少なく大気汚染も少ない)
⑤イミグレーションがあること(VISAの延長手続きが容易)

オンライン英会話と比べれば、圧倒的に難易度の高いビジネス、それもメインストリームではない僻地(ドゥマゲッティ)での挑戦。普通に考えれば、ビジネスの定石として考えれば、完全に打つ手を間違えている行動です。
(正直今でも苦戦していますが、潮流はできてきました)

googleのサジェスト検索でも「フィリピン親子留学 ドゥマゲテ」ということで出てきていますし、フィリピンのドゥマゲテという場所が、「親子留学のメッカ」であるという認識が徐々に出来上がってきました。

「フィリピンを通して人生が変わり、そして英語力も身についていた自分自身の経験に着目をしました」

フィリピンという国で留学をする

体験を通して学ぶ(アクティブラーニング)

ドゥマゲテという治安を生かす(セブでは真似できない)

=

いきた英会話を学ぶ学校を作る(キッザニアのような)


街を舞台に英語を学ぶというコンセプト

*2019年11月現在こちらのキャンペーンは終了していますがこの動画を見ていただくと学校の雰囲気がなんとなくわかります

親子留学を推進する中で大切な「治安」そして「生活環境」これらを精査するのは容易ではありませんでした。フィリピンは途上国であり、イメージもあまりよくありません。もちろん貧富の差が激しいので「治安もよくありません」

親子留学を推進する中で、留学に送り出す「家族」のことを考えなくてはいけませんでした。(治安が本当に良い場所、しっかりと数字でも出せるくらいに治安の良い場所)を選定することが、快く送り出してもらえるためにも大切だと考えました。

家族を「危険」なところ、「危険と思われるところ」に送り出すことはできませんし、気がきではありませんよね?

語学学校ビジネスを展開する中で重要なポイント

①治安が安定していて
②街がコンパクト
③24時間の病院があって
④環境(渋滞も少なく大気汚染もない)
⑤イミグレーションがあること(VISAの延長ができない)

そこでようやく見つけたのがドゥマゲテだったのです。この街は、人口も13万人(沖縄市とほぼ同じ人口)で、学園都市で、治安がとってもよくて、観光のハブにもなっている(欧米人のバックパッカーに人気)

つまりここは「環境を利用した、体験学習ができる」というところで、着目をしました。しかしながら、「乗り継ぎ」という、英語の苦手な日本人からすると、高難易度な障壁が待っているわけです。

つまり、この場所には「英語」プラスαを求める人が来る場所なのです。英語の勉強をしたいだけならば、「セブ島」を選ぶのが間違いないはずです。

私はもともと「体験を通して英語を学ぶ」というコンセプトで学校を作ることを思いつき動いていましたが、そのためには「治安」「街との繋がりやすさ」というところが必要条件でした、しかしその反面で「メインストリーム(セブ島)」から離れる必要がありました。

セブ島とドゥマゲテでは人口では1/30ほど。セブ島とドゥマゲテでは留学ビジネスの規模としては、1/100くらいかもしれません。つまりどういうことかというと、留学ビジネスとして考えると圧倒的に「セブ島」を選択するのが正しいということです(なぜなら需要が集中しているから)

しかし、今回私が取り組んでいるのが「街を舞台に体験を通して英語を学ぶ」そして。強いてはそのアクティビティが「街の経済効果」にも繋がり、「雇用を生み出す」結果になれば、という理念とどちらかというと、プロダクトアウト的な考え方で行なっているというのがあります。

ビジネス的には間違いな選択肢を取っているのは自分でも理解をしています
しかしながら、私の原体験として、第1章の流れを経て、私は人生が変わりましたし、英語の学習も飛躍的に伸びました。

そして学歴がないにも関わらずアジアでのチャンスを手にしました。つまりこのアジアのパワー(チャンスは東南アジアにあり)を伝えたかったというのも根底にありましたし、その過程で英語力を伸ばす(体験学習)ことで、語学としての英語力を伸ばせると考えたのでした。

もちろんそれが、綺麗事なのかもしれませんが、語学力とは、コミュニケーション能力であり、コミュニケーション能力とは、質問をして、聴く力だと思っています。つまりは「好奇心」という元素がとても大切になります。

好奇心をくすぐるためには、広い広い世界が広がっていることと、世界は面白いことで満ちているということを知ってもらいたい。そこで一番わかりやすいのがフィリピンなのです。

それも、日本人が大好きな「英語を学ぶ」ということが、お手軽にできる場所。しかし、治安が悪い、イメージがよくない。

実際は全然そんなことはありませんし、場所を選べば、本当に素晴らしい体験ができるのがこの国。つまり私は英語学校を通して、英語力とともに、人生がちょっとだけ楽しくなるようなそんな「体験」を提供する学校をしているのです。

追記:

元々は体験を通して英語を学ぶというコンセプトで学校をスタートしましたが、徐々に私の中でも学びが深まり、やはり英語とは生涯をかけての学びだということ、そして親子留学に関していえば、お子さんの教育の場合は長丁場の取り組みになります。

つまり、親子留学は教育という入り口でありながらライフスタイルの提案をしていくべきだという考えになりました。どういうことかというと、留学とは特別なものではなくて、旅行に行く感覚でこれる。そうそんな気軽なものとしての認識に変えていき、そして留学というものがきっかけで、移住に展開したり、将来的な海外での進学などの出発地点になる可能性も秘めていることがわかりました。

まず、大切なことは、留学が旅行と同じく毎年来れる、きたくなるものとして認知してもらい、その先には、海外の学校の進学や、移住、プチ移住なども提案ご案内できていけるようにと考えています。

また昨今の社会的な問題というか日本社会の課題、いや闇とでもいいましょうか、ワンオペ育児など、お母さんが大変な状態というのも、フィリピン留学は救いの一手となると考えています。

教育を追求すると結局は、家庭に行き着きます。もっと追求すると「お母さん」になります。子供が一番影響受けるのは、やはり親であり、それも母親の影響を強く受けるわけです。

したがって、母親が笑顔で積極的な姿勢を持っている家庭は自ずと子供達も幸せになると考えています。つまり、お母さんがどれだけハッピーになれるか、という点はすごく大切なポイントだと思っています。

包括的にみてもフィリピン留学というのは、日本のご家庭にとって良い機能をするものだと考えています。



2009年からセブ島で起業、日本初の子供専門のオンライン英会話を創立する。2014年からはドゥマゲテという街で親子留学を中心とした語学学校を設立。X-JAPAN,聖飢魔Ⅱなどのヘヴィメタル好きの元バンドマン。意外に人見知りで今までラッキーで来ていると思っている。